競艇 | 膵臓癌と闘うおはぎときなこのブログ  絶対3%に入ってやる!

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39歳で膵臓癌と告知されたおはぎとその親友きなこのブログです。
2人とも看護師ですが、おはぎは患者さんの立場になり、きなこはその家族のような立場になりたくさんのことを学びながら日々格闘しております。
きまぐれ闘病記ですがお気軽にご覧下さい。

こんばんは
きなこでございます

病院の前の日はどんなに疲れていても眠れません
困った性格ですね

朝からずっと雨雨雨雨
さらに気持ちが沈みそうですダウン

今日も朝のお決まりのコーヒーコーヒーを淹れて飲みながらぼ~っと物思いにふけっていました。
その時にふっと思い出した事を書いてみようと思います

私は看護師をしています。
ずっと緩和ケアや看取りの看護を勉強してきました。
その中で、今でも忘れられない事があります。

身寄りのない患者さんが入院されました。
真面目に働いてきたその人は、どんな理由かはわからないけれど、公園で生活されている方でした。
倒れているところを発見されて、救急車で搬送されて、私が働いていた病棟へ入院されました。
入院すると、直ぐにケースワーカーが身元を調べ(どうやって調べているかわからないけど、毎回本当に分かってしまうんです。)身寄りがないという事でしたが音信不通のご兄弟がいる事もわかりましたが、関わりたくないとの返事。
公園で生活されていたという事で、入院費を確保するために生活保護の申請の手続きをしようとしていた時に、年金受給できる事がわかり、早急に手続きをとっていただけました。
過去の分も受け取る事が出来て、まとまったお金が入り、アパートを探し、生活が出来るところまで、ケースワーカーさんが整えてくれました。
患者さんは安心して治療を受けられ、手術をして、化学療法を受け、退院する事が出来ました。

何度か化学療法の為に入退院を繰り返して、頑張っていました。
全身状態の悪化もあり、両足がリンパ浮腫でパンパンになり、脊髄にも癌が浸潤していたので、日に日に歩けなくなっていきました。

私はその患者さんの笑顔が大好きでした。
身体を拭きながら、
「ねぇ⚪️⚪️さん、今さ1番したい事って何?」
って聞くと、
「もう無理だと思うけど、競艇がしたい。」
っと。そこからはいっぱい競艇について話してくれて、いっぱい笑いました。
その日のカンファレンス(患者さんの情報を持ち寄りスタッフみんなで話し合う会議のようなもの)でその患者さんの希望をなんとかして叶えられないかと提案しました。どうしても連れて行ってあげたかったんです。
ずっとベットの上で天井を見ながら過ごす日々から1日でもいいから抜け出して、あの笑顔が見たい。そう思ったから...必死でした。
特別扱いと言われれば確かにそうかもしれません。
身寄りがない人は誰が希望に応えてあげられんですか?看護師として、叶えてあげたいと思うのは間違っていますか?と言い続け、主任さんが
「素晴らしい。みんなで叶えてあげよう。責任は全て私が持ちます。」
と。嬉しかった....
長も先生の許可があればいいと言われたので、先生にも話して、快く外出の許可を頂きました。

当日...頑張って仕事を終わらせ、
「⚪️⚪️さん競艇に行くよ~着替えて!!」
と驚かせ、競艇と聞いた患者さんは満面の笑顔。
5人の看護師と、病棟担当の事務の男性が一緒に行ってくれました。(みんな有志として手伝ってくれました。)私が車を出し、車椅子も乗せて出発。
身障者の駐車場に停めようとしたら、身障者マークのない車だったので警備員さんに怒られてしまいましたが、事情を話したら理解して頂けて停めさせてくれました。
競艇なんて私にとっても初めての事。
患者さんにやり方を聞いて、語ってる時の笑顔は今までに見た事もないくらいのものでした。
みんなそれぞれが1000円握りしめてチャレンジ。
みんなが勝ちました。周りの目も気にせず大騒ぎ。
患者さんは、
「ありがとう。ありがとう。まさかこんな状態でまた競艇場に来れるなんて思ってもみなかった。ありがとう。楽しかった。」
本当に満足してくれました。
その日から2週間くらい、いつも笑顔を絶やさず頑張られ、お亡くなりになりました。

私は特別扱いしたのかもしれません。
間違った事をしたのかもしれません。
1人善がりの看護をしたのかもしれません。

患者さんの笑顔には嘘はなかったと思います。

いつも全力で生きたいと頑張る患者さんに対して、私もいつも全力で寄り添いたい。

おはぎの笑顔を見られるなら、どんな事でもしたい。

決意新たにした朝でしたグッド!

タイトル「競艇」に期待されて読まれた方がいたら期待はずれのBlogだったかもショック!
ごめんなさいにひひチョキ




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