私と同世代か、先輩方で、
大学入試で理系だった方は記憶にある方もいるのでは?
“とは”で受けて場合分け
受験数学の「確率」の問題で事象を明確化し、計算の漏れや重複を防ぐ方法です。
例えば
「2個のサイコロを振って合計が9になる確率は?」
という問題なら、
「2個のサイコロを振って合計が9になるとは」
と捉え直して、合計が9になる場合として
(1)6と3 が出る場合
(2)5と4 が出る場合
と場合分けして考えます。
こうすることにより、考えるべき事象がどんな場合か明らかになって、その計算方法も分かりやすくなります。
実はこの考え方、
仕事(志事)でもすごく大切
だと思うんです。
例えば、新しい事業の立ち上げ。
私が市役所で電気自動車普及のプロジェクトを新しく立ち上げることになった時。
当時まだ走ってもいないクルマを普及させるプロジェクトなんてどうやって企画したらいいのか……。
暗中模索。五里霧中。
その時に考えたのが、
“とは”で受けて場合分け。
市民・事業者の皆さんが電気自動車に乗ってもらえるようになるための問題点は何なのか。
その問題点のひとつが「1回の充電での走行距離が短い」ということだったので、「1回の充電での走行距離が短い」という問題の解決策を考えて悩んでいました。
そこで
「1回の充電での走行距離の短さという問題を解決するとは」
と、“とは”で受けて、
(1)1回の充電での走行距離を長くする
(2)1回の充電での走行距離が短くても大丈夫な環境を作る
と場合分け。
(1)1回の充電での走行距離を長くする というのは、主に電池や車体などメーカーの努力によるところが大部分であって、市役所の事業として貢献できるところがあまりないので、
(2)1回の充電での走行距離が短くても大丈夫な環境を作る というのを、重点的に取り組むことにしました。
今回のブログでは省きますが、
実はこの「1回の充電での走行距離が短くても大丈夫な環境を作る」というのも、さらにもう一段階掘り下げて“とは”で受けて場合わけをし、より具体的な事業を立ち上げていきました。
他にも、
「環境未来都市を目指す」
というミッションが掲げられれば
「環境未来都市とは?」
「地域がICTでつながることで安心・安全……」
という施策を立案することになれば、
「地域がICTでつながるとは?」
などなど。
仕事場で「とは?」を繰り返す私に、
同僚や先輩・上司の皆さんは
ウンザリしていたかも??(笑)
でも、そこを自分なりに納得してからじゃないと、
自分の仕事にならない
と思うんです。
腹に落ちて作業に当たれないというか。
それに、そこを自分と組織が共有できていることにより、無駄な作業も少なくなり、意思決定のスピードも上がります。
では、組織や上司なり発注者が「とは?」に答えられない、答えてくれないときはどうするのか?
そんなときは、電気自動車のプロジェクトの立ち上げのときがそうでしたが、自ら「とは?」に答えられるように定義づけをするところから作業を開始し、その結論をもって
「○○とは、○○であると考え、その推進のために○○を柱に、こういったプロジェクトを立ち上げたい」
といったプレゼンテーションをすることになるのだろうと思います。
「とは?」が「とは!」になったら、場合分けにそってロジックツリーの考え方などを使って具体化・細分化し、一つひとつの事業として取り組めばいいだけ。
あ、ちなみに「とは?」を突き詰めすぎると、組織や上司にウザがられる可能性が高いのですが、そこでウザがるのは「とは?」と訊かれても明確に答えられないから、という可能性も。
ご自身の部署のミッションなどが、根本的にどうなのか、一度確かめてみては如何でしょうか。
常識だと思っている事業が「マジックワード」だと気付くきっかけになるかも!?
え?私のいる部署ですか?
それはまた直接お目にかかれた機会にでも(汗)