味覚④(辛味) | 島川はり灸院(院長ブログ)

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堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。

今日は辛味が身体に与える作用について勉強いたしましょう。

まず、簡単に辛味が含まれている食材を紹介いたします。

ネギ、トウガラシ、ワサビ、ショウガ、などが辛味成分が含まれている

代表的な食材です。

辛味は五臓でいえば肺に属し肺気の働きを助け「発散」する力を促し

ています。

ですので辛味の摂取の過不足は肺気の「発散」作用に何かしら影響

を及ぼす事になります。

 

(辛味が身体にもたらす効果)

 

1、息切れや動悸、冷え性、排尿困難、むくみなどの陽気不足の人は

  辛味を摂ると効果があります。

  辛味の「発散」作用で陽気不足を補う。

1、慢性疾患や不眠、のぼせ(肩こり、耳鳴り、頭痛)などの津液不足

  の人は辛味を摂るとよいです。

  辛味で肺気の働きを促し腎に津液を運んでこさせます。

1、於血(イライラ、月経不順、皮膚疾患、腰痛など)で肝の血が発生

  できていない時に辛味で肝の血の発生を促してあげる。

1、胃が冷えた時は辛味で胃を温めてあげる。

 

(辛味が身体にもたらす逆効果)

 

1、辛味の過剰摂取は身体が温まり過ぎて筋肉が緩みケガのリスク

  が高まります。

1、辛味を取り過ぎると胸苦しくなる。

  心はポンプ作用で血液を全身へ送っている熱の多い所ですが辛味

  の摂り過ぎで余分な陽気が胸に運ばれ心に熱が多くなりすぎる。

1、適度な量の辛味は身体を温めますが摂りすぎると汗が出過ぎて逆

  に冷えてしまいます。

  

肺と肝は正反対の作用で気と血の働きを調整しています。

言い換えれば陰陽の関係になります。

ですので辛味の食材の過不足は肺気の「発散」だけでなく肺の「収斂」

作用、または肝の内での「発生」、外での「収斂」作用をも狂わしてしま

いかねません。

例えば、女性に多く見られる月経不順や子宮の疾患、イライラ、強い頭

痛や肩こりなどは肺と肝との陰陽のバランスの崩れからきている場合が

非常に多いのです。

また、逆に酸味(肝)の過不足は呼吸器疾患を誘発させます。

これまでの味覚①~③のブログでも紹介してきましたが何事もバランス

が大事であり偏食はいけません。

「酸味」「苦味」「甘味」「辛味」「塩味」の五味をバランスよく食べる事が

健康、あるいは病の改善に繋がると思います。

 

次回は塩味についてです。

 

 

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