讃岐国巡拝5月3日 81番~結願、別格満願 | しこくあるく

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四国霊場歩き遍路の記録を中心に、寺社巡りや城郭探訪など旅の日記と徒然の感想を書き連ねています。

いよいよ開創1200年巡拝も結願と満願の日を迎えた。別格二十霊場は満願という。出来れば当日中にどちらの一番札所にもお礼参りに行きたい。正午頃に大窪寺を終えなければ難しいだろう。
時間に追われる遍路行となりそうだったので、今回も申し訳ないがお接待は用意しなかった。

五色台からなので5時半に出ても7時には着くのだが、途中で朝食を摂ることも考えて昨日同様5時に家を出た。6時、坂出に着いた。林田町のコンビニで朝食と昨日飲み損ねたドリップコーヒーを摂った。
五色台へと上り6時40分、白峰寺駐車場に着いた。山門は閉まったままだ。悲劇の帝、崇徳天皇白峰御陵にお詣りし、白峰寺へ参拝した。


崇徳天皇陵


白峰寺 本堂

7時過ぎに一番乗りで納経印を頂いた。

次いで根香寺を参詣した。どのお寺にもその日の打ち始めの方が必ずおられる。根香寺も到着すると打ち終えてお寺を出る参詣者の姿があった。


根香寺 山門

このお寺は緑深く殊に新緑の参道が美しい。

根香寺から一宮寺へカーナビは一旦、香西へ出て街中を走るコースを案内する。歩きの際に覚えた鬼無へ抜け、檀紙、円座を通るルートを走った。距離的にはこちらの方が近い。
一宮寺へは8時過ぎに着いた。


一宮寺 本堂

いつも大師堂ではお経の際に磬を一つ鳴らして頂けるのだがこの日は他の参詣者も同様に何故だか磬の音は無かった。

晴のち曇の予報だったが朝のうちから、もう雲がかかって薄日程度の日差しである。暑くなくてよいが。9時前、屋島寺に到着した。屋島ドライブウェイは消費税アップで20円高くなっており、630円となっていた。来年10月には更に10~20円上がるのだろう。


屋島寺 本堂扁額(本堂は国の重要文化財)

屋島寺は善通寺と並んで観光も兼ねての参詣者が多い。参詣者が多いと言えば松山市の51番石手寺もそうだ。もっとも、石手寺は地元の方が多いように思う。

屋島寺を打ち終えて山を下り、今度は五剣山へと上がる。八栗寺は弘法大師がここで虚空蔵求聞持法を行った際に蔵王権現様が出現したとされる修験道の霊地である。その際に5本の剣が降ってきたので山の名を五剣山と言う。


八栗寺 大師堂

本堂左の石段を登ると天狗を祀った中将坊大権現がある。この度7度目にして初めてお詣りした。


八栗寺 中将坊大権現

歓喜天様をお祀りする聖天堂は中に入ってお詣り出来るので、ここも初めてお堂の中に入ってお経を上げた。納経所で古いお札を返納し新しい歓喜天様の護符を頂いた。結局、先を急がねばと思いつつも八栗寺には小1時間滞在した。

10時半過ぎ志度寺に到着した。


志度寺 本堂(国の重要文化財)

本堂と大師堂にお詣りし納経所へ向かおうとすると、キョロキョロと辺りを見回す歩きの方がおられた。声を掛けると本堂が分からないご様子なのでお教えした。今日は長尾寺まで打ち、翌日結願だそうだ。翌日の天候は悪そうだ。降っていなければ女体山越え、降雨ならば旧遍路道を歩く予定だそうだ。いよいよこの方も結願である。区切り打ちで数年を要したそうだ。感慨一入だろう。ご無事の結願を祈った。
納経所ではゴールデンウィークで参詣者が多いため行列となっていた。自分の後ろにデイパックを背負った女性が並んだ。順番まで少し話した。最初は歩いていたのだが仕舞いには交通機関を利用してのお遍路だそうだ。「こうしてお話しするのは楽しいものですね。」とお互い話した。

11時15分過ぎ長尾寺に到着した。いよいよ結願手前のお寺である。


長尾寺 境内

読経にも力がこもって行く。この調子だと正午過ぎには結願だろう。

長尾寺を後に開創1200年巡拝結願の大窪寺へと向かった。12時、大窪寺に到着。門前の八十八庵に車を駐めて参詣した。本堂、大師堂とお詣りし12時20分に7度目の結願となった。


