『 小津映画~「小早川家の秋」 』R6-6月ーNO.39 | マルシの日々是好日

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小津安二郎監督作 「小早川家の秋」を 観た。

 

 

映画館で 小津映画の鑑賞ができるとは  「午前十時の映画祭」に 感謝!

(映画館ポスターより引用)

 

初めて観た「小早川家の秋」は  ニヤニヤ・口角上がりまくりの作品

 

 

定番「ドンゴロス(麻布)のタイトルバック」「ローアングル」「シンメトリー」「赤へのこだわり」・・・出てくる出てくる!!

 

 

小津映画の テキストみたいな作品!  そして、いつもの「松竹」ではなく「東宝」映画。 いろんな俳優が登場して、お得感満載

 

 

「森繁久弥」「加東大介」「小林圭樹」の面々が 出てきたときは  笑った

(京都ウエルカム画像より引用)

 

小津映画なのに 「社長シリーズ」(好きなんですよ このシリーズ)! さすがに「パーッといきましょう」の宴会部長、「三木のり平」の姿は なかったが・・

 

 

物語から逸脱して、 非常に興味深く鑑賞したのは 「1961年当時の 人々の暮らし」

 

 

「足踏みミシン」「前掛けエプロン」「飲み会で合唱」「そろばんによる収支決算」「切り分けたスイカを家族で食べる」・・・と 懐かしい場面が どんどん出てくる

 

 

綺麗な「銀幕女優」達の  衣装も素敵!   難しい映画評論は  専門家にお任せするとして  今回は、このあたりに注目いたそう 

 

 

1⃣ まずは 何と言っても 父の葬儀で集まった娘たちの「喪服姿」 美しい!  映画「犬神家の一族」(市川崑監督)の三姉妹と 拮抗できるのではないか?

(ソナーメンバーズクラブ画像より引用)

 

2⃣ 「原節子」「新玉美千代」(同じ人間とは思えない美しさ滝汗)が、まとう着物  どれもしゃきっとした 縞や格子の紬   好みですねん!

 

3⃣ 「司 葉子」と「白川 由美」は タイプが似ている  クールビューティブルーハート ついでに演技も 硬質うずまき 二の腕の細さに たまげた。 ダーツの入った細身のワンピースが似合う!

 

さて、物語は 父親の死を弔う 「小早川家の人々」の喪服姿で 終わる

 

 

火葬場の近くで 作業をしていた農夫(笠智衆)が 呟く  「死んでも死んでも 後から後から せんぐりせんぐり 生まれてくるわ」

 

 

うーむ・・・何という無常観!   監督曰く「なんでもないものも 二度と現れない故に この世のものは限りなく尊い」(小津安二郎・人と仕事より)

 

ほとんどの出演者が  今はもう、この世にいないことを 考えると  さらに感慨深い作品である