上矢印 続きですにっこりキラキラ



ヤマモトさんから、
「もう来んでええよ」的なことを突然ぶっこまれた私。



OH、、無気力ハッとは思いましたが(売上減るから)、
訪問拒否なんて、この業界じゃよくあることで。



別に、そこまでショックでもなかったです。


ヤマモトさんは元々、誰とも心から打ち解けることはない、掴みどころのない飄々としたキャラ。


私の前任看護師も拒否したし、ヘルパーさんにも同じようなことをしてきたと聞いてましたから。
「おお、ついに私にもきたか」くらいにしか感じませんでした大あくび


むしろ、よく1年もったよな。グッジョブ、私。。みたいな。



それよりも、
なぜ訪問拒否に至ったのか。

私はそこを明らかにしたかった🤔気づき



【私】

もう来なくていい、と。

それは、なんでですか🤔はてなマーク

 
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【ヤマモトさん】

なんも変わらんから。

だから、もう、いい。



【私】

そうですか。。

決めるのはもちろんヤマモトさんだから、辞めるも続けるも、ヤマモトさんが決めていいんですにっこり電球


でも、私は、こうやってヤマモトさんのお顔を見に来るの、結構楽しみでしたよ。


車椅子を自分で動かして買い物行ったり、煙草吸ったり酒飲んだり……それでいいんじゃないですかはてなマークにっこり気づき


今まで来た看護師とか医者がなんて言ったか知りませんけど、飲みたくなきゃ薬なんて飲まなきゃいいんですよ。

ヤマモトさんの人生だからね。。


ヤマモトさんが納得して、満足できる生き方をしたらいいと、私は思ったんです。


……まだ辞めるには時間があるから、何か苦しいこととか身体の具合が悪いことがあったら、私に聞かせてください( ´∀`)∩

 
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そう。私は看護師としての患者教育を放棄したのだ。




だってもういいじゃん。


この人に煙草やめさして、酒飲むのを禁止して、一体何になるのはてなマーク



何のために、何を目指して指導するのはてなマーク



この人がこの人らしい最期を全うして死ぬまで、看護師としての私の役割はナニはてなマーク





仮に禁煙禁酒服薬コンプライアンス遵守させたとして、それってつまりは誰のためにやってんの🤔はてなマーク




自分の看護師としてのプライドはてなマーク


看護師はそういう仕事だから、お仕事やってます感のためはてなマーク


自分が、後悔しないためはてなマークはてなマーク





この人は別に

健康になりたがってない。


もう肝硬変末期だし、金も身寄りもない生保だし、どうやったってここで死ぬしかない。




この人、もう何もないんだもん。




別にいいんじゃない、人生の最期の最期くらい。





私は、禁煙禁酒服薬コンプライアンスを放棄する代わりに、人生の最期の最期までヤマモトさんが命に換えても飲みたがってきた酒と煙草を存分にやれるよう、身体の動きが狭まらないようなリハビリをしてました。。

(生保を長生きさせたり、保護費で酒煙草を買うなんてけしからん、とかのお叱りは別に置いとくことにした)




あえて、それを説明することはなかったけどにっこり





私の話を聞いてるとき、珍しくヤマモトさんは私の顔をじっと見つめてました。



ガラス玉みたいに何の感情もこもってなかった目には、驚きとも何ともつかない感情が映ってるように私には見えました。





私は、私の気持ちをそのままヤマモトさんに伝えた。

あとはヤマモトさんがどう受け取るか。



もしかしたら、受け取りすらされないかも。



でも、それならそれでいい。

なぜなら、ヤマモトさんの人生だから。。






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【ヤマモトさん】

……………ねえ、あのさあ。。


【私】

はてなマーク なんですかにっこりはてなマーク

 
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いつものように関節可動域拡大とか、まあいろんなリハビリをしてた私にヤマモトさんが話しかけてきましたにっこり気づき




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【ヤマモトさん】

………やっぱり、来てもらおうかな。


こうやってやってもらうと、調子いいんだよな。来てほしい。



しっかり私の目を見て、ヤマモトさんが自分の思いをお話してきてくれたんです。。



その言葉に、セクハラみたいな下心は感じられませんでした。




私は何かを言うよりも先に、ヤマモトさんとがっちり握手を交わしていました。



お互いに無言。



でも、今までみたいにどっか冷淡な、よそよそしい感じではなく、何かつながった感じというか。




ヤマモトさんの思いを真摯に受け止めねば、と強く思いました。



嬉しいとかそういう軽い感じじゃなくて、深い感動が心の底に広がっていく感じがしました。





もちろん、ヤマモトさんが心をフルオープンにしてるわけではないことくらい、私にも分かります。



それでも、ヤマモトさんの側にいてよかったと、そう思うには十分でした。





つづく。。