飯田線は、国内屈指の秘境路線として、全国的にも広く知られています。


春や秋の行楽シーズンには、飯田線秘境駅号が運行され、連日超満員の観光列車として、高い人気を誇ります。


本日は、春の飯田線秘境駅号の運転日。


飯田線秘境駅号は、魅惑の秘境駅や沿線の主要な駅に、ピンポイントで立ち寄ります。


豊橋を出発した後は、新城・柿平・東栄・大嵐・小和田・中井侍・伊那小沢・平岡・為栗・田本・金野・千代・天竜峡の各駅に停車して、終点の飯田に到達します。


各駅での停車時間は長いので、豊橋から飯田まで、特急伊那路で2時間30分ほどかかる道のりを、秘境駅号はその倍以上の5時間40分ほどかけて、飯田線をのんびり走行します。


一度は乗ってみたい列車ですが、チケットはいつも完売で、入手はとても難儀です。。。


と言うことで、秘境駅号には乗らずに、豊橋から飯田行きの秘境駅号を追いかけます!


秘境駅号を追いかけながら、豊橋・新城・大嵐・小和田・中井侍・伊那小沢・平岡・為栗・千代の各駅で、秘境駅号の撮影を行ないますので、乞うご期待!


本日のために、入念なプランニングと、現地調査を行いました。


あとは実行あるのみ。


いざ、豊橋駅へ!


まずは豊橋駅でのミッション開始。


7番ホームに、浜松からの普通列車が到着。

373系の6両編成、特急型車両による普通列車で、乗車券のみで乗れる、お得な列車です。


ネットの情報によると、普通列車の373系は、4番線に隣接する留置線に回送して車内清掃を行い、名古屋方の3両が秘境駅号、浜松方の3両が伊那路1号に分割されるそうです。

が、浜松方の3両は、7番ホームからそのまま普通列車浜松行きとして、スクランブル発車するみたい。

ちなみに、この日の東海道線は、豊橋駅〜岐阜駅間で車両点検のため、全面的に運転を見合わせています。

本来は伊那路1号となるはずの浜松方の3両は、切り離されて、足早に豊橋駅を立ち去って行きました。


7番ホームに残った373系は秘境駅号か? はたまた伊那路1号か?

先に豊橋駅を発車するのは秘境駅号なので、この列車を仮の秘境駅号と命名。

仮の秘境駅号は、4番線に隣接する留置線に向かうため、7番ホームを発車。


7番ホームの端っこでしばらく待機。

さらに浜松方面に移動して、しばらく待機。

ようやく、折り返してこちらにやって来ました。4番線に隣接する留置線に入線。

こちらの373系が秘境駅号なら、ここで車内の準備をして、4番ホームに向かうはず。

が、仮の秘境駅号の到着とほぼ同時に、4番ホームには名古屋方面から別の373系が入線!


なに?あっちが秘境駅号?ってことは、今まで追いかけていた、こちらの373系は伊那路1号?


