GR GT

いよいよ姿を現したGR GT。

TOYOTA Brandなのか、LEXUSで出るのかも定かではなかったが、Gazoo Racingから

出てくるとは思わなかった。

あんまり資料はないけど、見てみましょうか。

 

まず、Gazooって何?

1996年に中古車販売の際に車をデジカメで撮って、その車を店頭で見せる、インターネットに掲載する。

この仕組みを“画像”からGA(画)ZOO(動物園)として呼ぶようにしたことが事の始まり。

現会長のモリゾーの下で生まれた仕組みのため、思い入れがあるのでしょう。2017年頃から

GAZOO Racingが生まれ、GR Brandが生まれることになりました。

中古車販売戦略企画からGR Brandの車が出てくるなんて、当時誰も思わなかったでしょう。

しかも、由来が画像なんて、ちと理解できません。

いまやF1 HAASのMain sponsorですし。

どうせならTRD(Toyota Racing Development)で出してくれた方がオヤジ達にとっては

うれしいと思うのだが。そういえば、直系ではないけどトムスもあるなあ。

ま、これからモータースポーツはGRで行くのでしょう。

腑に落ちない由来は解消されませんけど。

 

さて、GR GT。

こいつはWECのGT3カテゴリーで勝つために生まれた車と言って良いのでしょう。

ある意味、LFA と同様に技術の継承と言った意味合いが強いのも事実。

この車の詳細は不明ですが、僕が入手できる範囲で感想を。

 

Spec

全長 4820mm 全幅 2000mm 全高 1195mm ホイールベース 2725mm

重量 1750㎏以下

前後重量配分 45:55

エンジン 3998cc、V8 Twin Turbo

モーター出力は不明ですが、一応BEV。

System最高出力 650PS以上

System最大トルク 850nm以上

トランスミッション 8 A/T

サスペンション 前後共にダブルウィッシュボーン

Body オールアルミ

印象は低く長く、幅広く、新規開発のV8,A/Tが目を引く。

前後重量配分がFRにしては後ろよりなのは気になる。

 

スタイリング

WECで勝つためには低重心、高速での安定性、Cd値の低さ、リフトの少なさが求められます。

勝てばよいのでスタイリングなんぞ二の次とも言えますが、誰もがステージに現れたGT RGに

驚愕した。

徹底的に古く、格好悪いのだ。

良いところを探すのは極めて難しく、ただ薄く、長く、荒々しいスタイリングと言うしかない。

どうもTOYOTAはこの手の車のスタイリングは苦手らしい。

SUPRA然り、LFA然り、GR86然り。

新奇開発V8エンジンをフロントミッドシップに置きたいため、また、人を低く座らせたいため、

ホイールベースが伸びるのは理解できる。

そのためスタビリティも高くなる。

それにしてもだ。

勝てば良いとは言え、これが公道を走ると考えると異常な印象はぬぐえないだろう。

“空力性能の理想像を定めて、エクステリアをデザインする逆転の開発を敢行した”と宣うが、

商品性を求めるのであればもう少し誰もが欲しくなるような、魅力あるスタイリングを

もう少し考えてほしかったと思う。

と言うか、これが格好良いと思っているはずで、相変わらずTOYOTAのSports Carのスタイリングの

考え方はずれているという事でしょう。

何とも古い車と言う印象。空力優先のデザインとのことだが、もう少し何とかならんか。

継ぎ足しのDesign Detailは迫力はあるけど、ごちゃごちゃしすぎ。

おもちゃっぽいところが最大の欠点。

戦う車なので、格好なんて考えなかったのかもしれないが、もう少し先進性を加味してほしかった。

とにかく低重心を目指しました。

フロントタイアから先が長いこと。無駄な空間とは言いませんが、ここまで長くする必要があったのでしょうか?

ホイールベースを長くとりたかったのは分かりますが。

街中では取り回しにえらい苦労するでしょう。

ところでトランクってあるのかな?

