公務員として身につけた知識や能力、技術は誰のものか? | 公務員 島田正樹 〜仕事と私事と志事と〜

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仕事も家族・友人との私事も楽しみながら、魂を燃やして挑む“志事”で社会を変えていきたい! 地方公務員として働きながら、NPO活動、講演、執筆、ワークショップデザイナーなどに取り組む“公務員ポートフォリオワーカー”として活動しています。

 

組織のものか、それとも身につけた個人(社員)のものか、という問です。

 

 

 

本来不可分なものですが、ここでは便宜的に、守秘義務によって社外で使用できない情報や知識は除くこととします。

 

 

 

果たして身につけた知識や能力、技術は、公務員個人が庁外で使用することは認められるでしょうか?

 

例えば、それを副業(複業)のために社外で用いて、利益を得ることは許されるのでしょうか?

 

それともボランティア(無償)の場合だけ許されるのでしょうか?

 

論点1

公務員が仕事を通じて身につけた知識やスキルは

 

 1 仕事でだけ使うべき

 2 個人の活動でもボランティア(無償)でのみ使うことが許される

 3 個人の活動で有償で使うことまで許される

 

いずれなのでしょうか。

 

 

また、それが民間企業に勤めているのではなくて、市役所などに勤める公務員の場合はどうなのでしょうか?

 

論点2

社会人が仕事で身につけた知識やスキルの活用の許容範囲は、民間と公務員で差があるのか

 

 

 

 

少し前になりますが、日経新聞で神戸市役所が職員の庁外での有償の活動について基準を整備し、NPOなどでの活動を促進する旨が報じられました。

 

 

 

神戸市役所の職員が、市役所で培ったまちづくりの知識や、法令に関するリテラシー、行政マンならではの公益性の感覚などをNPOのために活用して、NPOのメンバーとして有償で活動することが許されるとしたら、職員のスキルは、市役所だけに属するのではなく、職員個人に属するものとして職員による庁外での活用が認められているということになります。

 

 

 

一方で、税金を財源として給与を得ながら身につけたスキルは、市役所ひいては市民に属するのである。

それを使って市役所職員が副業(複業)で収入を得るのはケシカラン、そういう活動はボランティアでやるべきだ。

 

という意見も想像されます。

 

 

 

繰り返しになりますが、ここでは便宜的に、守秘義務によって社外で使用できない情報や知識は除くこととします。

 

 

私自身は、

 

公務員が自らのスキルを地域や社会のために、役所の外で活用することには積極的であっていいと思っています。

 

更に、それがたとえ有償であっても構わないと思っています。

 

 

 

正直言えば、私自身が無償でそういう活動に労力を提供することに、抵抗があるわけではありません。

 

でも、価値ある活動にはキチンと価値で報いる社会になって欲しいから、価値ある活動をしたと思うなら、キチンと価値を受け取れるように自分の所属との関係や手続きも整えるのが望ましいんじゃないかと、最近考えるようになりました。

 

自分が公務員だからという理由だけで、価値ある活動をしながら、その対価の受け取りを拒むことは、どこかで同じように価値ある活動をする人からその対価を受け取る機会を奪うことになるかもしれない。それは社会的に、あまりハッピーなことじゃない気がします。

 

 

 

 

少し話がそれましたが、そもそも今回は、

 

「公務員が仕事を通じて身につけた知識やスキルは、会社のものか個人のものか」

 

という話でした。

 

 

 

公務員の社会活動・地域活動のこともこうやって書いてみると、その知識やスキルは、組織のものというよりは個人のものという方が現実に近い気がします。

 

それを別の組織に移るときに“手放して”、元の組織に“置いて”出て行くことはできませんから。転職する場合など、前の会社で身につけた知識もスキルもすべて忘れて転職することはできませんよね。

 

 

ただ、その知識やスキルは、当然所属する組織のために最も優先して使われるべきもの。

 

その上で、求めてくれる人がいて、それを活用できる場や機会があるのであれば、それが税金を使って市民から授けられたものであることをしっかり自覚した上で、個人の知識やスキルとしてよりよい社会や地域を作るために存分に活用すればいいのではないでしょうか。