やっちまった感にさいなまれながら、泣く泣く4番ホームへと向かいます。


が、4番ホームに停車していた373系がこちらに向かって来ました。


秘境駅号ではなく、伊那路1号みたい。ホッと胸をなでおろします。


仮の秘境駅号の横を通り過ぎる伊那路1号。


伊那路1号は、さらに浜松方面に移動して、4番線の線路上で待機。


留置線の373系はまだ普通列車ですが、これで間違いなく秘境駅号にチェンジするはず。


しばらくすると、待ちに待ったその瞬間が訪れます。ヘッドマークのロールがぐるぐる回転。

普通列車のヘッドマークから、

秘境駅号のヘッドマークになりました。これで秘境駅号へのチェンジ完了。

秘境駅号は、ようやく準備が整いました。多くの方々が待ちわびる4番ホームに向けて、留置線から移動します。

4番ホームに入線しました。

こちらも4番ホームへ移動します。

発進スタンバイモードで待機中の秘境駅号。

まもなく出発。発車シーンを狙う為、5番ホームに来ました。

秘境駅号は定刻通り9時50分に豊橋を出発。

お見送りの皆さんに、ご挨拶の警笛を一発鳴らしてゆっくり発車、豊橋駅を後にします。

秘境駅号の次の停車駅は、新城駅です。

これで豊橋駅でのミッションは完了。これより次のフェイズに移行します。

こちらの列車は、これから私が乗車する特急伊那路1号飯田行き。秘境駅号の出発から18分後の10時08分に豊橋を出発します。

先ほどまで秘境駅号を見送っていたギャラリーは全くいなくなり、4番ホームは何事もなかったように、いつもの静けさを取り戻します。

伊那路1号は、定刻通り10時08分に豊橋駅を発車。先発した秘境駅号を追いかけます。

こちらは後方展望。

画像には写っていませんが、豊橋運輸区の職員さんたちが居残って、秘境駅号に続き、この伊那路1号も見送ってくれました。

ある意味、この日の伊那路1号も、特別な列車かもしれません。

本日はコンパートメントの指定席に乗車。

ほかに利用者はいないので、この4人席は貸切りです。が、混雑している時は相席となりますので、ご注意を。

通路をはさんで、反対側のコンパートメントも利用者はいないので、このスペースはとても快適な移動空間です。一人ぼっちのコンパートメント席は、孤独感も満喫できます。

が、車掌さんいわく「本日は空席が目立ちますが、いつもなら飯田発の秘境駅号に乗車する為のお客さんがたくさん乗り込むので、東海道線の運転見合わせがなければ、伊那路1号はかなりの混雑でしたよ!」とのことでした。

飯田線は秘境を走ります。秘境を走る飯田線でのお楽しみと言えば、豊橋駅で販売している、こちらの飯田線秘境駅オリジナル弁当。

この駅弁、食べる前から並々ならぬ秘境オーラを漂わせています。まさに秘境駅弁!

秘境駅弁についてはこちらをご覧下さい。

駅弁を食べ終わるころに新城駅に到着。新城駅には、先発した秘境駅号が停車しています。

伊那路1号は、新城であっさりと秘境駅号に追いつくので、秘境駅号とのツーショットを狙います。

が、車掌さんに伊那路1号の停車時間を確認したところ、「通常は45秒停車しますが、本日は列車が遅れ気味なので、お客さんの乗り降りがすみ次第、速やかに発車します、ホームでの写真撮影にご協力出来なくてすみません!」とのこと。

