英語で impatience(インパチエンス)とは、短気、性急、せっかち、いらいら、じれったさ、我慢できないこと、焦り、などを意味します。もとはラテン語の impatiens で、in-(否定的)とpati(耐える)が組み合わされた言葉です。
インパチエンスと名づけらたお花は、日本ではホウセンカと呼ばれ、ヒマラヤが故郷です。かつてこの花は、東アジアにおいて、魔除けに使われていました。種子が入っている鞘(さや)を触ると、爆発するように勢いよく種子が飛び出すことから、「私から離れろ!」という、まるで警告を発するような花言葉がつけられています。
エドワード・バッチは、ウェールズで放浪の旅をしているとき、ウスクの岸辺でこの花と出会い、マーキュリー(火星)の性質を感じました。そして、これをフラワーレメディとして使うことで、「焦燥、性急、短気」といったマーキュリーのネガティブな特性が中和され、忍耐を持った思考や行動、相手への許し、すべてにおける優しさなどがあらわれるとしました。
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インパチエンスが秘めている魂は、忍耐です。
●インパチエンスの性質がマイナスに現れたとき
頭の回転が早いことから、自分のまわりの人たちの行動がスローペースに見え、イライラします。内面ではフラストレーションを感じながらも、仕方なく他の人たちの生活リズムや仕事の遅い人のペースに合わせています。また、ペースだけではなく、自分よりも低いエネルギーのものに合わせるときは、ネガティブな感情によって自分自身が消耗するような感覚になります。また、インパチエンスのエネルギーがマイナスに現れている時は、エネルギーが高揚し、普段より思考力が活発に働きます。そのため、人と会話をするときは早口になり、何にでも即座に反応し、即断即決します。このような時も、緊張感により、心身のエネルギーが消耗しやすくなります。
●インパチエンスの性質を持つ人
インパチエンスのタイプの人は、バインのタイプの人のように、他の人の先頭に立ちたがるわけではなく、誰からも干渉されず、完全に自分のペースで物事を進めたいと思っています。このことからインパチエンスのタイプの人は自立している人が多いです。自立すること自体はよいのですが、すべてをひとりでやる癖がついてしまい、孤独に陥り、淋しさを感じることもあります。
●インパチエンスで得られる目覚めた状態
インパチエンスのフラワーレメディを飲むことによって、それまで火のような性質だった人が、水の要素も持つことになります。感情が細やかになり、他者の気持ちを共有することで、たとえ相手の行動がスローペースに見えても、相手に合わせてゆっくり待つという忍耐を持つことができるようになります。そして、すべての人々が大いなる全体の一部であるということに気づき、その中で人はみな性質が違うということを十分に理解し、ペースが遅い人も、自分より能力が劣っているように見えてしまう人も、みな支え合いながら生きていることを知り、この世界に人とつながっていることの喜びや楽しみを感じることができるようになります。また、自分の頭の回転の早さや見事な決断力を多くの人に役に立つような良い形で使うことができるようになり、自分自身が大いなる全体の一部として存在することになります。つまりこれは、頭で生きていたことを、心で生きていくことへとシフトすることでもあります。
〈参考文献〉
メヒトヒルト・シェファー著「バッチの花療法」フレグランスジャーナル社
メヒトヒルト・シェファー著「魂の植物」フレグランスジャーナル社
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