カム ナガラ
エヒメ サヌキ ヂ アワ トサ ヂ
アメノ オシ コロ オキ ミツゴ
ツ クシトヨ ワケ ヒノ クニ クマソ
イヤ シロ チバ イキツ サキ ヨリ
イヤ シロ コト サトリ
かんながらの道
惟神(かんながら)とは古神道の精神をいいます。それは、神とともにあること、神のこころで生きることであり、神人一体となることです。惟神の道とは、自分の内なる神と、大自然を創造した神とが、相似であることに気づくことでもあります。私たちは直霊(なほひ)である神から生命の光を受け継いだ分霊(わけひ)であり、古神道ではカミと人間は親子のような関係になります。そして、その人の本体である直霊と人間とは目には見えないエーテルコードでつながれています。
神々によって生み出された島々
この宇宙が誕生したあと、私たち人間が住むこの世界はどのようにして創造されたのでしょうか。古事記では、天地開闢(てんちかいびゃく)の際、神世七代(かみよななよ)の神々である伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)の二柱の神が、別天津神(ことあまつかみ)の神々に混沌としている大地を完成させよと命じられ、天と地を繋ぐ天上の浮き橋である天の浮橋(あめのうきはし)に立ち、別天津神の神々から賜った天の沼矛(あめのぬぼこ)をその混沌とした大地の中に入れてかき混ぜ、引き上げたところ、その矛先(ほこさき)から滴り落ちた雫(しずく)が積もり、淤能碁呂島(おのころじま)が誕生しました。
言霊によると、淤能碁呂(オノコオ)には「おのずから凝り固まる」という意味があります。この後、伊耶那岐と伊耶那美は淤能碁呂島(オノコロシマ)で結婚し、大八島国(オオヤシマクニ)という八つの国々と、たくさんの神々を生み出しました。大八島国は次の順序で生まれました。
1.淡道之穂之狭別島(アワジノホノサワケノシマ)
2.伊予之二名島(イヨノフタナノシマ)
3.隠伎之三子島(オキノミツゴノシマ)
4.筑紫島(ツクシノシマ)
5.伊岐島(イキノシマ)
6.津島(ツシマ)
7.佐渡島(サドノシマ)
8.大倭豊秋津島(オホヤマトトヨアキヅシマ)
1番目の淡道之穂之狭別島(アワジノホノサワケノシマ)は淡路島、2番目の伊予之二名島 (イヨノフタナノシマ)は四国、3番目の隠伎之三子島(オキノミツゴノシマ)は隠岐の島、4番目の筑紫島(ツクシノシマ)は九州、5番目の伊岐島(イキノシマ)は壱岐島、6番目の津島(ツシマ)は対馬、7番目の佐渡島(サドノシマ)は佐渡島、8番目の大倭豊秋津島(オホヤマトトヨアキヅシマ)は本州です。
伊耶那岐と伊耶那美による国生みで2番目に生み出された伊予之二名島は身一つに面が四つあり、そのうち伊予国を愛比売(エヒメ)、讃岐国を飯依比古(イヒヨリヒコ)、阿波国を大宜都比売(オホゲツヒメ)、土佐国を建依別(タケヨリワケ)といいます。カタカムナウタヒ第33首では、エヒメ、サヌキ、アワ、トサという言葉で歌われています。
3番目に生み出されたのが天之忍許呂別(アメノオシコロワケ)で、カタカムナウタヒ第33首では、別名である隠伎之三子島が続きます。
4番目に生み出されたのが筑紫島です。筑紫島は身一つに面が四つあり、そのうち筑紫国を白日別(シラヒワケ)、豊国を豊日別(トヨヒワケ)、肥国を建日向日豊久士比泥別(タケヒムカヒトヨクジヒネワケ)、熊曾国を建日別(タケヒワケ)といいます。これらの国名はそれぞれ九州、大分、熊本、鹿児島(現在の熊本と鹿児島の境目)を示しています。
五十音表を見てみると、神々が住まう場所(高天原・タカアマハラ)にまつわる言霊は一番上の「ア行」であり、伊邪那岐と伊邪那美が生み出した地上世界(淤能碁呂島・オノコロ)は一番下の「オ行」であることが興味深いです。天の世界と地の世界、それぞれに音の響きが違うのも、言霊の特徴のように思います。
高天原(たかあまはら)
タカアマハラ
↓
ワラヤマハナタサカア
ヰリイミヒニチシキイ
ウルユムフヌツスクウ
ヱレエメヘネテセケエ
ヲロヨモホノトソコオ
↑
オノコロ
淤能碁呂島(おのころじま)
イヤシロチとケカレチ
カタカムナでは、イヤシロチ(弥盛地)とケカレチ(氣枯地)という言葉があります。
支那事変(日中戦争)が勃発する頃の1936年(昭和12年)、当時38歳だった楢崎皐月氏は、陸軍の東條英機に熱心に頼み込まれ、ノモンハン事件(満州国とモンゴル人民共和国の国境線をめぐる紛争)等で苦境に立たされた軍隊が必要としていた特殊な鉄の技術開発のため、満州吉林にある陸軍製鉄技術試験所の所長に就任しました。
赴任先で楢崎皐月は、いくつかの異なる場所で小規模の実験用溶鉱炉を稼働させました。そこで、ある不可思議なことに気づきました。それは、同じような溶鉱炉で同じ原材料を使い、同じ製法で作られる鉄の仕上がりが、溶鉱炉を設置した場所によって品質に著しい違いがあるというものでした。もともと直感の鋭い楢崎皐月は、高品質の鉄製品を生み出す溶鉱炉のまわりに樹木や植物が青々と茂っているのに対し、低品質の鉄製品を生み出す溶鉱炉のまわりには雑草すらも生えておらず荒れ地の中にあることを突き止めました。楢崎皐月は、鉄が結晶する環境と植物作用が生育する環境には目には見えない何かがあり、それが仕上がりに作用しているのではないかとひらめいたのです。
さらに楢崎皐月は、樹木や植物、農作物のよく育つ優勢地帯と、不毛な荒れ地となる劣勢地帯とが、ある特殊な規則性をもって並んでいることを発見しました。それは、網の目のようになっていて、一定のパターンで配列されているだけではなく、大地を流れる電流の分布が、その規則的な配列に対応していると見当をつけ、戦争が終わって日本に帰国後、全国各地の大地を流れる電流を測定して回りました。この実験中に、古神道の老師から授かった巻物に書かれていたものが現在カタカムナと呼ばれている八鏡の文字とその配列です。
弥栄(いやさか)という言葉があります。これは、弥(いよいよ)栄えるという意味です。カタカムナでは、生命力を盛んにしてくれる土地をイヤシロチ、その反対に生命力を弱めるような氣の枯れた土地をケカレチといいます。イヤシロチはヤシロ(神社を意味する言葉)とも関係があり、イヤシロチには古い時代から神社が多く建てられています。一方、ケカレチには古い時代から墓地が多く残っています。イヤシロチとケカレチは、風水や龍脈、磐座(いわくら)、レイラインとも関係があります。