私たちが存在する物質世界では、ありとあらゆるものが二元性や二極性をもっています。私たちの肉体は常に、両極のどちらを選択するか迫られ、決断を下すときに緊張したり、決断した結果によって嬉しい方向に進んだり残念な方向に進んだりと、さまざまな感情が誘発されます。このような物理世界を生きていく中で、受動的、あるいは内面的な性質をもつ人は、迷うことが多く、何かを決めることが苦手に感じるでしょう。
性格が柔軟な人や優しすぎる人は、陰の極性(女性性)をもっていることが多いため、陽の極性(男性性)のエネルギーを補い、陰陽のバランスを取ることで、自分がこの物質世界に肉体を持って存在していることをしっかりと感じられるようになり、もっと深く、能動的にこの世界と関わるようになります。バッチフラワーレメディの中にあるスクレランサスのお花は、この作用をもちます。これは、何かを決断するということに対する恐怖のエネルギーではなく、柔軟性にまつわるエネルギーに対応するものです。
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スクレランサスが秘めている魂は、意志の強さです。
●スクレランサスの性質がマイナスに現れたとき
スクレランサスのエネルギーがマイナスに現れた状態では、まるで左右に揺れている振り子のように、両極端を揺れ動きます。例えば、休みの日に山に登ろうと思ったあと、やっぱり家でゆっくりしたいなと思ったり、素敵だと思う洋服を買おうとしたあと、やっぱり自分には似合わないかなと思って商品を棚に戻したり、自分の気持ちが極端から極端へと揺れ動き、あることが天国かと思えば地獄のように思えたり、非常に行動的なときもあれば急に無気力になったり、あることに関心を寄せたと思えばすぐに関心がなくなったりします。このように、気分にムラがあったり考えがコロコロ変わったりすることで、他人から不安定な人や信頼できない人と思われることもあります。
●スクレランサスの性質を持つ人
エドワード・バッチは、スクレランサスの性質がマイナスに現れることについて、優柔不断というキーワードを使いました。そして、困ったことや苦労していることを他の人に話すことなく、自分ひとりで背負ってしまう物静かな人という認識を持ちました。また、スクレランサスのエネルギーがマイナスに現れる人は、乗り物酔いがあったり、内耳に異常をきたすという不均衡が身体に現れたりすることがあります。また、コロコロと変わりやすい気分だけではなく、便秘と下痢、平熱より高めの体温と低めの体温、過食気味と拒食気味といった身体の極端な状態のあいだを行ったり来たりすることもあります。
スクレランサスのタイプの人は、高次の自己が自分を導いてくれることを認めていません。その結果、魂が目指している目的に人格レベルの自己がつながりを持つことができません。高次の自己と人格レベルの自己とのつながりがあれば、自分の人生において歩む際に尺度と方向性が与えられ、ひとつひとつのことについて意志をもって決断を下すことができるようになります。このような自分の魂の存在に対するはっきりとした認識がない限り、この物質世界につきまとう二元性に翻弄され、外側の影響に振り回されることにエネルギーを費やしてしまいます。この時、人格レベルの自己の成長も止まってしまい、何をするために生きているかがわからなくなり、本来生きるべき人生を生きることができない状態になります。
●スクレランサスの性質がプラスに現れたとき
スクレランサスのエネルギーがプラスに現れた人は、内面に意志の強さがあらわれ、瞬間瞬間でしっかりと決心をすることができます。そして、バランスを失わずに綱渡りをしている人のように、自分の未知なる人生にも新たな可能性にもどんどんチャレンジして取り込んでいく能力を持つことができるようになります。
(メヒトヒルト・シェファー著「バッチの花療法」フレグランスジャーナル社より)
〈参考文献〉
メヒトヒルト・シェファー著「バッチの花療法」フレグランスジャーナル社
メヒトヒルト・シェファー著「魂の植物」フレグランスジャーナル社
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