赤い果実のクコの実。
「不老長寿の薬」とされ、世界三大美女の一人、楊貴妃も毎日食べていたと言われています。
杏仁豆腐の上に乗っていたり、薬膳料理などにも使用され、スーパーフードとして人気です。
クコは中国原産のナス科の落葉低木で、夏から初秋にかけて紫色の小さい花を咲かせ、秋に1~2cm程度の赤い果実をつけます。
果実を乾燥させた「クコの実」は、「枸杞子」と称され、365種の薬物が記載された中国最古の薬物書「神農本草経」の上品(無毒で命を養う。多量または長期にわたって服用しても人体に害のない分類)に収載されています。
新芽は野菜としても食されたり、芯を除いた根皮は「地骨皮」と称され、漢方で清熱薬として使用されています。
『神農本草経』とほぼ同時代(1〜3世紀頃)に中国で作られた本草書、『名医別録』には、「冬に根を採り、春夏に葉を採り、秋に茎と実を採る」と記載があり、様々な部位が用いられていたことがうかがえます。
枸杞子の主な薬効は、強壮、新陳代謝増強、免疫増強作用、血糖値降下作用、脂質代謝改善作用、肝機能保護作用などが報告されています。
漢方の世界では、「補肝腎」、身体に栄養や潤いを与える「滋陰」の働きをもつ生薬に分類されます。
栄養豊富なクコの実ですが、実は『飲む目薬』とも言われています。
目は肝・腎との関わりが深く、肝・腎の弱りが目の様々な症状となって表れると考えられており、視力低下、かすみ目、目の乾燥などに使われる漢方薬「杞菊地黄丸」にも含まれています。
枸杞子は、そのまま食べてもおいしいですが、酢やはちみつに漬けることで潤い効果がアップしたり、便秘解消にも役立ちます。
目のトラブルや元気をつけたいときなど、いろいろなアレンジで枸杞子を活用してみてくださいね。