今朝(3月3日)の日本経済新聞の記事で、神戸市が職員の副業推進のために、許可基準を見直すという報道がありました。
日本経済新聞 3月3日(金)
神戸市、職員の副業推進 NPOなどで
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF02H0C_S7A300C1EE8000/
この記事については、別途『裏取り』をしているので、その後にキチンとブログで私の考えなども書きたいと思いますが、以前も書かせていただいた公務員の副業や課外活動についての私の考えは、以下のとおりです。(8月21日のブログ記事の再掲です)
(再掲、ここから)
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公務員は副業はできません。
副業っていうのは、
17時で仕事が終わってから飲食店でアルバイトしたり、自宅で内職したり、最近増えているクラウドソーシングなんかで受注するのもNG。
もちろん法的に根拠があって禁止されているのですが、法令に定めてまで禁止する理由は何か?
いろいろと考え方はあるのでしょうが、よく言われるのが、
守秘義務
職務専念義務
信用失墜行為の禁止
などでしょうか。
これらを犯さないために、営利企業に有償で従事したり、企業の経営に参画することを法令で禁止しています。
今日の本題はここからです。
では、副業ではない課外活動は公務員であることでどう制約されるのでしょうか?
副業ではない課外活動とは、ここでは、
活動の対価としてお金をもらわない
業務時間外に行われる活動
としておきましょう。
これ、国家公務員法はあまり詳しく読んでいませんが、地方公務員法の副業禁止規定(第38条)では、禁止してる活動には当たらないと思うんですよね。
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○地方公務員法(抄)
(営利企業への従事等の制限)
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
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副業でない課外活動として、具体的にどんなものがあるのか例示してみます。
①職員が集まっての勉強会
②大学での講義
③任意団体として有料イベントの主催
④NPOの代表理事としての活動
もちろんどの活動も前提条件である、
活動の対価としてお金をもらわない
業務時間外に行われる活動
という範囲は守られているものとします。
そうすると、これらはすべてOKだと思うんですよね。
どれも共通するのは、
営利は目的とせず、現に利益の配当などは行われない
(事業に必要な財源としてNPO等が利益を得るのはOK)
公務員個人として報酬をもらっていない
という点。
この時点で、地方公務員法第38条で禁止している副業には当てはまらないと考えるのが妥当。
しかし、
①職員が集まっての勉強会
②大学での講義
③任意団体として有料イベントの主催
④NPOの代表理事としての活動
この4つすべて、所属する市役所などで人事当局(人事課や職員課)に相談すると、
止めておいたほうがいいと思います
と助言されるケースがあるそうなんです。
ナンデ!?
これは人事当局への確認の仕方に問題がある場合と、人事当局の課外活動へのスタンスに問題がある場合とがあり、(両方同時に起こっている場合ももちろんある
)相談するときにこちらから人事当局の担当者に
「(任意団体として)有料イベントを主催しても大丈夫ですか?」
とか訊いちゃうんですよね、きっと。
もちろん、訊き方のテクニックで切り抜けようという抜け穴講座ではありませんので、そこは念のため
訊かれた人事当局の担当者は、
有料でイベントを主催する
↓
儲けが出る
↓
主催した人の収入になる
↓
副業になるのでダメ!
って思いますよね、それが自然だと思います。
もし、上記の人事当局担当者の思考が事実と異なるなら、キチンと事実を伝えるべきです。
有料でイベントを主催することになるのは、その開催に会場費や印刷費、講師謝金などの経費を参加者に負担していただくからであること。とか。
ちなみに ①職員が集まっての勉強会 については、自分に近しい職員を集めて徒党を組んで、庁内で幅を利かせようという魂胆か!?
という、
ちょっと想像を絶する心配をされて止められるケースがあるとか無いとか・・・
②大学での講義 については、これは確かにちょっと微妙なところがありまして、無償でやっている限り副業如何で止められることはありませんが、市や省庁の名前を名乗って講義をすることが、業務外でどの程度許されるのかという問題はあります。
「こないだ○○市の人が、○○って言ってた」
というようなリスクに対応するために、大学側にあくまで個人としての活動であること、講義の内容も個人としての見解であり組織を背負ってないことなどは丁寧に伝え、講義の際にも学生にキチンと説明すべきだと思います。
④NPOの代表理事としての活動 についても、人事当局に相談すると難しい問題があるようです。これは一つには、営利企業ではないにもかかわらず団体の代表(=経営に携わる)という点でNGと言われるケースと、NPOの活動如何によって、代表となることで信用失墜行為につながる可能性を危惧されるケースがあるようです。
この④の場合については、人事当局に水面下で取材をしてみないと分かりませんが、③の場合と同様、説明する際に正しく説明できているかどうかと、人事当局の担当者が関係法令を誤って解釈していないかどうかを、丁寧に解きほぐして相互に事情を理解する必要があると思います。
課外活動をはじめよう!
