ヒマラヤ山脈のある地域では、ゲンチアナ(リンドウの花)はシヴァ神の化身として敬われています。高次の魂であるシヴァ神がカイラシュ山の頂上にすんでいるように、ゲンチアナもまたエーテル界の高みに生育しています。北インドとカシミールではゲンチアナの花はニルカンタ(青い山)または青い喉と呼ばれていて、ニルカンタはシヴァ神の別名でもあります。
地球が誕生した頃、神々や悪魔たちが不死の飲み物を求めて競争し、世界の海をかき回していました。すると海の底から死に至る毒が湧き出し、地球上のすべての生物を殺してしまうほどの恐ろしい状況となりました。そのとき、長い瞑想から目を覚ました最高神が、毒の液体を飲み干すことで世界が消滅することから救いました。そして毒を飲んだ最高神の喉は青く色づき、飲んだときに地上にこぼれ落ちた数滴は毒蛇に変わりました。そしてそれ以外の青い液体は、恵み深いシヴァ神のように、すべての毒も清めることができる美しい花となりました。
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ゲンチアナが秘めている魂は、神と信仰です。
●ゲンチアナの性質がマイナスに現れたとき
ゲンチアナが秘めている魂は、神と信仰です。これは、宗教的な意味における神ではなく、高次の秩序としての神、あるいは高次の自己の導きにつながる神を意味します。このような神の存在と切り離されている人は、自分のことや世の中のことについて、ネガティブな側面を見るたびに失望したり落胆したりします。例えば、試験の結果が思わしくなかったり、仕事がうまくいかなかったり、順調に回復していた病気がふたたび悪化したりすると、それまで思い描いていたポジティブな世界が一瞬にして崩壊するイメージを持つことになります。
ゲンチアナは、理由がはっきりしている失望や落胆にポジティブなエネルギーをもたらしてくれます。例えば、愛するペットの死、長く続けていた仕事の失業、両親の離婚、老人ホームに入れられたお年寄りの心情、学校がつまらなくて行きたくなくなった学生、大切なものが壊れたり失ったりしたとき、異性に振られたときなど、さまざまなケースに対応します。
●ゲンチアナの性質を持つ人
無意識のうちに高次の自己の導きを否定し、自分を大いなる全体の一部とみなすことができません。ただひとつの源から自分を切り離し、パーソナリティ(人格)だけで物事を認識しているのです。そして、自分の頭の中だけですべての事柄を把握しなければならないと考えています。このような人は、物事をよく考え、分析し、状況をよく把握していますが、この思索活動は、自分にとって思わしい結果になることもあれば、思わしくない結果に終わることもあります。
疑いを持つと否定的なエネルギーが生まれます。ゲンチアナの性質を持つ人は、何かに疑いを持つことで、本人だけではなく、大いなる全体にも否定的なエネルギーを与えていることに気づいていません。
●ゲンチアナで得られる目覚めた状態
エドワード・バッチは、厭世観、懐疑心、悲観論といったサタンの波動を調和するのはゲンチアナの花が発する力だと確信しました。ゲンチアナのお花のエネルギーに助けられて、ふたたび高次の自己とのつながりを取り戻した人は、いっけんネガティブに思えるようなことも、失望することなく見据えることができます。そして、大いなる全体の秩序の中にあるポジティブとネガティブの両側面には意味があり、その両方が必要なものであることを無意識に気づかせてくれるようになり、暗闇の中でも光を見つけることができるようになります。
〈参考文献〉
メヒトヒルト・シェファー著「バッチの花療法」フレグランスジャーナル社
メヒトヒルト・シェファー著「魂の植物」フレグランスジャーナル社
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