すべては1975年からはじまった。Vol.5 | をもひでたなおろし

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2024年に還暦を迎えた男のブログ

荒井由実の話を書いてしまったら、1975年にデビューした

偉大なシンガーソングライターの話もしなければならない。

 

「オールナイトニッポン」を聴くようになってから、僕が好きになる曲や歌手に幅が

出来た事は前にも書いたが、秋口を過ぎた頃、この深夜放送のCMに一風変わった曲が

流れるようになった。

 

♪ ララバイ ひとりで 眠れない夜は

  ララバイ あたしを 訪ねておいで

  ララバイ ひとりで 泣いてちゃみじめよ

  ララバイ 今夜は  どこからかけてるの

 

  春は菜の花 秋には桔梗

  そうしてあたしはいつも夜咲くアザミ

 

  ララバイ ひとりで 泣いてちゃみじめよ

  ララバイ 今夜は  どこからかけてるの ♪

  

   (アザミ嬢のララバイ / 詞 中島みゆき)

 

何故か僕の心に引っかかり、気になる歌手のひとりになったのが

この年の9月25日にデビューした中島みゆきだ。

「オールナイト…」の提供がポニーキャニオンだったので

ポニーキャニオンからデビューしたみゆきさんの曲のCMが

ガンガン流れていた。のだと思う。

 

 

いまでもみゆきさんの歌は良く聴く。ユーミンとは真逆の歌で

当時は暗い。とかフラれた女の曲ばかり。と揶揄されてもきたが

僕が好きなみゆきさんの唄は、いつも弱い人や陽の当たらない人たちに

向かって唄う「人生の応援歌」のような唄だ。

最近再び始まったNHKの「新プロジェクトX」の主題歌である

「地上の星」なんてのは有名だが、僕の好きなみゆきさんの唄は

「ミュージシャン」という曲だ。確か「中島みゆき」というアルバムに

収録されていた曲だと思う。

 

♪ 今から20年後に もう一度会ったなら
      僕は何をしてるだろう
      どうやって暮らしてるだろう
      他にできることもなし この齢になってるから
      じっとベンチで暮らしてる
      それより他ないだろうか

      人生は長過ぎて僕の手に負えない
      生意気な若い日のツケが回ってくるのか

    「ミュージシャン さみしいことを言わないで」
    「ミュージシャン 長生きは辛いことじゃないはずよ」

     20才の頃とは違う あの頃はひとりだった
     傷口を舐めるように 音に浸っていたけれど
     愛する者に与えてやれるものが欲しいんだ
     身勝手過ぎる憧れを
     押さえ込むのが闘いさ

     膝を抱え泣くのはもうたくさんだけれど
     ふたりで泣いてるのはなおさら辛いじゃないか

   「ミュージシャン かなしいことを言わないで」
   「ミュージシャン 何処でもついてゆけるものよ女は」

    12才の頃 野球選手になりたかった
    今でも夢にみるさ マウンドにあがってる
    夢の中ではいつもヒーローさ
    やせっぽちのくせに不思議とヒーローさ
    だけど 8回の裏
    投げ方を忘れてマウンドを降ろされる
    やりきれぬ笑いばなしさ
    かなしい夢さ

    カウントが流れだすと 愚かな血が騒ぎだす
    すまし返った街の角を はしゃぎながら翔けてゆく
   「ミュージシャン さみしいことを言わないで」
   「ミュージシャン 長生きは辛いことじゃないはずよ」
   「ミュージシャン   かなしいことを言わないで」

   「ミュージシャン 何処でもついてゆけるものよ女は」♪

      

  (ミュージシャン / 詞 中島みゆき)

 

1988年の曲だけど、今この歳になってから聴くと、改めてグッとくる歌詞だ。

弱気になった中年…僕はもう老人の域に近づいているが

「もういちど、もうひと頑張りしてみよう」と思わせてくれる曲。

みゆきさんの詞は観念的な詞も多くて、今の世代には

わかりにくいかもしれないけれど

そんな歌詞を深堀しながら聴くのも僕は好きだ。

 

しかし渋い趣味だった。小学5年生で中島みゆきはいいなあ。なんて

他の子に話しても話が合わなかっただろうし、当時小学5年で中島みゆきを

知ってる子もいなかっただろう。別に感性の違いを誇らしげに語るわけじゃないけれど

あの頃から18歳くらいまでの僕の「アンテナ」の感度は

かなり高感度だったんじゃないかな。

とは思う。若さというのは強い。とあらためて感じる。

 

今はさび付き、あちこち折れ曲がったアンテナで寂しくなっちゃったけれど

若さゆえの瑞々しかった頃の事を、このブログを書きだしてから

思い出すことが出来たことは良かったとあらためて思う。

 

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(2024/4/15 記)

僕の鬱病の話を少し。このブログが皆さんの目に留まるころ

僕は入院している可能性が高い。少し仕事を始めたらアッという間に

鬱状態がぶり返してしまった。コピーを取る手が震え、メモした重要事項も

書いた自分が信用できず何度も確認しなければ落ち着かない。

仕事場へ向かうために車に乗れば、アクセルを踏む足が震えてしまう…

週明け主治医と話し合い三度目の入院を考えている状態である。

このブログも、結構な時間を掛けて書いている状態で、リアルタイムで

書き綴っているわけではなく、実はかなり前倒しで書いている状態だ。

鬱の寛解は中々難しいのだろうか…。

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1975年。もう少しお付き合いを。

=つづく=