幸せはカタチを探さない

今週はひろこちゃんの仕事が休みだった時に
荒川自然公園に散歩に行きました。

ひろこちゃんは、空気がいい自然のあるところが大好きで
朝起きたら、すぐに窓を開けて外の空気に触れている。

私は町屋へ滞在するようになって
近所にはどんなお店があって、日常的にどこで買い物をするのがいいのかということに没頭していたから

公園という発想はなかったので
誘ってもらってちょうどいい機会でした。

木を見上げながら枝に手を伸ばすひろこちゃん。

「こういうの、登りたくなっちゃうんだよね。」

公園内には、白鳥が泳いでいたのだけれど
「飛び立って逃げていかないように羽を切ってあるんだって」と
ひろこちゃんが教えてくれました。

もともと、浄水場の上に作られたその公園…

その場所を自然公園と名付けているその意味について考えてしまい
私の中になんだか切なさが込み上げていました。

誰もが親しめてほっとできる憩いの場所が必要だとできたであろうその公園…

今もその美しい状態を保つように
いつもお手入れしてくれている方々もいて。

その憩いの場にやって来て人はみんなきっと癒やされていて。

でも、いろんな犠牲があって作られた場所。

昔の東京は、自然の多い場所だったそうですね。

公園のベンチに一緒に座りながら、

最初は同じ向きに座っていたはずが、いつしか

「shihoちゃん、こっちの景色の方がきれいだよ」

と、反対向きになっていたひろこちゃんがいて

振り返って見ると、
確かに反対側の方が公園らしい自然の景色でした。

その反対側の私の目の前に広がっていたのは
柵越しに誰もいない野球のグラウンド。

本当はそこに人がいるはずのその場所…

そんなところを眺めていたら、なんだか人を感じられるような気がしていて。

だから、私は、街の生活圏が気になって仕方がなかったんだなと。

「確かに、自然の景色としてまとまっていて美しいね。
　私が見ているこの方はなんだか広がりを感じて。」

と私。

未来を思い描く子供たちは
今、どんなことを感じながら過ごしているのだろう。

「人って、本当に見ている世界が違うんだね。
　美しいと感じるものは、人によって違うんだよね。」

と、お互いが何に意識が向いているのか
ということの違いを感じていた瞬間でした。

「本当に１番美しいのは人だよ」

ひろこちゃんは、そう言っていました。

ベンチに座りながら餌を求めてやって来た鳩に
あげられる食べ物が何もなくて…

鳩の一生に疑問を持ったことがあったことなども
ひろこちゃんに話しながら

「人に生まれてきた意味ってさぁ…
　日本人に生まれてきた意味ってさぁ…」

なんていう答えの出ない話にもなっていきました。

帰ってくる途中の駅前商店街は
日中のランチ時にもかかわらず
人を感じることができず
今の社会の厳しい現実を肌で感じていました。