筑波山の麓の町で「釜揚げうどん」一本で勝負する『あおやま』さん
筑波山の麓の町北条の、古い商店街にある『釜揚げうどん店 あおやま』さんに初訪問しました。
こちらは釜揚げうどんの専門店です。釜揚げ専門って珍しいですよね。
蔵をリノベしたような、古民家カフェみたいな綺麗なお店。なんでも昔は呉服屋さんだったそうです。
店内も落ち着いた雰囲気の良い感じのお店です。
厨房は広くて明るく良い雰囲気。厨房脇には製麺室があります。注文毎に、うどんを切り分けてる感じです。
厨房には店主さん。ホール担当の女性の二人体制。店主さんまだお若いのに、凄い拘りを感じます。
メニューは「釜揚げうどん」と「ざるうどん」のみです。天麩羅等のトッピングも一切無しです。後は「白おにぎり」と「白ごはん」です。
自家製のうどん一本で勝負するお店です。こういう潔さがたまらないですね。
「釜揚げうどん」は太麺と細麺から選べます。「ざるうどん」は細麺のみ。「大」が、普通の量との事ですので、「釜揚げうどん」を「大」でお願いしました。
注文が入ってから茹で始めるので10分強かかるそうです。良い感じです。
注文すると生姜と、青ネギが出てきました。
待ってる間に生姜を自分で擦り下ろします。これって根生姜ですね。キメが細かくて、香りが良いですね。
卓上アイテムも充実してます。揚げ玉、すり胡麻、七味唐辛子。それと果実酢かな?
面白いのは「昆布の佃煮」と、「かつおの佃煮」も常備してあります。出汁を取った時に出る昆布と、鰹節を利用した佃煮のようです。
佃煮、優しい味で美味しいです。市販の物より塩気も抑えてあって、良いお味ですね。
「もうすぐ茹で上がりますね〜」との声と共に、大徳利に入った出汁が提供されます。徳利自体が熱々なので、首に付いてる針金部分を持って注ぎます。
上質な節と昆布で取ったのが良く解る、そのままでも飲める汁です。少し甘めで、じんわりと染み入るような味わい。香りも素晴らしいですね。
釜揚げうどん大 ¥840
熱々の湯に浸かった、茹でたての釜揚げうどんの登場です。
先ずはうどんを、そのまま啜ります。モッチリフワフワっとした食感で、喉越しが素晴らしい。極太のうどんだけで、この美味さは見事です。
次に薬味無しの汁と、うどんだけで戴きます。
冷水で〆たうどんのような強いコシは無いけれど、優しく包み込むようなしっかりしたコシがあります。
薄口の優しい出汁を纏ったうどんです。これはクセになる旨さです。
最初に擦りおろした根生姜と、青ネギを加えます。
上質な汁に、自家製のうどん。そこに合わせる擦り下ろしたばかりの根生姜の鮮烈な風味。これはたまらないですね。
このうどんなら幾らでも食べられそうです。今更ながら特大にしなかった事を激しく後悔しました(笑)
最後は、釜揚げの残った茹で汁と、卓上の天かすを加えて、蕎麦湯のように汁を戴きました。
実にほっこりしますね。美味しいです。
総じて…
拘りの釜揚げうどん一本で勝負する名店です。
全てが凄いですね。先ずは、己れの打ったうどん一本で勝負する心意気が素晴らしいと思います。
讃岐うどんって、茹でて〆たコシの強さで良し悪しが決められる風潮があって、今までは釜揚げってなかなか頼まなかったんですが、この優しいうどんは美味しいです。「釜揚げうどん」に対する概念が変わりました。
釜揚げうどんの美味さもさる事ながら、店の雰囲気、薬味の使い方に至るまで、店主さんの拘り、きめ細やかな心遣いに感心します。
茨城県のうどんと言えば、最近は讃岐うどんのチェーン店ばかりで、美味しい個人店は滅多にお目にかかれません。そういう意味でも、この『あおやま』さんの存在は素晴らしいと思います。
場所柄大変だとは思いますが、こういうお店こそ流行って欲しい、頑張って欲しいお店です。