GR GT
いよいよ姿を現したGR GT。
TOYOTA Brandなのか、LEXUSで出るのかも定かではなかったが、Gazoo Racingから
出てくるとは思わなかった。
あんまり資料はないけど、見てみましょうか。
まず、Gazooって何?
1996年に中古車販売の際に車をデジカメで撮って、その車を店頭で見せる、インターネットに掲載する。
この仕組みを“画像”からGA(画)ZOO(動物園)として呼ぶようにしたことが事の始まり。
現会長のモリゾーの下で生まれた仕組みのため、思い入れがあるのでしょう。2017年頃から
GAZOO Racingが生まれ、GR Brandが生まれることになりました。
中古車販売戦略企画からGR Brandの車が出てくるなんて、当時誰も思わなかったでしょう。
しかも、由来が画像なんて、ちと理解できません。
いまやF1 HAASのMain sponsorですし。
どうせならTRD(Toyota Racing Development)で出してくれた方がオヤジ達にとっては
うれしいと思うのだが。そういえば、直系ではないけどトムスもあるなあ。
ま、これからモータースポーツはGRで行くのでしょう。
腑に落ちない由来は解消されませんけど。
さて、GR GT。
こいつはWECのGT3カテゴリーで勝つために生まれた車と言って良いのでしょう。
ある意味、LFA と同様に技術の継承と言った意味合いが強いのも事実。
この車の詳細は不明ですが、僕が入手できる範囲で感想を。
Spec
全長 4820mm 全幅 2000mm 全高 1195mm ホイールベース 2725mm
重量 1750㎏以下
前後重量配分 45:55
エンジン 3998cc、V8 Twin Turbo
モーター出力は不明ですが、一応BEV。
System最高出力 650PS以上
System最大トルク 850nm以上
トランスミッション 8 A/T
サスペンション 前後共にダブルウィッシュボーン
Body オールアルミ
印象は低く長く、幅広く、新規開発のV8,A/Tが目を引く。
前後重量配分がFRにしては後ろよりなのは気になる。
スタイリング
WECで勝つためには低重心、高速での安定性、Cd値の低さ、リフトの少なさが求められます。
勝てばよいのでスタイリングなんぞ二の次とも言えますが、誰もがステージに現れたGT RGに
驚愕した。
徹底的に古く、格好悪いのだ。
良いところを探すのは極めて難しく、ただ薄く、長く、荒々しいスタイリングと言うしかない。
どうもTOYOTAはこの手の車のスタイリングは苦手らしい。
SUPRA然り、LFA然り、GR86然り。
新奇開発V8エンジンをフロントミッドシップに置きたいため、また、人を低く座らせたいため、
ホイールベースが伸びるのは理解できる。
そのためスタビリティも高くなる。
それにしてもだ。
勝てば良いとは言え、これが公道を走ると考えると異常な印象はぬぐえないだろう。
“空力性能の理想像を定めて、エクステリアをデザインする逆転の開発を敢行した”と宣うが、
商品性を求めるのであればもう少し誰もが欲しくなるような、魅力あるスタイリングを
もう少し考えてほしかったと思う。
と言うか、これが格好良いと思っているはずで、相変わらずTOYOTAのSports Carのスタイリングの
考え方はずれているという事でしょう。
何とも古い車と言う印象。空力優先のデザインとのことだが、もう少し何とかならんか。
継ぎ足しのDesign Detailは迫力はあるけど、ごちゃごちゃしすぎ。
おもちゃっぽいところが最大の欠点。
戦う車なので、格好なんて考えなかったのかもしれないが、もう少し先進性を加味してほしかった。
とにかく低重心を目指しました。
フロントタイアから先が長いこと。無駄な空間とは言いませんが、ここまで長くする必要があったのでしょうか?
ホイールベースを長くとりたかったのは分かりますが。
街中では取り回しにえらい苦労するでしょう。
ところでトランクってあるのかな?
蓄電池(バッテリー)の位置が妙に高い所にあるのが良く分かります。
Power Unit
新規開発V8にインバンクのTwin Turbo。
ポート噴射と直噴を採用している。
VVTも吸排気側に装備され、油圧で駆動される。
エンジン高を下げるためにOilはドライサンプ化されている。この辺はLFAと同様。
ミッションはエンジン直後に置かず、トランスアクスル化されている。通常はデフの前にミッションが置かれるが、
なぜかこのGR GTではデフの後方にミッションがおかれ、しかもそれは8 A/Tとなる。
ミッションがデフの後方の置かれたため、リターンシャフトがある。いらぬギアとシャフトが必要となり、
しかも重量配分と言う観点から良い事は何もない。
この車の前後重量配分は45:55という通常のFRとは大きく異なる。
トラクション重視の結果だと思うが、リアタイアへの負担は大きくなることでしょう。
何故DCTやAMTではなく、8A/Tだったのか。
ま、無理してM/Tを新規開発しても流用不可、燃費も悪いし、今やDCTも風前の灯火。
AMTは論外。
A/Tしか選択肢はなかったのでしょう。
インバンク内のTURBOはレスポンスの向上、emission対策などの利点有。BMW、Mercedesは既に採用済み。
新規開発ってのが凄い。
理解できぬ。何故デフの後方にミッションを置いた?
