前回のブログで『瘀血』について書きましたが、瘀血の症状に心当たりのある方は非常に多いのではないでしょうか。
乱れた食生活、ストレス、睡眠不足、運動不足などは瘀血をもたらす大きな要因となります。
そういう意味では、瘀血は現代病とも言えるわけです。
特に女性は月経や妊娠など、血液とは密接な関係にあります。
今回は、近年増加傾向にある『卵巣脳腫』そして『卵巣と瘀血の関係』について簡単にお伝えしていきたいと思います。
■卵巣嚢腫とは
子宮の左右にひとつずつあるアーモンドのような形をした「卵巣」に発生する腫瘍です。
大きいものでは30cmを超えることもあります。
卵巣腫瘍には様々な種類があり、卵巣から分泌される透明の水のような液体がたまる「漿液性(しょうえきせい)嚢胞」、どろっとした粘液がたまる「粘液性嚢胞」、卵巣内の胚細胞にできて脂肪がたまる「皮様嚢胞」、子宮内膜症が卵巣内に発症し、月経のたびに古い血液がたまっていく「子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)」があります。
それぞれ、若い年代から閉経後の女性を含む幅広い年代に発症する可能性があります。
卵巣腫瘍の初期段階では自覚症状はほとんどありませんが、進行して肥大化してくると外側から触れて気付いたり、下腹部の違和感、腹痛、腰痛、便秘、頻尿などの症状が表れることがあります。
下腹部痛、頭痛、肩こり、冷えのぼせが強い、などの症状を伴う場合、瘀血が関係していると考えられます。
証でいうと「血瘀証」となり、血流が鬱滞しやすい体質です。
下腹部の血流が滞ることにより、卵巣嚢腫ができやすくなります。
■卵巣を元気に保つためには
卵巣は、その小さいサイズにも関わらず、腹部大動脈から直接血液が供給されるという非常に重要な特徴を持っています。
卵巣内の卵子は成長に必要な酸素や栄養物質を常に血液から受け取り、また卵巣から分泌されたホルモンは血流にのり必要な器官に素早く届けられます。
したがって、不妊でお悩みの方などは、血を補うことと血の巡りを良くすることが大切といえます。
卵巣の血液量が十分で、血液がサラサラであることが機能維持に重要なのです。
また、卵巣は腹部大動脈から直接新鮮な血液の恩恵を受ける反面、活性酸素の影響を受けやすい面もあります。
これは卵巣内の卵子が老化しやすい原因のひとつと言われています。
つまり卵巣には、新鮮な血液+十分な酸素に加え、卵子のミトコンドリアから産生される活性酸素を即時に除去することが極めて重要になります。
瘀血の症状は、我慢できたり年齢とともに現れるため、「年のせい」と諦めている方も少なくありません。
しかし、瘀血の症状をそのままにしておくと、女性に多い「乳がん」や「大腸がん」など重い病気に発展する可能性もあります。
瘀血による頭痛・肩こり・めまい・冷えなど、漢方薬は対応する効能・効果をもつものがたくさんあります。
ある研究によると、瘀血改善の漢方薬にもよく使用される生薬「丹参」には、抗酸化作用があり フリーラジカルのような強力な活性酸素の除去にも有効で、卵子の酸化ストレスを軽減すると言われています。
卵巣腫瘍や女性特有の症状にも、漢方薬を継続していくことで「症状がでにくい体質」「卵巣腫瘍になりにくい体質」に改善していくことができます。
日々の健康づくりに、良きパートナーとして、ぜひご自身に合わせた漢方薬をご活用ください。