蓄電池(バッテリー)の位置が妙に高い所にあるのが良く分かります。

 

Power Unit

新規開発V8にインバンクのTwin Turbo。

ポート噴射と直噴を採用している。

VVTも吸排気側に装備され、油圧で駆動される。

エンジン高を下げるためにOilはドライサンプ化されている。この辺はLFAと同様。

ミッションはエンジン直後に置かず、トランスアクスル化されている。通常はデフの前にミッションが置かれるが、

なぜかこのGR GTではデフの後方にミッションがおかれ、しかもそれは8 A/Tとなる。

ミッションがデフの後方の置かれたため、リターンシャフトがある。いらぬギアとシャフトが必要となり、

しかも重量配分と言う観点から良い事は何もない。

この車の前後重量配分は45:55という通常のFRとは大きく異なる。

トラクション重視の結果だと思うが、リアタイアへの負担は大きくなることでしょう。

何故DCTやAMTではなく、8A/Tだったのか。

ま、無理してM/Tを新規開発しても流用不可、燃費も悪いし、今やDCTも風前の灯火。

AMTは論外。

A/Tしか選択肢はなかったのでしょう。

インバンク内のTURBOはレスポンスの向上、emission対策などの利点有。BMW、Mercedesは既に採用済み。

新規開発ってのが凄い。

理解できぬ。何故デフの後方にミッションを置いた? 

リターンシャフトが大きい顔しているのが見えます。 トルコンが無いように見えますね。

 

この車はとりあえずHEVとなります。

通常のTOYOTAのHEVとは異なりEV Modeはなく、あくまでもTurboラグ解消のために使われる

ようですね。

良く分からないのはデフの上辺りにPCUとさらにその上に蓄電池が置かれるレイアウトの採用。

低重心が大きなConceptのはずですが、高い位置に置かれています。

置く場所が無かったのか、後からHEV採用が決まり、目を瞑って置く場所を確保したのか。

ちょいと理解でいません。

デフの上にPCUとバッテリーが置かれる。他に置き場所なかったか?

R33 Skylineのトランクにバッテリーが無造作に置かれていたのを思い出す。

 

Body

オールアルミのモノコックです。

TOYOTA初ですが、何故、カーボンモノコックを採用しなかったのでしょうか。

軽量だし、LFAで培ったノウハウもある。

Costなのか、レース前提の車故にリペア性を考えたのか、ギガキャストが使用できるようになったので、

オールアルミに挑戦したのでしょうか。

同カテゴリーの他の車を見てもマクラーレンくらいしかカーボンモノコックを使っていないので、

十分戦えると思ったのかもしれません。

開発者はオールアルミの知見が無かったので、接合に関しては大変苦労したと言っています。

いずれにしろカーボンを使わなかった理由は僕には分かりませんでした。

どこかで見たような骨格。何故カーボンモノコックにしなかったのか、分からずじまい。新しい技術への挑戦?

 

サスペンション

オーソドックスはインホイール型のダブルウィッシュボーン採用。

シンプルで、これと言って特徴もなく、ある意味、基本に忠実と言った印象。

マルチリンクを使わなかったのはリンク剛性が低く、接触などにも弱いため、敢えてこちらを

採用したのかもしれません。

セッティング幅もマルチリンクよりは狭いのですが、敢えてそれを狙っているのかもしれません。

ブレーキはカーボンローターで、フロントのキャリパーは対抗6ポッド、ステアリングラックはちゃんと前引き。

リアは上下ウィッシュボーンにトーコントロールリンクが付いている。

アーム、ナックルいずれもアルミ合金。

どう見ても新しいことを何もやっていないような印象で、信頼性、堅牢性を重視した印象ですね。

フロントです。 基本通り、面白みも何もない堅実な設計。レースにはそれが一番?