ホームでのツーショットはあきらめて、車内のデッキから秘境駅号を狙います。

新城駅では、伊那路1号が皆さんの注目の的。カメラを向けられてちょっぴり嬉しい気分です。

が、伊那路1号は遅れを取り戻すべく、新城駅を速やかに発車。

ホームにいる皆さんから、お別れのお手振りをうけて、新城駅を後にします。

373系が同じ373系を追い抜く貴重なシーン。やはり、本日の伊那路1号は特別です。

伊那路1号は、秘境駅号が立ち寄る柿平駅を通過。ゆっくり通過すると思いきや、そのまま速度を維持してホームを通過。駅名標が判別不能。

2021秘境駅ランキング第170位の柿平駅。

駅のすぐそばは、奥三河の景勝地として有名な、鳳来峡の渓谷です。

詳しくはこちらをご覧下さい。

その後、秘境駅号が立ち寄る東栄駅を通過。すでにイベント開催の方が待ち構えていました。

東栄駅は、東栄町の中心街から少し離れた場所にあります。


数百メートル先は、静岡県浜松市天竜区の佐久間町浦川地区で、愛知県で一番東の端っこにある駅です。


東栄駅は、びっくりするほど迫力がある駅舎がとても印象的。

詳しくはこちらをご覧下さい。

乗車中の伊那路1号は、新城駅を発車して約50分ほどで中部天竜駅に到着。

中部天竜駅では、伊那路1号飯田行きと伊那路2号豊橋行きとのツーショットが楽しめます。

左側が伊那路1号飯田行き、右側が伊那路2号豊橋行きです。ちなみに、秘境駅号は中部天竜駅には立ち寄りません。

豊橋駅から乗車した伊那路1号とは、中部天竜駅でお別れです。

ここから先は、車で秘境駅号を追いかけるフェイズに移行します。

実は、早朝に中部天竜駅に車で来て、飯田線で豊橋駅に駆けつけました。


ここからのスケジュールと道のりは、かなりタイトです。まずは大嵐駅を目指します。

秘境駅号の大嵐到着は12時10分で、到着シーンに間に合わせることは無理ですが、大嵐発車は12時26分なので、それまでには、大嵐駅に駆けつけたいところ。

本日のミッションの為に、事前に現地調査を実施。中部天竜駅から飯田まで実際に車で走り、移動時間をシュミレート。

途中で何事もなければ、大嵐駅へは1時間弱でたどり着けるはず。

降り出した雨の中、急ぎ足で愛車に乗り込み、中部天竜駅をテイクオフ。

5分ほど走ると、佐久間ダムに到着。だいぶ雨足が強くなって来ました。

佐久間ダムの天端道路を渡ると、静岡県浜松市から愛知県豊根村に入り、愛知県道1号飯田富山佐久間線の、険道区間が始まります。

ここから、豊根村の富山地区(旧富山村)までの約20キロ間は、酷道・険道愛好家から絶大な指示をうける、幅員狭小・離合困難な、恐怖の道路が待ち受けます。

ちなみに、酷道とは過酷な国道、険道とは険しい県道のこと。もちろん、この先は秘境なので、民家は全く存在しません。

降りしきる雨の中、本日大一番の正念場である、険道走破のミッションを迎え、あらためて気を引き締めます。

気合を注入したら、佐久間ダムをスタート。飯田富山佐久間線を北上します。

大嵐駅は、このダム湖のはるか先にあります。

すみません、険道区間の運転に集中していた為、道路状況の写真はございません。

佐久間ダムの湖岸道路と言われていますが、ほぼ林道なみの危険な道路なので、この険道の走破にトライする方は、慎重な運転を心がけましょう。

やっとの思いで険道区間を走り抜け、富山地区の中心街に入ります。

富山地区は、豊根村との合併前は「離島以外の市町村の中で最も人口が少ない村」でした。

旧富山村は、急峻な斜面に民家が立ち並ぶ、山とダム湖に囲まれた、静かな桃源郷です。

さらに北上し、天竜川に架かる巨大な橋梁、高鷲橋を渡って、大嵐駅の駐車場に到着。

あれ?

大嵐駅に到着しているはずの秘境駅号がいない、まさかもう行ってしまった?

と思った瞬間、突然、秘境駅号がトンネルから現れました。。。!

到着シーンを狙うのは不可能だと思いこんでいたので、この想定外の出来事に、あ然としながら、大急ぎでスマホのカメラを起動!

どうやら、秘境駅号は到着が遅れたみたい。

幸いなことに、本日は祝日なので、ダム湖の砂利採取を運搬する、険道区間の王者「恐怖のダンプカー軍団」がお休みで、険道愛好家の車も、悪天候のため、全くいませんでした。(すれ違いで2台、進行方向上で先行する車なし!)

結果、険道区間をウルトラスムーズに走ることができ、事前チェックの走行時間より大幅に時間を短縮できたことと、秘境駅号の到着が遅れたことが、間に合った要因です。

もちろん、私の豊富な酷道・険道走破の経験値が、一番の要因ですが。。。

トンネルとトンネルの狭間にある大嵐駅。

駅名を普通に読んだら、おおあらし!

名前のインパクトが強烈です。


駅から見える巨大な橋梁は、天竜川に架かる高鷲橋。こちらは静岡県浜松市ですが、橋を渡ると愛知県豊根村です。

詳しくはこちらをご覧下さい。

しばらくすると、秘境駅号はお客さんの乗車が完了し、発進スタンバイモードへ。

大嵐駅を発車する秘境駅号を見送ります。

秘境駅号の次の停車駅は、小和田駅です。

トンネルの中に消え去る秘境駅号。雨の降りしきる駅のホームにいるのは私だけ。

先ほどまでのにぎやかさが嘘だったように、大嵐駅はいつもの静けさを取り戻します。

一人だけ取り残されて、哀愁が漂いまくる大嵐駅。まさに秘境ムード全開です。
注)駐車場の車は、大嵐駅でのイベント開催の人たちの車で、私の車ではありません。

余談ですが、、、

ちなみに、私の愛車は軽トラです。嫁さんの車がミニバンで、娘たちもそれぞれマイカーがあるので、私の場合、軽トラで十分事足ります。

こちらが愛車の「しまかぜ君」。

近鉄特急しまかぜが大好きなので、愛着の意を込めて「しまかぜ君」と命名しました。

相棒の軽トラは中身に色々手を加えてあり、ボディ剛性の補強による鬼のような高速直進安定性と、サブコンピュター搭載によるパワフルな走りは、新東名の御殿場ジャンクションから引佐ジャンクション間を、制限速度120km/hで快適にクルーズすることが可能です。

