あの時、今の車に乗ったらなんて思うのだろう。
当時乗っていたR33 Skylineの不出来に僕は諦めを付け、R34の登場を待ち続けていました。
R33は日産の業績悪化に伴い、開発時点からCost Downを強要され、開発主査であった
田口はローレルとのシャーシ共用の強制を無視した結果、途中で更迭されました。
スタイリングは決定されており、開発も進んでいた時点での変更は田口を困惑させ、上からの指示を
無視していました。
2週間も経つと、周囲がもそもそ動き始め、勝手にホイールベースを延長させてスタイリングのスケッチを
書き始めるなど、開発陣の中でも統制が乱れたそうです。
そんな状況で生まれたR33 Skylineは悲しくもR32より走りで劣る車であり、尚且つ
質感もかなり劣っていました。
僕のR33に対する不満は下記の通り。
-ステアフィールの悪さ
-上まで回らず、急激な頭打ちになるRB25DETエンジン
-Body剛性に起因するタイアの接地性変化による突然のオーバーステア
-トラクション不足
-走りの質感の低下
他にもありましたが、強烈に覚えているのはこれらです。
嫌いになるほどではありませんが、安心して走ることは不可能でした。
雨の日、高架のカーブで登りを走る際に、自信をもってフロントタイアを白線に乗せて走ることは怖くて
できませんでした。
フロントタイアの存在がぼやけてしまうからです。
予測不可能なオーバーステアは怖い思いを何度もしました。
リアが突然滑ったと感じると同時にジャッキアップの様な現象が発生、Bodyの捩じりを感じながら
カウンターステア、と同時にビビッてアクセルオフ。
グリップが急激に回復して所謂タコ踊り状態。
こんなSkylineはこれまでありませんでした。
R33 Skyline
どう見てもいびつな形。Bピラー以降、妙に長く、ホイールベースが後から延ばされた事がこの写真からも分かる。
バランスが悪いのだ。
現行プレリュードも同様の処理。
時間も金もない中、何とか発表にこじつけた、と言った車だったと思う。
ウェット路面でのいろは坂での恐怖は今も忘れられない。
そんなR33からBody剛性を高めたR34が登場しました。
試乗時に公道を50メートル走っただけで、これは違う、と確信しました。
ステアリングがしっかりしてまるで別物です。
リア回りの剛性を上げるとステアがしっかりすると開発陣は行っていましたが、正にそれを感じました。
試乗コースは土手沿いの良い道。
この道を走ると今でもR34の記憶が鮮明に蘇ります。
エンジンも上まで回るし、レスポンスも良いし、走ることに関して不満だった点がほぼ解決していました。
もう気分良く、その夜営業が自宅に来てもう一度試乗してから契約書に押印を行いました。
その土手沿いの道は今でも通り道ですが、そのたびに思う事があります。
もし、当時の僕が今乗っているBMW M240iに乗ったらなんて思うのか。
乗り心地は今の車の方が良いはず。
剛性感も高いはず。
静かで、シートも断然良いし、何よりも速い。
重厚感があり、走りの質感も断然に高い。
インテリアの質感も圧倒的。
約28年前の僕の価値観でM240iをどのように感じるのだろう。
おそらく、ステアフィールがもっさりして車が重い。
速いけど、静かで高揚感が無い。
走っても楽しくない。高級車然として僕が乗る車ではない、と感じるのではないでしょうか。
それともこんな素晴らしい車は無い! と思うのでしょうか。
当時と今では車に対する経験値が大きく異なっており、また車に対する造詣も全く異なります。
それらを考慮すると、やはり何か刺激が少ない、と思うのかもしれません。
それだけ今の車は良くできており、1998年に登場したR34とはある意味比較にならないと思います。
ところが何故、今こんなことを思うかと言えば、M240iの評価が難しいからなのです。どんなに素晴らしい性能を
持っていても、何かを失ったように思えてなりません。
G20 330iに乗っていた時も同様でしたが、気持ち良く走れるのですが、楽しさが無い。
ワクワクするような高揚した気分になれない。
甥っ子のNB ロードスターに乗る度に走ることの楽しさを思い出しますが、M240iでは
そのような気分に全くならないのです。
良い機械に触れていると十分に感じさせ、それは喜びになりうるのですが、それだけです。
静かで力強く、振動なくきれいに回り、どこからでもPowerを得られるB48B30B直列6気筒エンジンは
ある意味、エンジニアの理想のエンジンかもしれません。
でもこのエンジンは初代Lexus LSのエンジンとどこが違うのでしょうか?
BMWのエンジンはそんなエンジンではありませんでした。
何も心に引っかからないエンジンです。
乗り味は重厚で、高級感もありますが、1710㎏の車重の言い訳にはなりません。
もっと直感的に、屁理屈なく車を楽しんでいたあの頃にM240iに乗ったらどう評価するのか。
僕が求めていた理想の車に近づいているのでしょうか?
答えが出ない問答ですが、僕にとってM240iの評価が難しい故の夢想です。
最近お気に入りのAIでのR34とG42の合成写真。
このころの車はBodyが薄く、全高も低かったですね。対人頭部保護のため、車が分厚くなりました。
R34のペラッペラのフロントエンドのDesignは、どう見ても格好悪い。はっきり言って酷いです。
リアフェンダーのサーフィンラインも後から取って付けたようなデザインで、事実、後から付け足したもの。
「格好悪い方がSkylineらしいと考えこのDesignを採用した」と当時 主査の渡邊氏からの発言があったが、何言ってんだろ?
両車を並べて思うのはやはり僕はDesignで車を選んでいないと確信しました。
おまけ
M240iは大好きです。
というか、コンパクトな2 Dr. Coupeだから好きなのかもしれません。
G20 330iはどうしても自分の車とは思えませんでしたし、あの大きさに違和感を持っていました。
重くなったとはいえ、M240iは走りの資質は高く、驚きのperformanceを発揮します。
この速度で曲がれるか?と思っても何事もなかったように曲がっていきます。
トルクベクタリング?と思いましたが、x Driveは左右のトルク制御は行っておりません。
M デフと相まって曲がりやすく、トラクションを稼いでいるのでしょうか?
良く分かりません。
走りは僕の手におえる範疇を超えています。
これまでスタイリングで車を選んだことはありませんが、G42に乗るにあたり、僕は2Dr. Coupeが好きなのだ、と
実感してしまいました。
ならGR86でもいいじゃんか、となりますが、あの子供っぽさはあんまり好きではありません。
インテリは特に。
G42のインテリアも使い勝手という観点からは酷いですが、その質感は高く、比較するものではありません。
大人が乗れる2 Dr. Coupeが好きなんだと今になって気が付いた次第です。
これまで13台所有してきて2Dr.は11台ですが、それを今頃なって気が付くとは。。
自分の事は良く分からないもんです。
評価が難しい車ですが、僕の大好きな車の1台です。
何となく矛盾しているようですが、評価が高い車と、所有する車は得てして異なるものだと思います。
歴代BMWを一堂に集めました。あとE46とE85、E90を並べたかった。
ナンバーは勝手にAIに変更されたのでそのまま。
こうしてみるとG42の顔が異常にでかい。そんなに存在感を主張したいのかなあ。

