そう思う動機やキッカケは人様々ですし、実際の活動の内容もいろいろとあります。
その中で、私なりに考えていることをツラツラと書かせていただきましたが、その上で、以下についてぜひ気に留めていただければと思います。
自分がやろうとしている課外活動がどういった活動になるのか、特に金銭面で整理すること
課外活動が公務員としてどのような制約を受けるのか、その課題は収益など金銭の流れが致命的になることが多いので、まず自分がやろうとする課外活動の金銭面の流れについて、キチンと整理しておくことが大切だと思います。
自分単独で他者と一切の金銭のやり取りが無いものなのか、それとも活動の経費の一部は参加者に負担してもらうのか。
NPOになればそのあたりは関係法令でも定められるので、“ヌカリ”は無いはずですが、個人や任意団体の活動になるとつい行き当たりばったりになってしまいがち。
ぜひ、事前に金銭のやり取りがある様々な場面を想定し、整理しておくことをお勧めいたします。
人事当局側に課外活動に関する相談をする際には、キチンと事実を互いに伝え合うこと
課外活動やそれに対する制約の元となる関係法令の理解は、おそらくその役所ごと、そして担当者によっても差があると思われます。
自分がやろうと思っていることがどんなことなのか、そこに金銭の流れが生じ得るのであれば、その金銭はどういう意図でどのように流れるのか、その活動に対する自分の立場はどういったものなのか、その内容を事実としてキチンと伝えること。
そして、人事当局として何らか制約があるという見解があれば、それがどういった法令に基づく、どういった解釈に基づくものなのか、それも目の前で法令を示してもらって説明を受けること。
何よりも自分が本当にやりたいことをやること
こんな言い方をすると元も子もないのですが、最後は自分自身の“覚悟”です。
例え人事当局に止められたとしても、より明確な解釈を求めたり、別の方法を探したり、それは自分自身が本当にやりたいことだからできること。
本当にやりたいことであれば、法令の制約もクリアし、自分のキモチも、人事当局も納得できる方法をきっと見つけられるはずです。
だからこそ、やるなら本当にやりたいことを。

今回は、公務員の課外活動について副業禁止規定との関係で少し整理をしてみました。
この社会をよくしていこうと思ったとき、公務員が地域に飛び出して業務外の活動をすることは、きっととても大切な意味を持つことになると思います。
これから、2枚目の名刺を持って課外活動をしてみたいと思っている公務員の皆さんの参考にしていただければ幸いです。
【免責事項】
私自身、まだまだ勉強中のところもありますので、この記事だけを根拠にして活動されるのではなく、ご自身でもキチンと関係法令など確認し、所属する機関の人事当局ともよく相談していただき活動していただきますようお願いいたします。
この記事だけを根拠に活動され、如何なる損害を被った場合も私は責任を取れませんのでご承知おきください。
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(再掲、ここまで)
神戸市の報道の話に戻ると、推測するに、上記の記事で書いた事例のうち、NPOなどのソーシャルな分野において、有償での活動も許可基準を明示するというのが趣旨と思われます。
私自身は、そもそもその活動が有償であるかどうかで禁止されるべき副業か否かの線引きをすることに限界があると考えているので、この基準が示されることで多くの問題が解決するとまでは言えないと思っていますが、この報道が事実なら、非常に大きな一歩だと思っています。
それは、地域におけるソーシャルな分野へのリソースの供給という意味でもそうですし、地方自治体の職員の人材開発という意味でもそうです。
そして、その2つが意味することは、地域のNPOなどソーシャルな活動の活性化と、地方自治体の機能向上が同時に実現する結果、今まで解決できなかったような地域の課題が、今まで以上に解決されやすくなるということだと思っています。
と、まあ、あまり書きすぎると本番で書くことがなくなりそうなので今日はこの辺にしておきますが、この流れが他の自治体へと広がっていくことを強く願っています。