オキシトシンのお話 そしてお父さんへ | 清水産婦人科 公式ブログ

清水産婦人科 公式ブログ

滋賀県草津市にお産と不妊治療を専門とする産婦人科クリニックとして2013年9月4日にオープンしました。
クリニック情報発信のブログです。

こんにちは。

 

5月のブログは病棟の助産師 松下ニコと安田ニコニコで担当します。

 

今回のお話はオキシトシンと子育てについて

 

お話したいと思います。

 

 

「オキシトシン」というのは

 

脳の下垂体というところから分泌されるホルモンです。

 

陣痛をおこしたり母乳を出したりします。  

 

でもこのオキシトシンには別の作用があります。

 

それは心。

 

精神と人間関係の距離に影響を与えます。  

 

 

オキシトシンは多幸感をもたらしますニコニコ

 

大変なお産を乗り越えた後や

 

授乳のときに感じる何とも言えない幸せや

 

リラックスした感じはこのホルモンの影響があります。

 

人に対しても親密な感情を抱きます。

 

子育てを共にしてくれる家族や友人に対して

 

心理的な距離が近くなり

 

みんなで赤ちゃんを育てる「共同養育」という方向に向かわせます。

 

 

みんなで赤ちゃんを育てる「共同養育」

 

これが人間の自然な子育ての姿だと言われています。  

 

 

でも産後はイライラするという話をよく聞きますよね?

 

オキシトシンが出ているならなぜ?  

 

 

実はオキシトシンにはもう一つの面があります。

 

それは「攻撃性」です。プンプン

 

小さな赤ちゃんの命を守るために

 

危険に対しピリピリと緊張が高まります。

 

子育ての仲間ではない他者に対しては攻撃的になります。  

 

幸せな状態ニコニコとピリピリした状態プンプン

 

この相反する感情を行ったり来たりする状態が

 

産後のお母さんの心です。

 

 

みんなで子育てをする共同養育が自然な姿なら

 

子育ての最大のパートナーは誰でしょうか?

 

それは夫でありお父さんです。

 

でも男の人は出産も授乳もないので

 

オキシトシンの強い影響を受けません。

 

そのためお母さんと感情を共有しにくいのです。

 

お母さんは同じ気持ちで赤ちゃんに向かってくれないお父さんを

 

子育ての仲間だとは思えなくなる時があります。

 

そのときお父さんが攻撃対象になり

 

イライラをぶつけてられてしまうのです。

 

お父さんはなぜこんなに怒っているのかわかりませんから

 

お母さんと心がすれ違っていきますショボーン

 

いわゆる「産後クライシス」の到来です。  

 

 

こんなことにならないためにお父さんは

 

お母さんの子育てのパートナーにならなければいけません。  

 

一つはお母さんと正面から向き合うことです。

 

仕事から帰って疲れていても

 

お母さんの話を真剣に聴いてあげてください。

 

テレビやゲームをしながらの生返事や

 

意見をしたり批判することなく、共感をもって聴く。

 

その悩みに理解を示し共に考えることです。

 

また男の人でも赤ちゃんと触れ合えば触れ合うほど

 

オキシトシンが分泌されることもわかっています。

 

そのとき赤ちゃんへの愛着も深まり

 

お母さんと気持ちを共有できるようになるとき

 

夫婦は子育てのパートナーとなるのではないでしょうか。

 

 

「共同養育」とはかけ離れた孤独な育児が現代の子育てです。

 

その中でもがきながらもお母さんは

 

一生懸命子育てしていますえーん

 

お父さん、仕事も忙しいと思いますが

 

孤独なお母さんの子育てを支えてあげてください。

 

子育てのパートナーはあなたしかいないのです。