リアです。あえて言えば、フロント同様にアームのスパンが短い位が気になる点。サブフレーム無しで、アームはモノコック直付け。

レーシングカーはこれで良しです。

 

 

インテリア

スタイリングと同じくらいの失望感。

水平基調のダッシュボードにメーター、LCDを置き、いくつかの物理スイッチを置いた。

ダッシュボードが水平だと車両の動きがつかみやすく、良いデザインだが、デザイナーが

いなかったのではないかと思ってしまうほどシンプル。

開発driverの意見を忠実に取り入れたのかもしれませんが、やはり特別な車に乗っている事を

感じさせるインテリアはこの手の車には必要だと思いますね。

GT3をBaseとすることを強調する方向でも良かったはず。

中途半端だし、魅力はないし、余りにも素っ気無さ過ぎます。

何と評価すれば良いのだろうか。。

デザイナー不在だったのだろう。商用車のインパネの如くシンプル。

こちらはMercedes  AMG GT Coupe。まだ特別感と華が少しある。

ちょっとは購入者の事を考えてほしいですね。

 

GT3のカテゴリーにはPorsche911、フェラーリ296、アストンバンキッシュ、コルベット、BMW M4、

フォード マスタング、マクラーレン720S、Mercedes AMG GT Coupe等が走っていますが、

量産車をベースとしてレーシングカー規格に適合させています。

このGR GTはその逆で、GT3として開発した車を量産車として販売するという手法です。

レギュレーション遵守の精神からすると微妙な状況ですが、こんな事は昔から行われています。

どのメーカーも似たようなことをやっているのです。

GT3の車種を見る限り、GR GT3の優位性はかなり高い様に思われます。

 

GR GTはそういった観点から無理やりHEV化したように思えますし、置き場が無いのでPCUやバッテリー

を変な高い位置に置いたのも理解できますね。

 

公道を走っていることを見る機会はごくまれでしょうけど、深海魚の様な幅広く、ぺたんこなこの車は

とても奇異に映る事でしょう。

スタイリングが無様でもレースで速ければ格好良く見えてくるものですから、この車にもそれを期待しましょう。

 

おまけ

LFAが復活する。

プラットフォームにこのGR GTのものを利用するという。

GT3カテゴリーで勝てる車に仕上げたはずで、無駄な空間は無いはずだが、LFAはBEVだという。

そうでれば蓄電池はどこに積むのだろうか?

全個体電池が採用との噂がある。充電時間が短い、容量が大きい(小型化できる)、安全性が高いなどの

メリットがある半面、耐久性(劣化が早い)に問題があるともいわれる。

こいつをLFAに搭載することができるのか?

少なくともフロアには置けないだろう。

これは見せ物であると同時に、単に打ち上げ花火である可能性もあるなあ。

ま、期待しましょ。

 

こちらも評価に苦しむ。

捉えどころがない。低く、幅広いだけ。

 

 

僕らが若い時は国産車において、高級エンジンと言えば直列6気筒エンジンでした。

Century、プレジデント等のV8も存在しましたが、一般的なものではなく、庶民が手に入れることが

できるエンジンの最高峰だったのは間違いありません。

理論上、完全バランスを誇り、振動が無く、スムーズに回り、回転感の良さも高級車にふさわしかったと思います。

特にBMWのシルキーシックスと言われたエンジンはMediaの影響もあり、我々の憬れの存在であったのも

事実です。

僕自身、13台の車に乗り換えてきましたが、直列4気筒が3台のみで、その他10台は全て

直列6気筒を積んだ車でした。

直列6気筒へのこだわりは単にSkylineが積んでいたエンジンだったためです。

重い、回らない、燃費悪い、力が無いL20系エンジンに対しては良い思い出は殆どありません。

とにかくかったるかったし、振動も大きかったし、ドッカンターボだし、何が良いエンジンなのかさっぱり

分かりませんでした。丈夫さが取り柄?

