Webであなたの夢が叶う!のHirokoです。
Webで数学、
今回はユークリッドの原論とは?です。
前回、ユークリッドの互除法のお話で
紀元前3世紀の古代ギリシャの数学者:ユークリッドを
ご紹介したときに、彼の著書:原論についても
ほんの少し触れました。
今回は、
その原論にフォーカスしてお話を進めていきたいと思います。
ユークリッド原論は、
今から約2000年以上前に書かれた数学書で
聖書に次ぐロングセラー書とも言われるほどの
ギリシャ語で書かれた書物です。
9世紀にアラビア語に
12世紀にはアラビア語からラテン語に
翻訳されて広まりました。
1巻から13巻で構成されていて、
はじめての日本語版は原稿用紙950枚分という超大作。
最初の6巻までは平面幾何学で、
三角形の合同条件、
ピタゴラスの定理、
円と多角形、
などについて書かれています。
7,8,9巻は整数論で、
約数と倍数
最大公約数と最小公倍数、
素数、
ユークリッドの互除法、
について。
10巻では無理量論で、
無比線分の理論
を扱っています。
とくにこの10巻は非常に量が多く
全体の30%になる文献です。
11、12巻は立体幾何と二重帰謬法(きびゅう)で、
帰謬法はのちにアルキメデスによって、
円錐の体積が円柱の体積の3分の1であることが
証明され、大きく発展するのです。
13巻は正多面体論、
正多面体が5種類であることはすでに
プラトンが述べていますが、
これを作図して無比直線になるところまでが
記述されています。
さて、
プラトンは彼の著書「ティマイオス」のなかで、
宇宙を構成する元素に正多面体を割り当てています。
ユークリッドが原論を書いた目的は、
正多面体が宇宙の図形であることを論じるためだと
哲学者:プロクレスは自身の著書の中に書いています。
だとすると、
原論は2000年以上前に、
すでに宇宙の数学を目指していたのかもしれませんね。
これは限りない数のロマンではないでしょうか?