また、スイッチオンで四輪駆動となる機動力を活かし、酷道・険道の走破も難なくこなします。

さらに、タイトコーナーではぐいぐい曲がり、普通の車に負けない走りを見せつける、自慢のハンドリングマシンです。

もちろん、本日の秘境駅号追っかけの強い味方で、佐久間ダムからの険道走破では、そのポテンシャルを存分に発揮してくれました。

三度の飯よりドライブが大好きな私は、以前にはR34スカイライン(GT-Rではありません!)が愛車でした。

嫁さんよりも付き合いが長く、32万キロほど乗りましたが、前々から譲ってほしいと頼まれていた友人の熱意にうたれ、苦楽をともにしたR34の余生は、友人に託すことに。

歳をとると、軽トラで丁度いいくらいです。

以上、余談でした。。。

さて、次の目的地を目指して、飯田富山佐久間線を北上しましょう。

天竜川をはさんで、小和田駅の対岸に到着。

秘境駅号が停車しています。小和田駅は、天竜川の対岸から見ることが可能です。

以前、ここで飯田線の列車を撮影したことはありますが、秘境駅号を狙う日が訪れるとは。

小和田駅は、言わずと知れた飯田線最強の秘境駅です。まさにキングオブ秘境駅!

2021全国秘境駅ランキング第3位。

全国にその名を轟かせます。


詳しくはこちらをご覧下さい。

小和田駅に停車する秘境駅号を見届けて、次の目的地に移動します。

愛知県から長野県に入り、飯田富山佐久間線も、長野県道1号飯田富山佐久間線となります。

飯田富山佐久間線は、長野・愛知・静岡の三県にまたがっていますが、それぞれの県で県道1号のエースナンバーを背負います。

三県連続で県道1号がつながるのは、国内ではこの飯田富山佐久間線だけなので、県道ロマンにあふれる人気の道路です。ただし、一部区間は険道ですが。。。

天竜川をはさんで、中井侍駅の対岸に来ました。ここで秘境駅号を待ち構えます。

2021秘境駅ランキング第10位の中井侍駅。

何となく侍がいそうな駅名です。


詳しくはこちらをご覧下さい。


しばらく待つと、秘境駅号が到着。
中井侍駅も、天竜川の対岸から見ることが可能です。が、本日は雨で霞んでます。

秘境駅号の到着を見届けたら、次の目的地に移動します。

伊那小沢駅に来ました。

ここで秘境駅号を待ち構えます。


2021秘境駅ランキング第61位の伊那小沢駅。


伊那小沢駅は、天竜川を見渡せる高台にあり、とても眺めがよく、開放感にあふれます。

詳しくはこちらをご覧下さい。


しばらく待つと、秘境駅号が到着。

秘境駅号は大嵐駅を出発すると、小和田駅・中井侍駅・伊那小沢駅に連続して立ち寄るので、こちらも移動に少し余裕が出てきました。

雨の滴る秘境駅号もいい感じ。

ちなみに、右側のホームにいる方は、伊那小沢駅の写真を撮影しに来た人で、秘境駅号の到着を知らずに、ササッと帰ろうとしていたので、もう少し待つと秘境駅号が来ますよ、と教えてあげました。いい写真、撮れたかな?

