芸能人の親の生活保護問題を利用した生活保護水準の切り下げに警戒を | 手塚たかひろ日誌

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「平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会」事務局長手塚たかひろのブログです。市民のひろば「ひこばえ」で生活相談も行っていますので、お気軽にお越しください。

手塚たかひろ日誌 小久保弁護士

6月2日 枚方市会館で「生活保護の現状から貧困問題を考える」集いを


 芸能人の母親が生活保護を受けていたことへのマスコミでのパッシングが続く中、タイムリーな企画であった。

 「生活保護が増大していることが問題なのではなく、貧困が拡大していることが問題。貧困をなくす抜本的な政策の立案」が必要なことを確認した。また、現在続いている芸能人への個人攻撃は、生活保護の抑制、基準引き下げ、制度改悪へ一気に持っていこうとする意図的なものであることも強調された。

 

続いて、生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎弁護士の講演 

 最初に扶養と生活保護の関係が整理された。本人の資産・能力の活用は保護の用件だが、扶養義務者による「扶養」は保護の要件ではないこと。

 

 扶養義務者でも、夫婦や未成熟な子に対する親は強い扶養義務があるが、成人した親子同士、兄弟姉妹は「社会的な地位にふさわしい生活を維持した上で、なお余油があれば援助する義務」と弱い扶養義務といえること。

 

 今回の芸能人の母親の保護受給は、法的には問題がないことも確認できた。 


 扶養義務者への照会が嫌で生活保護の申請をためらう人が多いこと。結果として、生活保護を受ける必要がある人が生活保護を受けられなくなっていることなどが語られた。

 

 さらに、日本の生活保護の利用率は現在は人口の約1.6% ドイツは9.7% フランスは5.7% イギリスは9.27% で、日本の保護率は先進国ではもっとも低い部類であることも確認できた。

 

 また、不正受給額はここ数年 総支給額の0.3%台で推移している。思ったより少ないことが分かる。

 

 質疑、交流で、生活保護受給中の方々からの話が続いた。

 扶養義務調査により、それまで良好であった兄弟関係が切れてしまった辛い経験などが語られた。

 

芸能人の親の生活保護の問題を梃子にした生活保護の改悪に手を貸してはならない。

働くものをもののように切り捨てる格差社会、明日はわが身かも。セーフティネットは必要だ。