黒いヘッドカバーにTURBOの文字。昔は憬れましたね。

長大なヘッドカバーは印象的です。ブロックも如何にも丈夫そうでした。連悍比が大きいこともあり、バランスとりされたL型は

スムーズに回りました。

 

その後のRB20DETは小気味よく回り、高回転までストレスなく回りました。

基本的にターボラグが大きかったですが、Sporty Unitと言う感じがしました。

回して気持ち良いエンジンです。

ところがRB25DETになってから大味になり、もっさりとしたエンジンになりました。

リニアチャージConceptが悪かったのか不明ですが、キレが無くなりましたね。

ボア、ストローク共にUpさせたのですが、微妙にバランスが崩れた印象でした。

デビュー時は全く力感なく、事実遅かったのですが、セラミックターボ採用時にインテークマニホールドの改良等により、ようやく

6気筒エンジンらしくなりました。

RB25になって、もさっとした回転フィールになりました。

 

日産の6気筒エンジンを奈落の底に突き落としたのがBMW E46のM43B19という

OHC 119PSのエンジンです。

回転感、キレ感、全てにおいて日産の6気筒エンジンの気持ち良さを上回っていました。

この時点で直列6気筒エンジンの神話は僕の中に崩れました。

型式、気筒数だけでエンジンの良さが決まるものではない。

BMWがエンジン屋と言われる一端を垣間見たような気がしました。

泣くほど遅かったけど。

このしょぼいエンジンが大好きでした。精度感ある回り方とヒール&トゥの時の音はとても気持良かったです。

日産の6気筒って何だったの?と思うくらいでしたね。

 

その後Z4に積まれたM54B30は正に直列6気筒の素晴らしさを堪能できました。

軽快に回るという印象はなく、ドッシリと力強く回り、エンジンを回すことが気持ち良いと言った感覚は

これまで経験が無いものでしたね。

速いエンジンではなかったけど、しっとりした回転感は直列6気筒の素性の良さを十分に味わえました。

これがシルキーシックスか?と問われると微妙ですが、高回転まで回さなくても気持ち良さが感じられました。

このエンジンを味わえてよかったです。Z4は故障が多くて大変でしたが、このエンジンだけは何もなかったです。

ま、5000キロでOilが1リットル減るという現象はありましたが。

BMW曰く、問題ない、とのこと。

そんな時代のエンジンだったのですね。

 

ところが、バルトロが搭載されるようになった辺りから、BMWのエンジンが変わりましたね。

何となく軽々しくなり、国産車のエンジンの様な印象になりました。

E90のN46B20Aです。

因みにバルトロは意外と機能していないことが分かっています。スロットルバルブが結構動いているようです。

バルブの可変リフトはあまり意味ないのではないかと言う話もあり、またCostも高いことから

他のメーカーは辞める方向です。

余り印象が無いエンジン。軽く回るフィールは少しBMWらしくないなと。

バルトロの音が少しうるさかったというくらいしか思い出せない。

 

そのあとに乗ったE82 135iのN54B30AのTwin TurboはSporty Unitとしてとても速いエンジンで、

その音も素晴らしかったです。

このエンジンはバルトロなし。

それが良かったのですかね。

首都高速の下の道路でアクセルを奥まで踏むと素晴らしい音が反響しました。「クォー!」といった奇麗で迫力ある音に

しびれましたね。レスポンスも良く、Sports Unitとしては最高のエンジンだったかも。

忘れられないエンジンです。

インジェクター故障で酷い振動が出たときはビビりました。

 

N54B30Aの後継のN55B30Bはバルトロ、直噴、ツインスクロールターボになり、期待したのですが、

大人しいサルーンに似合うようなエンジンになっていました。

高回転まで伸びるけど、回して楽しいと言った印象が薄くなりました。

ジェントルになったというか。

実はCost Downが行われていたんですね。ピエゾインジェクター廃止、ターボは一つになってしまいました。

5 Series辺りにぴったりのエンジンと言う感じ。

当時の技術全部乗せで期待したのですが、意外と大人しい印象で、回す楽しさは減りました。

 

