飯田線は、国内屈指の秘境路線として、全国的にも広く知られています。


とくに小和田駅は、人里はなれた山あいにあり、大自然に囲まれて非日常的なひとときが過ごせる駅として、最高の秘境ロマンにあふれます。



〜 小和田駅のご案内 〜


2023全国秘境駅ランキング第3位。


全国にその名を轟かせる、最強の秘境駅。


国内最高峰の秘境駅なので、当然ながら車で訪れるのは不可能です。


周辺に民家は全くなく、陽射しをさえぎる樹木と、眼下を流れる天竜川のせせらぎが秘境ロマンをかきたてます。


数ある飯田線の秘境駅の中でも、この駅だけは別格で、放つオーラが格の違いを見せつけます。


ラスボス感がたまりません。


まさに天下無双の秘境駅!


小和田駅はトンネルとトンネルの狭間にあり、上は断崖絶壁、下も断崖絶壁。

飯田方面の景色。


豊橋方面の景色。

その昔、現在の皇后雅子様のご成婚の折に、旧姓の小和田(おわだ)にあやかった、恋愛成就が話題となりました。


全国放送でニュースも流れ、小和田駅が一大ブームになったことは、遠い昔の話。

落ち着きを取り戻した小和田駅は、この秘境に静かにたたずみ、古びたその姿は、飯田線の歴史を語り続けます。


小和田駅から続く、この険しい山道を歩いていけば、約1時間ほどで最寄りの塩沢集落にたどり着けると言われています。

飯田線に乗車中、トンネルとトンネルの狭間にほんの一瞬だけ車窓に映り込む、名もなき絶景はこちらです。

大嵐駅〜小和田駅間の景色(天竜川)

大嵐駅〜小和田駅間の景色(天竜川)


〜 小和田駅の対岸 〜

なんとこの小和田駅、天竜川の対岸から見ることができます。地図上で青丸の位置から小和田駅が見えます。

実際に小和田駅の対岸に行ってみました。

新東名高速の引佐ジャンクションから三遠南信道に入り、終点の鳳来峡インターから国道151号・愛知県道428号・74号・426号・県道1号飯田富山佐久間線をひたすら走り続けます。

さて、小和田駅の対岸付近に差しかかったはずですが、樹木が多くて小和田駅の位置確認が困難です。

注意深く走っていると、ようやく対岸に小和田駅を発見しました。

が、樹木が視界を覆いつくします。

途方にくれながら車を走らせていると、なぜか一部分だけ樹木がきれいに伐採され、対岸への視界が開けている場所に出くわします。

しかもここだけ車の駐車や、Uターンができるくらい道幅が広がっています。

愛知県側 → 長野県側の状況。

長野県側 → 愛知県側の状況。

どなたが視界を切り開いたのか分かりませんが、ご丁寧に目印のポールも立っています。

ありがたいことです。

この伐採されている場所がなければ、樹木に視界を遮られ、小和田駅の撮影は無理でした。

小和田駅を愛する強者さんに感謝です。

ここまで引佐ジャンクションからの距離は約80キロ、ノンストップで2時間ほどの道のりです。

酷道好きの方なら、三遠南信道の佐久間道路経由で佐久間ダムに立ち寄ってから、幅員狭小・離合困難な飯田富山佐久間線の険道ルートもおすすめです。

が、がけ崩れによる工事全面通行止めに出くわす場合があるので、飯田富山佐久間線の佐久間ダム〜富山地区間の険道区間を走行する方は、道路状況を事前に確認することが必須条件です。

天竜川をはさんで対岸から小和田駅を望みます。鉄橋とホームと関連施設が確認できます。

飯田方面から豊橋方面に向かう特急伊那路が小和田駅を通過します。

こちらは飯田方面へ発車する普通列車。

こちらは小和田駅に停車中の秘境駅号。


〜 小和田駅は三県境界駅 〜

小和田駅は静岡県浜松市ですが、対岸は愛知県豊根村、すぐ上流は長野県の天龍村です。

小和田駅は、静岡・愛知・長野にまたがる三県境界駅としても知られています。
注)実際の三県境界は、小和田駅のもうちょっと上流側(北側)の天竜川の中です。

天竜川を管理する国土交通省も管轄が変わります。

上流側が長野の天竜川上流河川事務所、下流側が静岡の浜松河川国道事務所。

県道1号飯田富山佐久間線も県境です。

こちらは愛知県の豊根村。
あちらは長野県の天龍村。

県境をまたぎます。

こちらは長野県の天龍村。
あちらは愛知県の豊根村。

飯田富山佐久間線は、長野・愛知・静岡の三県にまたがっていますが、それぞれの県で県道1号のエースナンバーを背負います。

三県連続で県道1号がつながるのは、国内ではこの飯田富山佐久間線だけなので、県道ロマンにあふれる人気の道路です。

ただし、一部区間は険道ですが。。。

小和田駅の対岸までの道のりは、とてつもなく難儀ですが、天竜川の対岸から見る小和田駅と、三県境界の様子をじっくり堪能することができます。


〜 小和田駅は危険です 〜

最後に、小和田駅を速やかに脱出する方法を紹介しておきます。

夕暮れ時の小和田駅は、身の危険を感じるほど怖いので、早めに脱出する必要があります。

こちらは豊橋方面に向かって発車する列車。この列車が立ちさると、次に豊橋方面へ向かう列車の到着は約1〜2時間待ち。列車がトンネルの中に消えた後は、途方もない孤独が待っています。

でも大丈夫。しばらくすると、豊橋方面から飯田方面に向かう列車が到着します。

乗ってきた方向に戻る列車に乗れば、ほどよい滞在時間で小和田駅を脱出できます。最短10分で脱出することも可能です。

小和田駅について、この記事を見た方からリアルなコメントをいただいております。詳しくはコメント欄をご覧下さい。


以上、最高の秘境ロマンにあふれ、大自然に囲まれて非日常的なひと時が過ごせる、小和田駅のご案内でした。

秘境駅巡りや秘境駅弁など、飯田線についての記事は、以下のリンクよりご覧になれます。

飯田線のブログへのリンクです。 

注)写真は秘境に架かる孤高の吊り橋、竜田橋です。