名だたるヴァイオリニスト――
ヴァディム・レーピン、
マキシム・ヴェンゲーロフ、
樫本大進、
庄司紗矢香、
神尾真由子
――の共通点は何か。
それは、師匠が
ザハール・ブロンであること。
そのブロンさんが
弟子のひとり、今年19歳になる服部百音(もね)さんとジョイント。
J.S.バッハの、2挺のヴァイオリンのための協奏曲と、
ブロンさん指揮によるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
オケは日本フィルハーモニー交響楽団。
4月15日、東京芸術劇場にて。
1曲目、モーツァルトは、
ブロンさん指揮したんだけど、
まぁ、そだね~
という感じで、ふつ~。
カーテンコール1回もないという
聴衆みなさんシビア(^_^;
2曲目、バッハの
2挺のヴァイオリンのための協奏曲。
1月14日にみなとみらいで
徳永二男&三浦文彰&神奈川フィルの
同じ曲を聴いたんだけれどその時は、
徳永さんの動きがなんだかリズムに合わず違和感バリバリで
ちょっと見てられなかったんだけれど、
今回は
服部百音さんの動きが美しく、
曲のリズムにも曲想にも合っていて、
なおかつブロン師匠も
無骨ながら身体の動きのリズム感はシンクロしていて、
見ていて気持ちよかったのもあって、
もちろん音も見事にシンクロしていて、
素晴らしかった。
そして休憩後、
チャイコンことチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
去年の11月2日、オペラシティで
初めて服部百音さんのチャイコン(N響&井上ミッチー)を聴いた時は、
「見かけによらずダイナミックで、
若いにもかかわらず表現力豊かで、
音もきれいで、
もちろん技術も凄くて、
ビックリ。感動。」
と書いたんだけれど、
今回はさらにその上を行っていて、
表現力に磨きがかかっていて美しく、
チャイコフスキーならお手の物の日フィルと
阿吽の呼吸をわかっているブロン師匠の指揮をバックに
呼吸を合わせながらも思いっきり伸び伸びとした
巧くて美しいソロを
百音さんは聴かせてくれたのでありまして、
マエストロ・ブロンと日フィルも見事にその緩急に合わせ、
涙とどめようもなく、
これはおそらく録音も含め、ワタクシの聴いた
史上最高のチャイコンであったのではあるまいか
と思われるのであります。
そしてそれから
前半のアンコール、プロコフィエフの「2挺のヴァイオリンのためのソナタ(1,2楽章)」も
後半のアンコール、チャイコフスキーの「ワルツ・スケルツォ」も素晴らしく、
服部百音さん、
要注目であります。