漢方に詳しくない方でも、「瘀血」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
瘀血とは「血液の滞り」です。
血管の太さは全身各所で異なっていて、そこに瘀血が影響を与えると症状も千差万別に表れてきます。
代表的なものには、月経痛や月経不順、月経異常、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊など女性特有のトラブルがあります。
他には、頭痛やめまい、耳鳴り、肩こり、疲労、便秘、腰痛、冷えなど誰にでも身近な症状から、ニキビや色素沈着、鮫肌、皮膚のくすみといった肌トラブルも瘀血のひとつです。
さらに瘀血が悪化すると、血管をふさいで血液の流れを止めてしまい、狭心症や脳梗塞などの重い循環器疾患をもたらす心配もあります。
さまざまな病気や症状に関わる瘀血は、まさに『万病のもと』と言えるのです。
■血流を悪くする原因
◎蓄積した疲労やストレス
◎老化
◎食生活の不摂生(脂っこい食事・栄養や水分の不足、過剰、偏り)
◎慢性的な冷え
◎喫煙
◎運動不足
など
■瘀血が関連する症状
漢方では、「血が滞った場所は痛みが生じる」と考えられています。
〇チクチク・ギュ~ッとした痛み 〇生理痛 〇首や肩のコリ 〇頭痛 〇心筋梗塞の胸痛
肌質の変化・粘膜の色は瘀血を見分ける基準になります。
〇乾燥肌 〇シミ・そばかす 〇舌・唇・歯茎の色が暗い 〇顔色が暗い 〇経血の色が暗い
ゴリゴリしたシコリや塊も瘀血の特徴です。
〇舌裏の血管の怒張 〇暗い色のニキビ 〇経血に混じる塊 〇子宮筋腫 〇チョコレート嚢胞
■瘀血の改善に必要なものは?
これまで紹介してきた症状に当てはまる方は、恐らく生活習慣の乱れがあるかもしれません。
外食ばかりや甘い物、コンビニ食、インスタントなどの食生活、運動不足、ストレスの多い生活は血の状態を悪くし、瘀血をもたらす大きな要因となります。
瘀血の改善には、「食事」「運動」「ストレス」を意識することが大切です。
〇食養生
食事は洋食より和食を。旬の食材を入れ、加工品はできるだけ避けましょう。
ほうれん草やトマト、ねぎ、たまねぎ、青シソなどは血小板の凝集を抑制し、血液をサラサラに保つ働きがあることがわかっています。
食材はどんなに体に良いと言われるものでも、摂り過ぎは禁物です。
少量をバランスよく、継続して摂取するようにしてください。
調理法は焼く・揚げるではなく「煮る・蒸す」調理がおすすめです。
就寝2時間前までには食事を終えるようにしましょう。
〇運動
最初は軽度な運動から、無理なく長期間継続につながるよう、楽しんで体を動かしましょう。
適度な運動は血流を促進し、手足や身体のすみずみへ血液や栄養を運ぶとともに、老廃物を溜め込まない体づくりにも繋がります。
運動後は汗を拭き体を冷やさないように注意し、十分に休息をとって入浴すると良いでしょう。
〇ストレス
ぬるめの湯船につかりリラックスしたり、ヨガやストレッチなどを習慣にして充分な睡眠を心がけましょう。
ハーブティーや香味野菜は気の流れをよくしストレス解消に役立ちます。
ストレスを受けないようにするのはなかなか難しいことですが、ストレスの影響で交感神経が優位になると、末梢の血管が収縮して血流が悪くなってしまいます。
できるだけ毎日の生活を工夫し、上手にストレスを発散するようにしましょう。
〇瘀血の悩みをサポートする漢方
血や気のめぐりを良くする生薬はたくさんあります。
循環器や婦人科の症状にも幅広く使われる「当帰」「川芎」「桃仁」「丹参」「牡丹皮」「紅花」などを多く含んだ漢方薬を、「活血剤」と言います。
瘀血は気滞によって引き起こされることが多いので、活血剤には気のめぐりを改善する生薬が一緒に含まれることが多いです。
しまばら薬局では、瘀血の改善・対策に長年推奨し、お客様に喜ばれている漢方薬があります。
瘀血改善効果があるとされる生薬と、気のめぐりをよくする生薬がバランスよく配合されています。
また、微小循環を改善するのみならず、血管機能を正常に保つのも得意なので、血圧や動悸、息切れ、不整脈がある方にもおすすめです。
『瘀血は万病のもと』ということは、瘀血を改善することですべての病気の予防や治療につながると言っても過言ではありません。
自身の生活習慣の見直しと一緒に、ぜひ漢方の「活血剤」をご活用ください。
万病のもとを断ち、イキイキした血管で元気な毎日を送りましょう!