これが民主主義だろうか?行政ファースト主義ではないか? | 南海トラフ地震・津波よ、来るな!

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南海トラフ地震と津波災害の予測がされている高知県から自分の身を守る、家族の身を守る、周囲の人を守る防災を考えていきます。
そして国際交流が多様化する中、文明と文明の出会い部分に注目して、日本人がどうすれば良いのか、について考えていきます。

あまり政治的な発言をするつもりはないのですが、最近気になることに何件か出くわしたので、披見したい。

 

この8年ほど、田舎に帰ってきて農業で孤軍奮闘したものの、何となく違和感を感じたことでもある。

 

●農業で体験した不思議なこと。(その1)

 

農業を8年やってきて、それなりに農業分野の抱えている問題点が見えてきた。とにかく高齢化で離農者が増えている。

 

農業で生活する所得が得られないことが背景にある。

もちろん熱心に農業に取り組んで成果を挙げている事例は確かにある。その成功している事業者は、まれに見られる。

 

一方で農業政策の補助金がやたらに多くつくられている。

補助金を出すことで政治家は政治をやっている感になっている。

 

県も市も農業部門は足元を見ないで、国の補助金ばかりに目をやっている。その担当者たちも当然だか農業の原体験はない。

 

補助金を設計する霞が関の官僚たちも、現場を見ることなく、補助金をあたかも自分の権力を行使する如く、設計しているのではないか。

その結果、県にも市にも、国からの補助金のリストが山積し、補助金を適用することが彼らのメインの仕事になっている。

 

そこへ地域に年間3千万円規模の生産農家を40軒作る企画を持ち込んだ。こんな絵を描く農家は居ないのだから、行政は完璧に乗ってくるとみていた。

 

 

結果は、「そんな補助金はありません」であった。

こちらはその作物の補助金を当てにしているのではない。

地域活性化の目玉(しかし補助金は要らない)案件を提案した結果がこれであった。

 

彼らは補助金のリストにマッチしない政策には興味が無くなっているのだ。

 

何と言う馬鹿なことだろうか。

 

日本の世界屈指の行政機構が、今や劣化しているように見える。

 

これでは大塩平八郎の乱を起こすしかないではないか。

いやそんな骨のある行政マンは居ないだろう。

 

明らかに戦後の日本人が劣化しているのだ。

 

 

●農業で体験した不思議なこと。(その2)

 

地元の有志達が人口減少に悩む地域を案じて、若者に雇用を創るべく会社を立ち上げた。当然ながら県も市も全面的に協力をするだろうと期待していた。

 

3000万円を資本金にして、地域活性化を狙って法人を作った。

最初は行政も関心を持ってくれた。

県の産業廃棄物処分場が更地になって、民間に活用できそうだと期待して、オランダ式農業ハウスを建てようと事業計画を作った。

 

ところが県の環境部から注文がでてきた。100項目にわたって、将来の懸念すべき問題点に対して、安全であるという実証的測定をせよという。

 

そのためには数か月の日時と、専門業者のボーリング調査、測定が必要で、費用も100万円を下らないという。

 

東京都の豊洲市場のような、安全性を問うてきたのだ。

 

この地域には化学工場があるわけもなく、産業廃棄物とは建設残土や建設廃材が主たる廃棄物出合って、豊洲市場のような食品を扱う設備ではなく、コンクリートを張って、その上に農業ハウスを通って、トマトの栽培をする事業計画だというのに、何を危惧するのだろうか?

 

環境部が将来、この地域で計画の事業所から危険物が流れ出た時の

万一の懸念事項を100項目を列挙しただけなのだと見て取れる。

 

彼らの保身第一の思考回路が働いたのだろう。

これで我々もこの土地の活用を見送った。

 

環境部ファースト主義であって、アメリカンファースト主義と同じではないか。

 

飽きれてものが言えない行政の怠慢ぶりである。

 

 

●農業で体験した不思議なこと(その3)

 

オランダ式農業が次世代型農業だという神話を信じている農水省

 

確かに見栄えは素晴らしいオランダ式農業。

コンピュータ管理で、従来の日本の農業にない

テクノロジーかもしれないが、一部分を真似ても、うまく行くだろうか。

 

高知県が誇る次世代型の農業を見学した。

総工費27億円を投資、補助金が20億円弱、土地代も当面県有地なので無料。

 

従業員に賞与を出し、週休2日制を守って、社員のモラルも高い。

 

そして100人の雇用を創っているから大成功だと県は言う。

 

しかし一寸待ってもらいたい。

 

 

それを実現するのに税金を幾ら使っているのか?

 

これだけ助成して利益が出ないならおかしなことになる。

 

これを成功事例としてこの県は全国に誇っている。

 

まるで助成金を行政が民間の3社のために使っているだけのこと。

 

この農園に地元の農家は一切関係がない。

かなりの部分をカゴメが買い取っているからだ。

 

以上、この3件、日本の農業政策と政治がおかしくなっている見本として紹介した。