大阪から路線バスを乗り継ぎ、2019年10月に福井駅前に達しました。
今回はその続き。福井駅前から小松駅前までのバス乗継旅、第四話です。
・大阪をスタートしたときの記事はこちら ⇒ [リンク]
・前回のお話(あわら湯のまち駅⇒吉崎別院前駐車場)はこちら ⇒ [リンク]
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福井県あわら市の吉崎に来ています。ここは蓮如上人が坊舎を建てて浄土真宗の拠点としたところ。寺内町の真ん中に福井県と石川県の境界線が通っています。
これから乗るのは加賀周遊バス「キャンバス」といいまして、株式会社まちづくり加賀が日本海観光バスに委託して運行している観光周遊バスです。観光周遊バスは広義の乗合バスですから、私の路線バス乗り継ぎ旅での「路線バス」に該当すると思います、多分(笑)。
ちなみに株式会社まちづくり加賀という会社は、加賀市と市内の観光協会、商工会議所、旅館組合、観光施設などが共同出資して設立した会社です。↓
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/soukou-magazine/1608kaga.pdfより
で、これから乗るバスなんですが、バス停は蓮如上人記念館の敷地内に設置されています。バス停の名称は「吉崎御坊蓮如上人記念館 越前加賀県境の館」。長いですね~(笑)!
記念館入口には福井県認定博物館であることをアピールした看板が設置されています。
記念館近くの願慶寺(前回記事参照)もそうでしたが、
「ウチが本物、ウチが本家」的なアピールが目立つ町です。
そんな福井県認定博物館に石川県のバスがやって来ました。普通の路線バスに使われるような車両ですね。車掌兼ガイドさんが乗っています。先客は1組2名。
車掌さんから乗車券を購入します。1回乗車用の乗車券は無く、1日券(1100円)と2日券(1300円)から選ぶことになります。
一日券を購入。1回しか乗らないのに1100円は少々高く感じますが、観光地を巡るだけでなく観光ガイドもしてくださる点に価値があるのだと納得。
ちなみに乗車券には周遊施設の特典券が付いてきまして、これを上手く活用すれば、バス代は高く感じないと思います。
バスは吉崎の石川県エリアに入り、塩屋大橋を渡ります。大聖寺川の河口にあたる「瀬越」は、このあと通る橋立と並び北前船の寄港地として栄えました。
瀬越からは大聖寺川の右岸に沿って走ります。大聖寺川は九谷焼の里から山代温泉を経て日本海に注ぐ川です。沿道の田に水を入れ始める時期で、春を感じます。
鴨池の次は加賀フルーツランド。
桜がきれいです。南東の方角に白山が見え、石川県に入ったことを実感します。
次は橋立町です。ここは北前船で栄えたところ。
江戸時代に北前船で巨万の富を築いた船主が多く出たことから、さきほどの瀬越とともに
「日本一の富豪村」
と呼ばれたそうです。
小松市から西の海岸線が直線的であるのに対し、橋立には船溜まりに適した入り江があります。そうなると北からの船はここの港を利用することになりますね。
車窓から見る赤瓦の街並みが印象的で、ガイドさんの解説によると家屋の壁は船板を利用しているとか。昔からの船主集落は重要伝統的建造物群保存地区に指定されているそうです。
このあと尼御前岬(尼御前岬というと北陸道のSAですね)を経由して片山津温泉へ。
片山津温泉総湯というバス停で下車しました。片山津温泉は柴山潟(柴山湖)に面した温泉地。芦原温泉もそうですが、大阪から土日で旅行に来るところというイメージかな。
バス停のすぐそばには総湯という温泉施設があります。日帰り入浴施設ですね。建物はガラス張りで美術館みたい。湖の見えるカフェも併設されています。
ここから先はバスがありませんので、歩くことにします。目指すは小松バスの矢田停留所。距離は約4キロです。
柴山潟の南側の道を東へ進みます。白山がよく見えます。
温泉街を出てしばらく進むと柴山潟のジェット噴水が見えました。高さ70メートルの大きな噴水は片山津温泉の名物です。
次のバス停までの間は平坦な農地がすっと続きます。このあたりは柴山潟を干拓した土地ですね。
▲柴山潟の南の湖岸を歩いているのですが、地理院地図で見たら干拓地であることがよく分かります。
加賀三湖と呼ばれる今江潟、木場潟、柴山潟は、そのほとんどが干拓されており、そのうち今江潟は完全に姿を消しています。
柴山湖は3分の1くらいが残ってるんですね。
広い農地なので農道が縦横に通ってますが、一般車両は入れません。近道だと思って入って行くクルマが多いんでしょうね。しばらく雨が降ってなかったからか、砂埃が舞っています。
そんな農地の真ん中に駐車スペースがあり、ベンチも設置されています。
このあたりはコハクチョウの越冬地でもあるようです。
この時期、コハクチョウさんたちはもう北へ飛び立った後ですが、ベンチに腰掛けて景色を楽しみます。うーん、砂埃がすごい(笑)。
休憩を終え、歩き始めます。
矢田の町が見えてきました。住宅地の手前にコンクリートブロック建ての小屋が見えます。あれが多分バス停なのでしょう。
やはりそうでした。小松バスの矢田バス停です。発車10分前に到着。
バス停は住宅地と農地の間にあります。おそらく昔はここが柴山潟の湖畔だったのでしょう。
(訪問日2021/4/3)
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