そして今の車のエンジンはB58B30Bというエンジン。

こいつはディーゼルエンジンとブロックを共通するというモジュラーエンジンで、Cost削減、

燃焼や排ガス規制対応にも3、4気筒エンジンの技術が共有できることが最大の強みです。  

このエンジンの美点は振動なく、静かできれいに回ること。そしてとても速い。

とは言え、これまでの回転感とか、気持ち良さは特に感じられません。

悪く言えばモーターの劣化版と言った印象です。

直列6気筒である事の“旨み”、“味“はもうほとんど感じられません。

中域より上はわずかにバランスよく回転する雰囲気が感じられるのですが、それも一瞬。

直ぐに6500回転を超えて頭打ち。

トルクの頭打ちはN55B30Bよりも急激。

しかもタコメーターは使い物にならないので、左右から中央に表示されるシフトアップインジケーターが

中央で合わさる瞬間を見逃さず、素早くシフトアップしないとタイミングが遅れて醜いトルク変動が襲います。

タコメーターのメモリも高回転に行くほど狭くなる表示という意味不明なデザイン。

要はタコを見なくてよいよとBMWは言っているわけであり、Manualでシフトするな、という事なんでしょう。

エンジンに個性が無いというか、存在感が薄いエンジン。

振動なく、スムーズで言う事なしなので、エンジニアの観点からは最高かもしれない。

気持良いエンジンってどんな?と聞かれると困りますが、少なくともこのエンジンではないですね。

 

直6に話を戻すと、どのメーカーも単に直列4気筒のモジュラーエンジンに2気筒追加しただけであり、

V8の代替エンジンとしてのみその存在意義があるように思います。

G20の330iの乗っていた時にノーズの軽さゆえの回頭性の良さ、静かで振動もなく、

もう6気筒は必要ない、と感じましたが、今それを実感していますね。

唯一異なるのは重厚感ですかね。

重さとも言えるのかもしれませんが、何となく落ち着いた高級感が出ます。車の剛性感も高いような気がします。

でも目を瞑って横に乗ったら4気筒なのか6気筒なのか判別できる自信が無いです。

唯一エンジンスタート時の振動と音ぐらいですかね。分かりやすいのは。

それぐらいその差は少ないです。

 

今の直列6気筒は結局V8に変わる高価格車用という位置付けであり、それ以外では

僕のような古い価値観を持った幻想をいまだに抱いている人にしか胸に刺さらないのではないでしょうか。

もちろん、4気筒も色々あって、どれもが6気筒並みという事はではありません。

少なくともいまのBMWにおいて無理して6気筒を選択する必要は全くないという事です。

以前も書きましたが、本国で売られていた230i、FR、6M/Tが日本に導入されていれば、

絶対そちらを買いました。

220iではいくら何でもPower不足で、楽しさよりも上質さで勝負、と言う車なので、購入意欲は

全く起きませんでした。

クルマ好きにとって、選択肢はドンドン少なくなっているように思います。

 

まとめ

完全バランスではあるけど、クランクシャフトが長く、現在クランクシャフトがグニャグニャ曲がっていることが

可視化できるようになりました。

そんな状況では完全バランスとも言い難いのが実情です。

また、ピストン、コネクトロッドの重さも微妙に異なることで、振動が出ます。

論理的には振動はないけど、作ってみれば、意外と振動が出ているエンジンであり、

構造上トルク変動が出るため、気持ちよく回る回転数域は限られています。

また、6気筒はそのためにアクセルオフの度にエンジンを揺らします。

その観点からも直6は振動が出るエンジンと言えます。

僕の経験上も同様の感想です。

 

直6が素晴らしいのは回転が上がっていく際の回転感であり、スムーズさを感じるところですが、

今やその優位性は大きくありません。

直6のライバルと言えばフラット6とも言えますが、これも左右からブロックをつなげる必要がり、

クランクの保持剛性に問題が出るし、何よりも熱効率が悪いので、良くも悪くも直6と良い勝負です。

でも搭載性を考えれば圧倒的に直6ですね。

フラット6はフロントに置けばサスペンションへの制約が大きく、エンジンを低く置けばおけば、排気効率が

悪くなります。

リアに積むのが最適解と思います。それ以外搭載性の観点から余りメリットが無いエンジンなんですよね。

何でBYDがフラット4を開発したのか全く不明です。

(Porscheは排気効率よりもエンジンを低く置くことを優先している。)

