夜の運転
夜の運転が好きだ。
何が良いって、車が少なく、速度域が高いため、気持ち良く走れる。
信号に引っかかることも少ない。
気持ち良く流していると何とも言えない開放感がある。
それが好きだ。
車に乗る時はその車の事を感じながら走ることが多い。
自分の車に乗る時でさえ、その時のコンディションやステア、エンジンフィールを感じながら走る。
季節によって始動時の乗り味には大きな違いがあるし、ロングドライブの後のエンジンフィールの違い等、
微妙な変化を味わうようにしている。
それも好きなのだが、上述したとおり、開放感の方が好きなのかもしれない。
仕事や日常のストレスなどを運転していることで何となく中和してくれるような感覚がある。
もちろん、渋滞では全然ダメで、夜中の空いている道を走る事でそれが満たされる。
路面を滑るように走るフリクションの少ない駆動系の気持ち良さ、ステアの反力、フィール、Body剛性感、
アクセルを踏んだ時のレスポンスの良さと滑らかなエンジンの回転感。
いっつも良い車だな、、と呟いてしまう。
以前であれば、車両の小ささからクイックな動きや、上まで回した時の回転感など、
”楽しさ”があったが、今の330iではこの楽しさはほとんど感じられない。
ただ車の出来の良さに感心していることが多い。
楽しさ=刺激だとも言える。
330iは所謂GT Carであり、少しおっとりした、どこまでも快適に走れることを目指した車なのだろう。
刺激は少ない。
このおっとりしたフィールを今では心地良いと感じているのだが、やはりサイズが小さく、軽い車に乗ると
何も変えがたい気持ち良さと楽しさがあるとも思う。
もう、速い車は欲しくは無いのだが、それでもある程度Powerが欲しい。
330iにはもう少しPowerが必要だと思う事もある。
1630kgだからだ。
もし1,100kgの車であれば160PSでも十分に速い。
しかも燃費良く、車はクイックに動き、重さを克服するための変な電子デバイスも必要なくなる。
衝突安全性能も高まるし、Ecoであるとも言える。
軽い車への憧れが高まる。
但し、重い車故の重厚感、安定感、凝縮感、質感が低くなる可能性が高い。
これまで所有した車の経歴からも、ある程度の質感の高さは僕にとって重要なファクターになる。
今しか乗れないからロードスター買うか!と、何度も思うのだが、楽しさを感じつつも乗る度に
このエンジンのがさつさや、車の質感に満足できるのか?と考えてしまう。
僕の求めているものは二律背反になってしまう事が多いかもしれない。
妥協点がどこなのかさっぱりわからず、とりあえず買ってから考えるのが現実的かもしれない。
330iを走らせていると、この車はある意味最大の妥協点になっているのかなとも思ってしまう。
とりあえず質感的には申し分ないし、求めているものはほぼ揃っている。
重さ、長さ、軽快感の不足は気になるが、そこいらを流しているには過不足ない。
夜の運転は色々と考え込むのにも適しているかもしれない。
まずは気持ち良く走っている事実を受け止めて、それからゆっくり先の事は考えたいと思う。
夜の運転は楽しい。
おまけ
若かりし頃はよく隣に並んだ車と競い合った。
今では背の高い車ばかりで、”走る事が楽しい”車が少なくなっているため、競う事はまずない。
いい歳なんだからやめるべきだと思うが、それっぽい車が横に並ぶとワクワクしてしまう。
昨夜はたまたまCivic Type-Rが横に並んだ。
足を落として、マフラーも変えている。
信号が変わるとゆっくりした出だしだったが、横に並ぶように走るとCivicはいきなりアクセルを踏み
加速する。
前にバイクがいたので、こちらも車線変更をして後につく。
けっこう上下にヒクヒクした動きで、これだと速度を上げるほどに怖くなるだろうなあと思いながら付いていく。
サスペンションが動かないため、接地性変化が大きいはず。
広い道路で昼はここでネズミ捕りをやっていることもある。まあ、夜中なので大丈夫だろう。
ここでは書けない速度だ。
この先は一旦下り、登りながら左にカーブしていくため、先が見えない。
するとCivicがいきなり車線を変えた。
「なんで?」
その刹那、目の前にゆっくり走るバイクが登場。
慌ててパドルでシフトダウン!
ブレーキを踏みながら斜め後方に車がいない事を確認して車線変更。
危ねー。
アクセルを踏んでCivicに追いつくが、下った先は信号で、そこで終わり。
短い時間だったが久しぶりに楽しんでしまった。
車の安定感、ブレーキの制動感、ステアの確かさ等が確かめられたのもうれしいい。
のんびり走っても8割はその車の事は分かるが、その先に車の性能が隠れていることも多々ある。
以前、135iでシケインをそれまでの経験ないくらいの速度で走ったことがあったが、ステアは素晴らしく的確で、
車との一体感を強く感じることができた。
走りを優先した車種ならこういう動きができるのだと、いたく感動したことがあった。
BMWの深淵に触れた気がして、直ぐに契約した。(3日間借りた車で無茶なことをしていた)
330iにはそういった感動は無い。
今のM4やM3にあんまりそういった物を感じず、旧M2コンペは鳥肌ものでした。
時代が変わったのか、僕が変わったのか、よう分かりません。
やっぱり小さく軽い車が良いのかな、と堂々巡りの夜。。。
Civic Type-R
EK9という型式らしい。 1997年発売なので、相当古い車だったようです。
185PS、16.3kgf·mというアウトプット。今からすると大したことないけど、1,6リットルだし、1040kgの軽量は
素晴らしい。N/Aでリッター辺り100PS超えているし。
この頃のType-Rは一般道路では考えられないほど足回りを固めて筑波サーキット専用モデルの様な
車だった。(実際に筑波でタイムを出すために開発が行われた)
B16BエンジンはVTEC搭載。ボアストは81.0mm×77.4mmで、意外とショートストローク型。
8,200rpmで最高出力を発揮し、正に時代を感じさせる。
高回転まで奇麗に回ることがSports Carの代名詞の一つであった。
僕もそんな価値観にずっと呪縛されていた。
BMWのエンジンがそれより大事なことがあると教えてくれました。
とは言え、急激な頭打ちは興醒めですけどね。今も。
全く持って端正なスタイリング。
素晴らしいPackagingとは言えないが、今のDセグはこんなもんでしょう。
A4、C Class、ジュリア、Skylineよりもまともな空間だった。
伸びやかに見えるのはこの全長があってこそ。これまで4 Dr.Sedanを所有したのはE90のみだったが、
明らかにG20の方が立派に端正に見える。
やはりSizeは見せることに置いて有効な手段だと思う。
僕には不必要だが。
色々な意味で進化しており、上質という言葉がぴったり合う。
New 5 Seriesの上質さには遠く及ばない程に差があるが、Sportyという面では大きく勝る。
丁度良い塩梅、と言った車なんだろう。