捻挫や打撲へのアプローチ(鍼灸) | 島川はり灸院(院長ブログ)

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堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。

この1週間で外環気温が上がり朝が起きやすくなりましたが

まだ少し花冷えがいたします。

体調管理が難しい時期でもあります。

今日は私が多く診させてもらっている疾患の内の1つである

捻挫と打撲を鍼灸の側から紹介いたします。

まず、捻挫や打撲で急性期に鍼灸院に来られる患者さんは

おられません。

リピーターの人や紹介でない限り急性期の場合は皆、整形

外科や整骨院に行かれます。

そして、急性期が過ぎ痛めた部位が改善されず慢性化して

から鍼灸院に来られる人がほとんどです。

本来、捻挫や打撲は筋肉の損傷なので痛めた部位を動かさ

ずに安静にしていれば自然治癒するものなのです。

しかし、学生や社会人の方はそうはいきません。

何かしら痛めた部位に負荷がかかりますから。

 

鍼灸での捻挫と打撲の治療の仕方は同じです。

身体の病理状態が同じなので。

捻挫や打撲の原因は転倒や自動車事故、疲労の蓄積から

くるものなど人それぞれですが筋肉が痛んでいること事自体

は同じです。

肝の陰虚と言いまして負傷が原因で血中の津液が不足して

患部に虚熱が発生している状態をいいます。

そして、この虚熱が多ければ多いほど患部が腫れあがり熱感

が強くなり痛みも最強になります。

負傷した部位を急性期は「冷やしなさい」というのは患部の熱

や痛みを一時的に和らげる為です。

治療に使う経穴は殆どが肝経の合水穴になります。

合水穴で血中の津液不足を補い患部に水を送り込んでやり

熱を冷ますように持っていきます。

また、患部の熱が中々退かない時や鈍痛が強い場合は経金

穴や愈土穴、陽経の経火穴、愈木穴などを織り交ぜて使います。

熱感や腫れがあるうちは腫れや熱、痛みが退くまでは連続して

治療を行ないます。何故なら、

治療間隔を空けすぎると負傷部位に負担がかかり続けます。

当然、治療効果が薄れていきます。

そして、いつまで経っても患部が改善されずに良くなっては、

また悪くなる事を繰り返し慢性化していくのです。

ですから、急性期の疾患は間隔を空けずに連続して治療を施し

治しきる事が肝要だと思います。

特に腰から下の関節や筋肉を傷めている人が上記に当てはまり

ます。 何故なら上半身に比べ下半身は歩くことにより患部にか

かる負担が大きいですから。

最後に鍼灸での捻挫、打撲の治療期間ですが負傷の程度や患

者さんの職業、生活環境にもよりますが大概のものは2~3回の

連続治療で治ります。

但し肝の陰虚の場合に限ります。

 

 

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