リターンシャフトが大きい顔しているのが見えます。 トルコンが無いように見えますね。
この車はとりあえずHEVとなります。
通常のTOYOTAのHEVとは異なりEV Modeはなく、あくまでもTurboラグ解消のために使われる
ようですね。
良く分からないのはデフの上辺りにPCUとさらにその上に蓄電池が置かれるレイアウトの採用。
低重心が大きなConceptのはずですが、高い位置に置かれています。
置く場所が無かったのか、後からHEV採用が決まり、目を瞑って置く場所を確保したのか。
ちょいと理解でいません。
デフの上にPCUとバッテリーが置かれる。他に置き場所なかったか?
R33 Skylineのトランクにバッテリーが無造作に置かれていたのを思い出す。
Body
オールアルミのモノコックです。
TOYOTA初ですが、何故、カーボンモノコックを採用しなかったのでしょうか。
軽量だし、LFAで培ったノウハウもある。
Costなのか、レース前提の車故にリペア性を考えたのか、ギガキャストが使用できるようになったので、
オールアルミに挑戦したのでしょうか。
同カテゴリーの他の車を見てもマクラーレンくらいしかカーボンモノコックを使っていないので、
十分戦えると思ったのかもしれません。
開発者はオールアルミの知見が無かったので、接合に関しては大変苦労したと言っています。
いずれにしろカーボンを使わなかった理由は僕には分かりませんでした。
どこかで見たような骨格。何故カーボンモノコックにしなかったのか、分からずじまい。新しい技術への挑戦?
サスペンション
オーソドックスはインホイール型のダブルウィッシュボーン採用。
シンプルで、これと言って特徴もなく、ある意味、基本に忠実と言った印象。
マルチリンクを使わなかったのはリンク剛性が低く、接触などにも弱いため、敢えてこちらを
採用したのかもしれません。
セッティング幅もマルチリンクよりは狭いのですが、敢えてそれを狙っているのかもしれません。
ブレーキはカーボンローターで、フロントのキャリパーは対抗6ポッド、ステアリングラックはちゃんと前引き。
リアは上下ウィッシュボーンにトーコントロールリンクが付いている。
アーム、ナックルいずれもアルミ合金。
どう見ても新しいことを何もやっていないような印象で、信頼性、堅牢性を重視した印象ですね。
フロントです。 基本通り、面白みも何もない堅実な設計。レースにはそれが一番?
リアです。あえて言えば、フロント同様にアームのスパンが短い位が気になる点。サブフレーム無しで、アームはモノコック直付け。
レーシングカーはこれで良しです。
インテリア
スタイリングと同じくらいの失望感。
水平基調のダッシュボードにメーター、LCDを置き、いくつかの物理スイッチを置いた。
ダッシュボードが水平だと車両の動きがつかみやすく、良いデザインだが、デザイナーが
いなかったのではないかと思ってしまうほどシンプル。
開発driverの意見を忠実に取り入れたのかもしれませんが、やはり特別な車に乗っている事を
感じさせるインテリアはこの手の車には必要だと思いますね。
GT3をBaseとすることを強調する方向でも良かったはず。
中途半端だし、魅力はないし、余りにも素っ気無さ過ぎます。
何と評価すれば良いのだろうか。。
デザイナー不在だったのだろう。商用車のインパネの如くシンプル。
こちらはMercedes AMG GT Coupe。まだ特別感と華が少しある。
ちょっとは購入者の事を考えてほしいですね。
GT3のカテゴリーにはPorsche911、フェラーリ296、アストンバンキッシュ、コルベット、BMW M4、
フォード マスタング、マクラーレン720S、Mercedes AMG GT Coupe等が走っていますが、
量産車をベースとしてレーシングカー規格に適合させています。
このGR GTはその逆で、GT3として開発した車を量産車として販売するという手法です。
レギュレーション遵守の精神からすると微妙な状況ですが、こんな事は昔から行われています。
どのメーカーも似たようなことをやっているのです。
GT3の車種を見る限り、GR GT3の優位性はかなり高い様に思われます。
GR GTはそういった観点から無理やりHEV化したように思えますし、置き場が無いのでPCUやバッテリー
を変な高い位置に置いたのも理解できますね。
公道を走っていることを見る機会はごくまれでしょうけど、深海魚の様な幅広く、ぺたんこなこの車は
とても奇異に映る事でしょう。
スタイリングが無様でもレースで速ければ格好良く見えてくるものですから、この車にもそれを期待しましょう。
おまけ
LFAが復活する。
プラットフォームにこのGR GTのものを利用するという。
GT3カテゴリーで勝てる車に仕上げたはずで、無駄な空間は無いはずだが、LFAはBEVだという。
そうでれば蓄電池はどこに積むのだろうか?
全個体電池が採用との噂がある。充電時間が短い、容量が大きい(小型化できる)、安全性が高いなどの
メリットがある半面、耐久性(劣化が早い)に問題があるともいわれる。
こいつをLFAに搭載することができるのか?
少なくともフロアには置けないだろう。
これは見せ物であると同時に、単に打ち上げ花火である可能性もあるなあ。
ま、期待しましょ。
こちらも評価に苦しむ。
捉えどころがない。低く、幅広いだけ。




























