頻尿① | 島川はり灸院(院長ブログ)

島川はり灸院(院長ブログ)

堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。

まだ少し寒さを感じますが巷でマスクをしている人(花粉症)

が増えてきているのを見ると「あ~春やな」と気づかされます。

今日は効果覿面だった頻尿の症例を紹介いたします。

 

(患者) 女性、48歳、主婦。

(主訴) 頻尿(5年位前から)。

(その他) 腰部、肩甲骨間の鈍痛、花粉症など。

頻尿の症状は1日に朝起きてから夜寝るまでに25回以上。

1回の尿の量は少なく黄色かかっているとの事。

下腹部の違和感はある時とない時がある。

残尿感はあまり感じない。

病院では過活動膀胱と診断され治療を続けるが効果なし。

 

(鍼灸治療開始)

 

(1回目)

お腹や脈、舌の状態を診た結果、下焦(下腹部)の湿熱

頻尿を起こしていると診断いたしました。

治療は腎虚で腎の湿熱と胃腸の実熱を散らすよう補寫を施

しました。

 

(2回目)

前回の治療後、下腹部の違和感は少し軽くなったが尿の

回数は変化なしとの事。

そこで今回は体内を循環する気血、津液の流れをコントロ

ールする肝の臓の失調と診断し直し肝虚で治療を行なった。

今回も前回同様、40分の治療中にトイレに3回行かれた。

 

(3回目)

前回の治療後、1日のトイレの回数が10回も行かなくなった。

また、腰と肩甲骨間の痛みもかなり取れているとの事。

治療はまだ実脈が少し診られましたので前回同様に施した。

今回は治療中にトイレには行かれませんでした。

 

(4回目)

前回の治療から10日ほど間隔が空いていましたがトイレの

回数は8回~10回位で安定していたらしい。

また、腰痛や肩甲骨の痛みもほぼ消失したとの事。

脈の方も実脈が取れ身体全体の熱感も治まっていましたの

で下焦の湿熱が取れ改善されたと診断し治癒としました。

 

(考察)

今回の症例はピタッと診断通りに病が予想以上の速さで

改善されていきました。

基本、病は虚証よりも実証の方が治しやすいです。

今回の症例も実証でした。

また、腰痛や肩甲骨間の鈍痛も下腹部の湿熱が原因してい

たと思われます。

湿邪が絡むと持続的で痛む部位も固定的で重だるい痛みを

伴います。

最後に今回の頻尿の症例は湿熱が原因していましたが人に

よっては頻尿を起こす病因、病理は異なります。

しかし、慢性の頻尿に対して正しい認識を持って治療に挑め

ば頻尿は十分、鍼灸の適応症であると言えるでしょう。

おわり。

 

島川はり灸院

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