高野山御礼参拝 10月11日① | しこくあるく

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四国霊場歩き遍路の記録を中心に、寺社巡りや城郭探訪など旅の日記と徒然の感想を書き連ねています。

四国霊場開創1200年記念巡拝を5月に結願し、高野山へ御礼参拝に伺った。
八十八箇所御礼に奥の院、別格御礼に金剛峯寺へ参拝する。別格は更に東寺への参拝もある。

御礼だけならばもっと前に済ませてもよかったのだが、この時期を選んだのは壇上伽藍金堂の御本尊が秋の特別ご開帳となるからである。
金堂が再建されて今年までまだ一度もご開帳が無かった。4月にも春季ご開帳があり、10月いっぱいは秋季ご開帳である。この後、ご開帳は特別なことがない限り無いであろう。今後最も近いご開帳があるとすれば19年後の弘法大師御入定1200年の平成46年であろうか。19年後といえば自分は生きていれば72歳、四国公認先達としてバリバリ皆さんにお四国の魅力をお伝えしていればよいのだがと夢見る。

新大阪駅で10時に待ち合わせるべく6時半過ぎに自家用車で家を出た。車巡拝のお礼参りなので高野山へも車でお詣りすることとした。
新大阪駅前に9時半に到着した。ここでNさん、Hさんの昨年町石道を歩いた二人と、大峰山に同じ新客で登拝したMさんの計4人で同道である。10時、集合し高野山へ向け新大阪駅を出発した。阪神高速に乗り物静かなスマホのカーナビに案内して貰っていると、言ったか言わないかの小声で案内されたため南阪奈道に乗らねばならぬところを西名阪道に乗ってしまった。柏原で下り一般道をかつらぎ町まで走る羽目となった。
Mさんは高野山初参拝だそうだ。歓談しながら、昨年歩いた町石道の山を左手に見ながら11時半にかつらぎ町までやって来た。恐らく高野山内での昼食は混雑するであろうと思い、麓のラーメン店に入り和歌山ラーメンを食した。国道沿いにありこの地区の人気店だけに正午前でも客が多い。駐車スペースが狭く駐めにくいのが難点だ。地域の人気店だけに味は良い。

正午過ぎに店を出て、紀ノ川を渡る。渡った先の交差点にコンビニがある。昨年歩いた際に昼食を摂った店だ。Nさん、Hさんと懐かしんだ。この交差点を真っ直ぐに上るルートが西高野街道となる。矢立で高野街道と合流する。昨年、矢立の焼き餅屋は開店前だったが今日は流石に正午過ぎだけあって営業中だ。ここで歩きの人を何名か見た。やはり三連休、町石道を歩いている人がいる。

町石道と再び交差する。車道を走っているとしばらく町石がある。やはり本来、この車道が町石道だったのだろう。しかし、車の通行量が増えるに従い町石道を車道の下に着け直したのではないか?
順調に進んだが、町石道との交差点を過ぎると徐々に渋滞が始まり、大門の手前3km程からかなりの渋滞となった。新規開店の大型店舗よろしく、高野山から出る車が無ければ前に進めない状態である。カーナビの到着予定時刻がどんどん遅くなる。かつらぎ町を出たところでは1時到着となっていたものが、1時半になった。
大門で駐車しようと思ったが駐車スペースはなく横目で見ながら通り過ぎた。今年再建したばかりの中門(ちゅうもん)前は渋滞しているので壇上伽藍の北側を回り金剛峯寺前へと出た。合流でまた渋滞だ。金剛峯寺の東端で左折し、本日宿泊の無量光院(むりょうこういん)へ到着した時には1時半を回っていた。

無量光院を宿坊に選んだのは一番札所霊山寺の木下尼から、もし高野山に泊まるんだったらとご紹介頂いたからである。実はその前に、折角だから大峰山メンバーで宿泊するのだったらと役行者霊跡寺院の巴陵院(はりょういん)に予約を入れてみたのだが、宿坊は止めてしまったと断られていた。
無量光院の門前で駐車場は何処だろうと戸惑った。門の向こうを見ると境内に車が駐まっている。何所か他の場所に入口はあるのか車を進めたが、両隣には他の僧坊が軒を連ねており入口はなさそうだ。


無量光院 山門

再び門前に戻って車を駐め訊いてみると門から入るようにとのことだ。門までは緩い石段となっている。しかも門は狭い。中を見るとクラウンが駐まっているので自分の車も充分入れるということだ。ミラーをたたんで慎重に境内へと入った。山内の駐車場は尽く満車となっているのだが、宿坊を予約しているので駐車の心配は無い。


無量光院

チェックインは3時以降とのことだったので、必要な物だけを取りだして壇上伽藍など参拝に出た。

無量光院から壇上伽藍までは歩いて10分とかからない。途中に”世界遺産劇場”の張り紙がある。JTBの企画でイベントが行われているようだ。


会場案内

昨日と本日、MISIAさんのコンサートを壇上伽藍で行われている。3時開場、4時開演とある。ネット検索すると、日本各地の世界遺産で様々なアーティストでイベントを行っているようだ。壇上伽藍の金堂と根本大塔、御影堂の間に仕切を設けてコンサート会場としている。
17日の心星さんのブログを拝見すると、この日は島谷ひとみさんのコンサートとあった。様々なコンサートが催されているようだ。


壇上伽藍へ


奥の院一町石とキャンドル


コンサートの看板

昨年、開創1200年に併せて建設途中だった中門が完成していた。中門を眺めてから金堂へ向かった。納経所を見れば行列だ。こんなに列をなしているのは初めて見た。


完成した中門

中門の四天王


多聞天(毘沙門天)


持國天


増長天


廣目天

特別拝観だから普段よりも高い拝観料を覚悟していたが、何と無料で拝観出来る。8度目(結願御礼は7度目)にして初めて金堂内部を拝観させて頂いた。


金堂とコンサート会場

御本尊は金色かと思っていたが白木である。明治から昭和初期を代表する彫刻家・高村光雲氏の手による大きな薬師如来坐像である。が、左手に薬壺(やっこ)は無く右手も施無畏印ではない。ちょっと珍しい薬師様である。金堂は昭和元年、失火により焼失した。その後、昭和9年に再建され、その際に高村光雲氏に依頼して御本尊が据えられた。ご開帳は再建以来初めてである。なお、今年4月2日から5月21日までの間にもご開帳されている。貴重な秘仏を拝ませて頂いた。今回のご開帳は11月1日までとなっている。参拝しなかったが根本大塔も無料拝観が行われていた。小雨はパラついているが傘を差すほどではない。


高野山の守護神を祀る御社

壇上伽藍の御社(みやしろ)、西塔なども参拝し、金剛峯寺へと向かった。

(つづく)