味覚②(苦味) | 島川はり灸院(院長ブログ)

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堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。

今日は前回の酸味に続いて苦味について勉強いたしましょう。

まず、苦味は五臓でいえば「心」に属し心の気を補っております。

そして、心気には「泄らす(もらす)」「堅める」などの働きがあります。

「泄らす」とは体内の水分や血液、熱などを除去する事を意味します。

「堅める」とは引き締めることです。

例えば、心気が血管に作用すれば血管は引き締められ細くなり血液

の流れが早くなります。

そして、血流が早くなれば血液が血管外へ泄れやすくもなります。

つまり、「泄らす」と「堅める」の作用は同じだと言えます。

ここで苦味成分が含まれている食材をいくつか紹介いたします。

ゴーヤ、ピーマン、トマト、山菜、ブラックコーヒーなど。

上記した食材(苦味)の摂取が我々の身体にどのような効果をもた

らすのかが今回のテーマになります。

 

(苦味が身体にもたらす効果)

 

1、血流が盛んになる。

1、体内に湿気を溜め込んでいる人(全身倦怠感の人や関節痛の

  人、前立腺肥大で頻尿の人)や胃熱の多い人(甘い物やお酒

  を取りまくっている人)には効果あり。

  心気の働きで血管を引き締め血流を盛んにして湿や熱を体外

  へ捌けます。

1、お血が捌ける。

  お血とは血液の流れが悪くなる事が災いして身体の節々に

  滞ってしまっている古い血をいいます。

  血液の循環が悪くなる原因の多くが冷えからきます。

  特に女性の場合は出産や月経などで血液を多く奪われます。

  そして、体内の血液の絶対量が減少すれば身体は冷えます。

  冷えれば当然、血流が遅くなり血液が滞りやすくなるのです。

  心気の働きで血流をパワーアップする事でお血が取れるわけです。

1、肺の収斂作用が低下して上逆(喘息など)が起こっている時に

  苦味で心気の働きを助け熱を取り上逆を抑えます。

1、腎の陰気が虚し相対的に心の陽気(熱)が多くなっている時。

  (口内炎や口渇などの乾燥症状や不眠症、眩暈、手足のほてりな

  ど)に効果があります。心気の働きで心熱を取る事で腎の水を増や

  し心腎の陰陽のバランスを整えることができ身体上部の熱証が取

  れます。

 

(苦味が身体にもたらす逆効果)

 

1、冷え性の人にはよくないです。

  心気の働きが過ぎると相対的に衛気(活動する気)が減り元気が

  なくなります。

1、過剰な苦味の摂取は胃が冷えてしまい食欲不振に繋がります。

 

以上が苦味が身体にもたらす作用です。

前回の酸味のブログの時にも言いましたが何事も「適度」が大事です。

また、「酸味」「苦味」「甘味」「辛味」「塩味」といった五味をバランスよ

く摂取する事が健康維持や病の改善に繋がると言えるでしょう。

偏食は絶対によくありません。 

次回は甘味についての予定です。

 

 

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