Webであなたの夢が叶う!のHirokoです。
Webで数学、
今回は正方形を二倍にするには?です。
哲学者プラトンは「メノン」という書物の中で、
「徳」を教えられるかという議論をしています。
メノンは紀元前400年ころの書で、
その内容は対話形式になっていて、
「徳」を教えるという議論から
「知識」とはなんぞや?
と話しは発展して、
やがてソクラテスが
「知識とは既に知っていることであり、
学ぶとはそれを思い出すことに過ぎない」
と主張しはじめます。
それを実証するために
ソクラテスは貴族メノンの召使いの少年と
二人で対話していくのですが、
この対話の方法は「産婆術」と呼ばれ、
相手が既に持っている知識を引き出す
ソクラテスの問答方法として
哲学の世界ではよく知られています。
さて、前置きが長くなりましたが、
その二人のやり取りが今回のお話です。
ソクラテスは少年に
ある正方形を見せて、
「この正方形を二倍にしてごらん」と問いかけます。
はじめ少年は、
辺の長さを二倍にすればよいと答えますが、
これでは面積が4倍になってしまうことがわかります。
次に少年は、
辺の長さを1倍半にすればよいと訂正しますが、
それも違うことがわかり、
もうわからないとあきらめてしまうのです。
そこでソクラテスは、
もとの正方形を4つならべて、
さらに対角線を引いて少年にヒントを与えます。
すると少年は、この↑図のななめの正方形が
求めていた元の正方形の二倍になっていることを
理解しました。
これで、
この少年のもともと持っている知識が
ソクラテスによって引き出されたことが
証明されたと言うのですが、
紀元前にこのような家庭教師的方法で
数学が口伝されていたというのは面白いですね。
一本の対角線がヒントになるようなことは
現在の私たちの身の回りにもありますね。