 

最近乗ったリーフには車を運転する喜びみたいなものは一切感じませんでしたが、振動の無さ、

静かさ、レスポンスの良さなど総じて考えるにICE搭載車よりも大変魅力的に映りました。

その後に乗ったM240iのクラシカルな乗り味に驚いたくらいです。

BEVが最適解とは全く思えませんが、少なくとも車を新しい方向に導く一つの手段として

大変優位性を持っていると思います。

問題はEUが政争の手段として無理やりBEVを普及しようとしたことです。

それが仇となり、欧州メーカーを疲弊させ、Chinaの進出を招きました。

蓄電池をChinaに依存するという愚かな間違いに何故気が付かなかったのでしょうか。

 

直列6気筒の素晴らしさは、ある時代にあってこそその地位は確立されたものだと思いますが、

現代ではもはや単なる記号性や、記憶の中の憬れでしかありません。

マルチシリンダーにしかできないことも存在しますが、それは極僅かになってしまっているのが現実です。

Eセグの車も4気筒を搭載する時代です。

重く、長い直列6気筒への幻想は我々ジジィの中で微かに息づいているかもしれませんが、それも終焉に

近づいているように思いました。

こういうエンジンにうっとりとしてしまうジジィにとって今のエンジンに魅力が無いと感じるのも仕方ないですかね。

 

おまけ

大排気量、マルチシリンダーは富の証。

これは昔の価値観だけど、今もうっすらと息づいています。

直4のアルファードよりもV6が偉い、という風潮は残っていますね。

ところが現行のアルファードにはV6が消えました。

これはもうマルチシリンダーにこだわっているUserが少ない、V6車種追加によるCost Downが

狙いの結果です。

では何故今更MAZDAは直列6気筒を出してきたのか。

アメリカでの市場を広げるために大排気量エンジンも必要だったからです。Premium市場は儲かるためです。

悪く言えばSKYACTIV-Dの4気筒 2,148ccエンジンに単に2気筒足して

3.3リットルにしたエンジンとなります。

ボア、ストロークの変更が一切ないことからもそれが伺えます。

狙っている市場によるこの違いは面白いです。

いずれにしろ、人間は他との比較によって自分の立ち位置や、考えをより明確に理解する傾向があります。

そこに差別などが生まれる温床もあるのですが、他人との優位性を得たいのもある意味”性”です。

他の何かが違う事による得られる満足感は無意識に感じてしまうものです。

そういった意味ではいつの時代でも”差異”を感じさせる商品は簡単には無くなりません。

先述したとおり、車による富の象徴はかなり弱くなりましたが、それでも無くなるものではありません。

単に価格だけでなく、性能の優位性の違いもそれに通じます。

直列6気筒は富の証という表層的でありますが、その観念はこれからも生き続けると思います。

 

 