伊那小沢駅への秘境駅号の到着を見届けて、次の目的地の平岡駅に移動します。

秘境駅号の車内アナウンスで「天龍村の大都会」と紹介される、平岡駅に来ました。

ここで秘境駅号を待ち構えます。


しばらく待つと秘境駅号が到着。

平岡駅では、地元の物産販売の方々も待ち構えていて、秘境駅号が到着した瞬間から、大声で呼び込みを行っていたのが、印象的でした。

平岡駅のご案内はこちらをご覧下さい。

乗客の皆さんは、お買い物に出かけているので、ホームに佇む秘境駅号はガラガラです。

運転士さんと少しお話しをしました。

素朴な疑問で失礼ながら、長時間の運転でお手洗いはどうしているのか聞いたところ、「特に行きません!」とのこと。

あまり水分を取らないようにするとか、何か特別に気をつけている事はありますか?と聞いたところ、「いえ、特にありません、今日は全然大丈夫です!」と、笑っていました。

さすが強者って感じ。まだ歳が若いように見受けられましたが、話しをしていてとても頼もしい方で、安心感が伝わってきました。

降りしきる雨の中、再度ホームへ。岡谷行きの普通列車が到着しました。

が、岡谷行きはあっさりと平岡を発車。

普通列車が、急行である秘境駅号を追い抜く、レアーなシーンに遭遇。

「鈍足急行で何が悪い、その分お客さんを楽しませてるだに!」って感じで、秘境駅号は、まだまだ平岡駅に居座ります。

そろそろ、次の目的地の為栗駅に移動します。秘境駅号の追っかけは、まだまだ続きます。

平岡の市街地を拔けて、飯田富山佐久間線を北上します。途中、平岡ダムのすぐそばを通過して、ダム湖沿いを走ります。

ちなみに、飯田線の車窓から見える平岡ダム湖はこんな感じ。このあたりは羽衣崎と言われる、景勝地です。

為栗駅のすぐそばの、天竜川に架かる吊り橋、天竜橋に来ました。

為栗駅は秘境駅ですが、飯田富山佐久間線から3分ほどで、天竜橋までアクセス出来ます。

ここで秘境駅号を待ち構えます。

為栗駅の周辺は、とても神秘的なところで、いつ来ても癒やされます。近くには「信濃恋し」と言われる景勝地もあります。

2021秘境駅ランキング第13位の為栗駅。

為栗駅は、難読駅名としても有名です。


すぐ目の前はエメラルドグリーンの天竜川。

風がない時は、水面が鏡のように輝きます。


詳しくはこちらをご覧下さい。


しばらく待つと、秘境駅号が到着。

為栗駅への秘境駅号の到着を見届けて、次の目的地、温田駅に移動します。

ここからは、再びスケジュールがタイトになります。

ネットの情報を元に、温田駅への秘境駅号の到着時刻を想定しました。

先ほど平岡駅で、運転士さんに温田駅への到着時刻を確認したところ、やはり私の想定通り。為栗駅からは、迅速な移動を行う必要があります。

急ぎ足で愛車に乗り込み、飯田富山佐久間線を北上、温田の市街地へ。

今日は本当に道が空いています。事前チェックの走行時間より、大幅な時間短縮で、余裕を持って温田駅に到着。

温田駅は、秘境駅号が立ち寄る駅ではありませんが、飯田行きの秘境駅号と、豊橋行きの秘境駅号がすれ違いを行う、注目すべき駅です。

ここで秘境駅号を待ち構えます。

温田駅は泰阜村にありますが、天竜川の対岸に位置する、阿南町の玄関口でもあります。


温田駅のすぐそばの天竜川は、南宮峡と言われる景勝地です。

詳しくはこちらをご覧下さい。

しばらく待つと、本日追いかけている飯田行きの秘境駅号が到着。

豊橋行きの秘境駅号が来るまで、しばし停車。

乗客の皆さんは降りることが出来ないので、この時だけは、秘境駅号を一人占め。(もう一人写真を撮りに来た方がいたので、厳密には二人占め)

豊橋行きの秘境駅号は、すぐに来るはず。

が、遅れているようで、なかなか来る気配がありません。5分以上は待っています。

そう言えば、まだこれを撮影してなかった。

秘境駅号のヘッドマークと、

乗車記念撮影用のパネル。

ようやく来ました、豊橋行きの秘境駅号!

