罰則を設けた「資源ごみ持ち去り」に反対しました | 手塚たかひろ日誌

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「平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会」事務局長手塚たかひろのブログです。市民のひろば「ひこばえ」で生活相談も行っていますので、お気軽にお越しください。

911日 枚方市議会本会議が開催されました。


「枚方市廃棄物の減量及び適正処理の促進等に関する条例の一部改正」として、アルミ缶などの「資源ごみ」を、枚方市と市が指定した業者以外は回収してはならない、命令に従わないときは、5万円以下の過料の罰則を新設する条例改正案が提案された。

私を含めて4人の議員から.質問が出されました。条例で市民生活を規制することについての危惧など。また、資源ゴミの処理の仕方についても改善の余地があることが明らかになりました。

また、私を含めて3人の議員が反対討論をしました。採決では5人が反対でした。

私の。反対意見の概略は以下の通りです。

今回の条例改正の特徴は、持ち去り防止の為の監視の強化と5万円以下の過料を新たに設定して抑止効果を上げることだと思います。

しかし、今回の条例改正によりそのような効果があるのか、財政負担増に見合った効果がるのか、住民の相互理解が深まるのか大いに疑問です。

さらに、資源ごみのも持ち去りが条例で規制しなければならないほど住民に迷惑をかけているとも思えません。さほど、枚方市と市民に具体的な利益があるとは思えません。

第1に、持ち去りによって迷惑を受けている方もおられるとは思いますが、特に迷惑を受けてい。困っていないといわれる方もおられます。パブリックコメントの結果は、改正案に賛成の方と反対・慎重な方の意見は拮抗しています。

指導を強化するといわれた方でも、過料までは行き過ぎと思われいる方もおられると思います。。

このように市民のご意見が割れている段階で、急いで条例改正を強行する必要はないと思います。

2に、ゴミの処理は、自治会など、お互いの理解のうえでルールを守ることが基本です。過料まで厳しく取り締まることで、相互理解、共生 共助ではなく、相互監視など強化、告発が強まり、地域がぎすぎすしたものになる恐れもあります。資源ごみを自主的に収集されている方には生活に困っておられる方もおられます。その方々も含めてほとんどの方が私たちの地域で生活されている方です。いたずらに排除をするのではなく、話し合いで解決すべきだと考えます。枚方市は、相互監視社会でなく、多文化共生、相互理解・ともに地域で生活できる社会を目指してきたはずです


3に 今回の改正は、財政的にも枚方市の利益になりません。

 資源ごみの処理は、現在、処理業者への委託をしており、処理量に応じて委託料をはらっています。資源ごみ処理売却収入は枚方市には入りません。資源ごみが減れば枚方市の委託料はかえって減るのです。また、監視などの委託料などとして今年度、来年度ともに430万円ぐらいの支出を計画しています。

 収集したごみが増えれば増えるほど、枚方市の支出は増えるわけです。

これだけの費用負担をする必要はないと考えます。

資源ごみの回収は、市民の自発的な取り組みにゆだねるほうが、市民自治の為にも枚方市の財政の為にも良いと思います。現に、ごみを持ち去られている方との、対話の場を枚方市が設定することのほうが、取り締まり強化よりも住民同士の相互理解を広げることになるとお思います。

4に、過料の実施は膨大な事務量が必要になる現実的でありません。

  過料を課そうとすると、注意 事実確認 命令 現認などの大変な積み重ねがいります。そのご、過料実施の事務作業があります。場合によっては不服審査などの事態も予想されます。職員の事務や精神的な負担は大変で、他の事務にしわ寄せが行くことは明らかです。ですから、過料を新設しても実際に適用することは困難です。脅しにしか過ぎません。過料を規定することは意味がないのです。

5に、資源ごみの処理の入札制度にも様々な問題点があります。それについては、別の機会に譲りますが、市民生活のあり方に関することを過料まで付けた条例で縛ることは最悪の選択です。もっと市民を信頼することが必要だと思います。

最後に、パブリックコメントを何のためにおこなうのか。単に、市民対するガス抜きではいけないと思います。市民の意見を尊重し聞くべきところは聞く。変えるべきところはかえる、配慮することが必要だと思います。今回のパブリックコメントでは、条例改正に批判的な市民からのご意見をどのように尊重したのか不明なこと、ホームページにもつい最近掲載されたばかりで、パブルックコメントを踏まえた市民的な議論もできていません。パブリックコメントに意見を述べてどのような意味があるのか、市民の意見を聞いてくれないなら、意見を述べても仕方がないという市民の声があることも申し添えます。