JPN TAXI

会社への出社する機会が殆どなくなり、よって会社帰りに飲みに行くこともなくなりTAXIを使用する事が皆無になったのですが、

ようやくJPN TAXIを利用することができました。

JPN TAXIはクラウン コンフォートがいい加減古く、規制対応が難しくなってきたこともあり、

TOYOTAがユニバーサルデザインを取り入れたタクシー専用車として開発しました。

TAXI業界としてはこのロンドンタクシーのようなスタイリングに相当難色を示したそうです。

理由はスタイリングがフォーマルな車ではない、とのことで、タクシー業界は当時タクシー=少し贅沢なものといった

考えがあったのかもしれません。

TOYOTAはそれを何とか説き伏せ、ようやくこの車が誕生となった言う経緯があります。

プラットフォームはBプラットフォームと言う僕には聞きなれないものですが、これは先代

シエンタのプラットフォームと共用した物ですかね。

基本的に低床故に採用されたのでしょう。

最大の特徴はLPGハイブリッドシステムの採用で、いかにもTOYOTAらしい配慮、戦略です。

耐久性に力を入れ、以前にも書きましたが、車がしなる事で、入力をいなすという低剛性車に

なっていると思われます。

以前書いたブログ参照: TAXIの剛性の話 | 車と猫 徒然

スタイリングは特に語る部分はない。フォーマルさを残すためにグリルを光らせてフェンダーミラーもメッキ、ドアノブもメッキ、という

涙ぐるしい努力。

後席重視のスタイリングは不格好ですが、これで良いのでしょう。

割り切っていれば機能美を感じるものができたはずですが、少しでも色気を出そうとしているのが気に入らない。

 

何でリアハッチにわざわざノッチを付けたのか。これもフォーマルさを感じさせようとした跡なのでしょうねえ。蛇足ですよ。

トランクの容積を減らすだけで、この手の車に必要ないデザインです。

リアコンビの横に小さな突起が3つほどありますが、これはTYOTAお得意の空力デバイス。

ボルテックジェネレーターみたいなもんで、あえて渦を作り出してリアへの空気の回り込みを避けています。

 

 

さてさっそく乗ってみますか。

スライドドアのために大変乗りやすいです。

フロア低く、大きく平板なシート座面。

腰を掛けると、HPが高く、ポジションは良いのですが、シートの出来のせいか、落ち着く感じはないですね。

シートは以前のコンフォートのようにコイルばねを使っていないようで、ウレタン一発。

妙に背が高く、頭上スカスカなのは狙いとは言え、無駄な空間にしか思えません。

シートが温かいと思ったらシートヒーターが付いていました。

ありがたい。

で、肝心の乗り心地ですが、いわゆるTOYOTAのユルユル系で、突き上げなく、ゆっくり走る分には

悪くないと思いました。

リアにデフが無いため、意外と静かだし、都内を走る分には悪くないと言った印象。

若干段差を超えた際などは横揺れがありますが、これは3リンクサスペンションの影響?

3リンク採用はとにかく耐久性重視のためらしく、リンクが少なければ当然劣化、整備する箇所も少ないはず。

(正確にはトレーリングリンク車軸式コイルサスペンション。太いビームで左右輪をつなぎ、トレーリングリンクを

前方に伸ばして前後方向の位置決めを行っています。横剛性も高く、シンプルでコスト安そう。

トレーリングリンクのブッシュが車に対して直角なので、転舵時にはトーアウトになり、リアが不安定になりがち)

速度が上がるといつもの少し古いTOYOTA車と同様の傾向で、キャビンの揺れ幅が大きくなってしまいます。

もちろんクラウン コンフォートよりもマシですが。

足元広く、頭上空間広く、申し分ない空間です。

シートが平板なのが残念。畳む事

前提に考えているのでこうなります。

ウレタン構造のシートは経年劣化が心配されます。掛け心地はそれなりで、快適な乗り心地とはいかないのは仕方ないか。

 

ドライバーの方にコンフォートと比較してどうですか?と聞いたところ、

1.    FFになったせいで小回りがきかなくなった。狭い所に行くと意外と困ることが多い。

2.    車椅子の乗車は助手席を倒して、横から入れることになるが、そのため、道幅を占有することがあり、
邪魔になる。また非常に手間がかかってしまい、時間がかかる。やり難い。

3.    お客様には概ね評判は良いが、我々にとっては特に良くなった面はない。

4.    シートなども良くなったとは思えず、耐久性は疑問。

5.    インバーターの故障が多発しているようで、タクシーとしてはちょっと頼りない。

とのことでした。

全てに、特にドライバーの方にとっては改善されていると思ったのですが、意外と評判はイマイチでした。

インパネは使い勝手、見やすさを重視したもので、悪くないはず。

ほぼ理想通りのレイアウトのように見えます。ハザードスイッチがステアリングリムに付いているのはどうかと思いますが。

 