大窪寺 本堂


大窪寺 大師堂の卒塔婆
弘法大師の言葉”虚空尽き 衆生尽き 涅槃尽きなば 我が願いも尽きん”が書いてある

納経所の男性から「お疲れさまでした。」の言葉を頂いた。このお寺でこの様な労いの言葉を掛けて頂いたのは何度目だろう。

駐車した八十八庵に入り昼食を摂った。7度目にして初めて打ち込みうどんを口にする。ゴールデンウィークの昼とあって店内はごった返している。歩きの男性3人と相席となった。これもご縁だ。3人とも通し打ちだ。お祝いを述べた。区切り打ちで昨年結願したことを話すと、口々に区切りの方が大変だと言って頂けた。自分の正面に座られた方は3度目の歩きで38日での結願だ。早いですねと話すと、最初は31日、2回目は32日、段々遅くなっていると言われた。でも38日でもなかなかの早さだと思う。正面の方と左隣の方は愛知から、左斜向かいの方は栃木からだそうだ。正面の方以外は初遍路である。愛知のお二人はここからバスを待って帰路につく。栃木の方は高野山へと向かう。どうせなら町石道を歩くことをお勧めした。お3方はジョッキで乾杯。自分は車なのでそうはいかない。結願を迎えて一応に安堵の表情である。自分は5時ギリギリでせっつかれての結願だった。

12時50分、大窪寺を出て別格二十霊場満願の寺、大瀧寺へと向かう。大瀧寺はかなりの山中にある。一旦、塩江まで行きそこから山道を上った。途中、歩きの方とすれ違った。流石に別格二十霊場まで歩きで回られる方は数少ない。

1時半、大瀧寺に到着した。駐車場には車が一杯だ。しかし参拝者は2人しか居ない。境内には八重桜が満開である。山中なだけに開花時が遅い。


八重桜と大瀧寺

本堂、大師堂と別格二十霊場2度目の満願の読経を行った。大師堂は集会場を兼ねており地元の方々が寄り合っている。駐車場に車が多かったのはこの為だ。昼食が終わって歓談している様子だったが大師堂の読経が終わる頃にお開きとなり三々五々帰ってゆかれた。2時前、別格二十霊場の満願となった。打ち終える頃、雨がポツリポツリと降り始めた。

国道193号の夏子(なつご)ダム付近へと下りて行く。こちらの山道の方が広い。初めて大瀧寺を参詣した際にはこちらから上った。今回、カーナビは塩江から上がるルートを示した。願行成圓のお礼参りに別格1番大山寺と1番霊山寺へと向かう。大瀧寺から大山寺までは45kmほどある。小雨の中、国道193号を南へ進み脇町へと出て東へと向かう。

大山寺には3時20分に着いた。霊山寺ではお願い事があるので、なるべく早めに霊山寺へと到着したい。


大山寺 本堂

満願お礼の読経は開経偈、般若心経、御本尊ご真言、光明真言、大師宝号、回向と簡素に唱えた。それもかなりの早口で。満願お礼にしては心が込もっていないな。心の中で御本尊とお大師様に詫びた。納経所で願行成圓の納経印と満願大師の護符シールを頂いた。

僅か10分ほどで大山寺を打ち終え、霊山寺へと向かう。ゴールデンウィーク中であるせいか、すれ違う車が多い。所々道が狭く離合に苦労した。大山寺から霊山寺までは15kmほどである。

4時過ぎに霊山寺に到着した。小雨が降り続いている。相変わらず駐車場に車が多い。本堂、大師堂で簡素な読経を行った。


霊山寺 大師堂

納経所で願行成圓の納経印を頂き、霊山寺までのお礼参りを何とか終えることが出来た。古札を返納した。この時、公認先達の申請を行った。申請はご縁のある1番さんでと常々思っていた。昨年、歩き終えた際に申請すればよかったが、まだ徳島駅まで歩かねばならなかったのでお願いはしなかった。今回はお願いしようと誓って家を出た。申請が通るかどうかはお大師様次第だ。今年末には晴れて公認先達となれるだろうか?

ともあれ、一日でお礼参りまで済ませることが出来た。

出会い、無事の結願・満願とお礼参りに感謝。
南無大師遍照金剛