あとがき | 輪廻輪廻

輪廻輪廻

歴史の輪は巡り巡る。

 昨年は、鎌倉時代を舞台にした大河ドラマなどあり、私もそれにちなんだ小説を書いてみようと思いました。

 

 北条義時は、大河でだいぶイメージが出来上がったと思いますが、私のイメージは気の強い姉の後ろに隠れている弟です(笑)。

 政子が、あの時代にしてはかなりぶっ飛んだことをしでかす(頼朝との結婚)ことに比べ、義時は吾妻鑑を読んでも、イメージが薄い…。

 

 こんな武功を上げました!とか、颯爽と活躍!という描写が皆無で、姫の前にストーカーしたとか、父親の時政が伊豆に帰った際は、それについて行かずに家にいたとか(笑)。他にいいエピソードがなかったのか…なかったんだろうなという印象です。

 

 それに比べ、三浦義村は大河でもそうですが、裏切りの常連。ただ、和田義盛への裏切りはかなり悩んだのではとは思いますね、同じ一族ですし。

 

 北条義時と三浦義村の仲が良かったという史実はありません。かと言って、険悪な仲だったという話もないので、盟友というのが一番しっくりくるのではないかと思います。

 どちらかと言うと、悪者っぽいイメージの義村ですが、ちゃんと結城朝光という知音がいたのに、大河では金で繋がる関係で描かれていましたね(笑)、断琴の交わりではなく、断金の交わりだったのね。

 

 確かに私も吾妻鏡で、この二人が出て来た時、義村に友人がいたのか!と驚きましたが(失礼)、義時にも友人と呼べる人間はいたのではないでしょうか。義時関連はそこまで深堀していないので、ご存知の方は教えてください。

 

 義時と伊賀の方も史実では仲は悪くなく、政村は溺愛され、どっちかと言うと、泰時の方が…。

 大河はお話ですので、色んな設定に出来ると思います。私もこの小説でたくさん、遊ばせてもらいました。

 では、また、どこかでお会いできればと思います。

 

夏芽拝