 

タクシー会社にとって問題は価格。

グレードの高い方で368万円だとコンフォートよりも100万円近く差があるとか。

またシエンタの方が燃費よく、価格も安いとのことで、業界自体でシエンタの方に流れている状況だそう。

LPGであるため、ガスを充てんするステーションが限られていることも意外とネックで、車内のメーターによる

ガスの残量はあてにならず、実際にボンベにあるメーターを見ないと明確な数値が分からないだとか。

LPGは基本的に燃費が悪いけど、価格の安さから使用されているのですが、HEVであれば

その穴埋めは十分に可能となっているようで、シエンタ タクシーが増えているそうです。

中々TOYOTAの思惑通りにはなっていないようですね。

 

日本の商用車はdriverには厳しい作りが多く、モノを如何に多く運べるか、耐久性を上げるかが

注視されている傾向が強いです。

タクシーの運転席のシートに何かしら敷かれていることが多いですが、結局へたってしまうからなんですよね。

長時間乗ることが多いのですから、せめてシートぐらいはしっかりした物をおごって欲しいと思います。

ハイエース、キャラバンのシートに座ると絶望感しかありませんからね。

軽トラも同様ですが。

もう少し人間を大事にしたConceptをお願いしたいです。

ハイエースのインテリア。

シート座面はエンジンがあるために厚くできず、どうしても座布団みたいなものになってしまいます。

One BOX車の大きな欠点の一つですね。もちろんキャラバンも一緒です。

TOYOTAのHPにはシートの薄さを確認できる写真がありませんでした。見せたくないもんね。

 

帰りには懐かしのクラウン コンフォートに乗りました。

相変わらずのふにゃふにゃの足回りで常に横、上下に揺れ、8の字を描くようなヨーが発生し、

長い時間乗りたくない車です。

またシート座面がコイルに薄いウレタンを敷いたもので、体が安定せず、車酔いや疲れの原因になります。

古い車だとデフの音が騒がしく、室内もうるさいのも大きな問題です。

車自体ワナワナと震えているのも良く分かります。

総じてJPN TAXIの方が良い車です。

使い勝手について難点はあるかもしれませんが、やはりコンフォートの方は早いところディスコンすべきですね。

もう引退させるべきです。第一、安全基準を満たしていないので危険な車。走りも衝突安全性も何もかも前世代的な車です。

此奴には乗りたくないです。

実はタクシー乗り場にこいつが待っていたので、コンビニに入って時間潰したら、タクシーが全ていなくなっていました。

仕方なく待っていたら、こいつがやってきました。

時間の無駄でした。

 

おまけ

1996年頃、仕事が忙しく毎晩タクシーで帰宅していました。

その日はおそらく午前2時ごろ、小雨が降る中、タクシーを呼んで帰りました。

迎えに来たのはおんぼろタクシー。

個人タクシーではなかったと思いますが、首都高速に乗ると非常に乱暴な運転に驚きました。

スピードも出しますが、リアが滑るような走りをするんですよ。

マジか?と、ぼーっとした頭で状況を理解するのが大変でした。

細いタイアですからリアも動きやすいのでしょうけど、リジットサスなので接地変化が少なく、

滑り出しも穏やかかもしれませんが、それ以前にBody剛性なんてあってないようなもんだから、

怖いのなんのって。。。

ドアグリップを握り必至に耐えました。

ドライバーの機嫌が悪かったのか、そういう走りが好きだったのか。。

無事帰宅しできましたが、あの日の怖さは忘れられません。

結局3時間寝て、すぐ出社でしたので、会社で仮眠したほうが良かったかも。。

倉庫の一室に閉じ込められ、毎夜タクシーでの帰宅、徹夜も何度もあったし、滅茶苦茶な

時代でしたね。

今考えると元気だったなぁ。(遠い目)