待ちわびた瞬間です。

豊橋行きは、そのまま温田駅を通過します。

ここでしか見ることが出来ない、秘境駅号同士ののすれ違い。


お互いの列車内では、お手振り合戦が行われています。飯田行きは旅の終盤、豊橋行きは旅の序盤なので、いつも豊橋行きの方が元気がいいそうな。

秘境駅号と秘境駅号がすれ違う、ビックイベントが完了したら、飯田行きは速やかに温田駅を発車。

秘境駅号の発車を見届けて、次の目的地の千代駅に移動します。

秘境駅号の遅れの影響で、時間が押してます。
急ぎ足で温田をテイクオフ。

秘境駅号は、この先田本駅と金野駅に立ち寄ります。

2021秘境駅ランキング第5位の田本駅。


田本名物、断崖絶壁。


田本名物、秘境の吊り橋。

詳しくはこちらをご覧下さい。

2021秘境駅ランキング第6位の金野駅。


詳しくはこちらをご覧下さい。

さて、秘境駅号が田本駅と金野駅に立ち寄っているスキに、こちらは飯田富山佐久間線をひたすら北上します。

今日は、本当にびっくりするほど道路が空いています。私の前を走る車が全くいません。

佐久間ダムから、飯田富山佐久間線を北上して来ましたが、こんなに空いているのは初めてかも。

事前調査で走行時間を確認した時は、わりとギリギリで、何かあったら間に合わない、って感じでしたが、ここまでウルトラスムーズに飯田富山佐久間線を北上できるとは。

神様に感謝です。

と言うことで、秘境駅号が本日最後に立ち寄る秘境駅、千代駅に来ました。

降りしきる雨の中、秘境駅号を待ち構えます。

2021秘境駅ランキング第20位の千代駅。

詳しくはこちらをご覧下さい。

しばらく待つと秘境駅号が到着。

ちなみに千代駅は、三遠南信道の千代インターから、車で3分ほどあれば、来訪出来ます。

秘境駅ですが、千代駅の高速道路からのアクセスの良さは、国内でもトップクラスです。

なお、三遠南信道の全線開通は、全く見通しが立っていない状況です。

国土交通省が頑張って建設していますが、なにせ水窪〜佐久間間に建設予定の「水窪佐久間道路」は、ようやく事業化されたばかりで、工事完成にいたるまでには、10年以上の月日を要すると言われています。

しかし、この水窪佐久間道路が完成し、中央道から新東名まで全線開通が実現すれば、三遠南信道は本来の威力を発揮して、堂々と飯田線のライバルと名乗れることになります。

もしかしたら、飯田から豊橋・浜松への高速バスが、運行される日も訪れるかもしれません。

が、今はまだ夢のような話。

中部横断道は、新東名から中央道まで全線開通し、注目を浴びているのに、まだまだ中途はんぱな状態の三遠南信道を、飯田線のライバルと認めてくれるJR東海の職員さん、ありがとうございます。道路好きとしては、嬉しい限りの褒め言葉です。

さて、秘境駅号の到着を見届けたら、次の目的地に速やかに移動します。

次が本日の最終ミッション。まだまだ時間との戦いは続きます。

秘境駅号は、この先の天竜峡駅で、天龍峡などを観光するお客さんを降ろした後、終点の飯田駅に向かってラストランとなります。

こちらは千代駅を後にして、千代インターから三遠南信道に入り、天竜川に架かる巨大な橋梁、天龍峡大橋を渡ります。

天龍峡大橋は、橋桁の直下に遊歩道の「そらさんぽ天龍峡」を有する美しいアーチ橋で、名勝天龍峡とならぶ、人気の観光名所です。

詳しくはこちらをご覧下さい。

天龍峡大橋を渡ったら、天龍峡インターで三遠南信道を降りて、少し走ると川路駅に到着。

本日の秘境駅号の追っかけの最終目的地で、私の中で終着駅です。

このあたりは伊那谷と言われる盆地で、天竜川の川幅はかなり広がっています。

川路駅は、堤防沿いの見晴らしのいい場所にあり、春には桜並木が綺麗なところです。が、4月も下旬なので、桜はもう咲いていません。

駅の構内に、列車が近づくことを知らせる、踏切りの音が鳴り始め、秘境駅号が走って来ました。

あっという間に迫りくる秘境駅号。

秒殺で川路駅を通過。

最後に、鈍足急行から超速急行に変貌し、素晴らしい走りを披露してくれました。

走り去る秘境駅号を見送ります。

今回、私は全く乗車していませんが、今日はほんとに感動をありがとう。そしてさようなら。と、心の中でつぶやきます。

川路駅を通過する秘境駅号を見届けて、本日のミッションは全てコンプリート。

中部天竜駅からの車での追っかけは、道が混雑してるとか、駅での駐車場所が確保出来ないとか、多少の苦難が待ち受けることを覚悟していましたが、まさかこんなにスムーズにミッション遂行が出来るとは。

悪天候の為、飯田富山佐久間線の沿線に人出がなく、交通量が極めて少なかったのが、功を奏した感じです。

平岡駅でお話しをした運転士さんも、「今日は沿線で秘境駅号の写真を撮る人たちを、ほとんど見ませんでした!」と言ってました。

何かの時のために、友人に同行をしてもらう予定でしたが、急用が出来て同行するのが無理となり、一抹の不安を抱えながら、一人ぼっちでのミッション遂行でしたが、何とか無事に秘境駅号の追っかけを成し遂げて感無量です。

本降りの雨で、最悪のコンディションでしたが、道は空いていたので、災い転じて福となす、とはこのことか。

充実した一日を思い出しながら、帰路につきます。帰りは快適道路の国道151号線をクルーズして、三遠南信道の鳳来峡インターからの、新東名を目指します。

自宅に到着するまで、3時間以上のドライビングになりますが、疲れは全くありません。

逆に達成感が注入され、みなぎるパワーに溢れています。が、もちろん帰りも安全運転に集中です。

以上、春の飯田線秘境駅号を追いかける旅のご案内でした。

おしまい。