2022年2月17日(木)、予算委員会第二分科会にて質疑に立ちました。
予算委員会第二分科会(総務省所管)
・郵便局の役割の重要性
・森林環境譲与税について (人口割の見直し等)
・EV促進による自動車税制への影響
【議事速報】
○中谷主査 次に、重徳和彦君。
○重徳分科員
立憲民主話の重徳和彦です。
今日は、総務大臣金子先生と政府の皆さんから、大きく三点、三つのテーマについて質問させていただきます。まず、郵便局の役割の重要性についてでございます。郵便局は、町中で気軽に立ち寄れる便利な拠点であると同時に、昨今、人口減、高齢化の進む過疎地の貴重なサービス拠点でもあります。全国二万四千局のネットワーク、これをもっともっと有効活用して、利用者の皆さん、住民の皆さんに喜んでいただける拠点にしていくべきだと考えます。既に様々な物販、サービス、民間ベースのですね、ことも行われておりますが、自治体との関係でも、バスの回数券とかごみ袋とか商品券といったものを販売する、そういったことも行われていると承知しております。この郵便局の拠点性を高めるためには、さらに、自治体のいわゆる窓口業務を担っていただくための環境整備をしていく必要もあるんじゃなかろうかというふうに思います。郵便局事務取扱法という法律が施行されて二十年ほどたちますけれども、法律上は、様々な証明書の交付などの行政事務の受託、いろいろできることになっております。現時点で、百六十九自治体、五百八十九の郵便局がこの行政事務の委託を受けている。それから、支所の機能を丸ごと委託するような例も出てきて、これは十五の市町村で行われているというふうに聞いております。こういったことによるメリット、住民、自治体、郵便局におけるメリットのようなものをどうお考えでしょうか。これは大臣、お願いします。
○金子(恭)国務大臣
重徳委員にはこれまでも御指導いただいておりますが、またよろしくお願いしたいと思います。今日も郵便局のこの問題を取り上げていただきまして、本当にありがとうございます。実は、昨年十二月に北海道の白老町にお伺いしまして、北海道内で初の取組であります、郵便局における自治体事務の包括受託の状況について、関係者の皆様と車座対話を実施してきたばかりでございます。その中で、こうした郵便局と自治体との連携によりまして、取組は、特に人口減少などに直面している地域において、住民サービスの向上や行政の効率化に大きく寄与しているとのお話を伺ったところでございまして、いや、これは我々のところも非常に過疎地でありますけれども、こういう郵便局の取組というのは、これは絶対参考になるなということを思ったところでございます。こうした先行事例を踏まえまして、郵便局が、自治体と連携しつつ、地域の生活インフラとして具体的にどのような役割を担っていくのかについては、御指摘の費用負担の在り方とか郵便局側の体制整備も含めて、今後検討を深めていく必要があると認識しております。総務省といたしましても、これまでも制度の整備や実証実験などに取り組んでまいりましたが、こうした検討を進めつつ、引き続き、郵便局のネットワークの更なる利活用に取り組んでまいりたいと考えております。
○重徳分科員
熱の入った御答弁、ありがとうございます。一方で、先ほど、行政事務の受託は百六十九自治体というふうに申し上げましたが、全部で千七百ぐらい自治体は、市町村、ありますので、進んでいないところも九割ぐらいあるということなんですね。これは、進まない要因というのはどのように分析をされていますでしょうか。
○今川政府参考人
お答え申し上げます。御指摘のとおり、郵便局における行政事務の受託は、現時点では、一部の自治体による先進的な取組に限られているというふうに考えております。このような取組を実際に導入していただくに当たりましては、まずは自治体側で住民のニーズをしっかりと把握をいただきまして、どのような地域においてどのような事務を郵便局に委託することが望ましいのか、綿密に御検討いただくことが必要というふうに思っております。その上で、この取組を広く普及、展開していくには、自治体における費用負担をどう考えていくか、また郵便局側の体制をどう強化していくか、そういった課題があるものと考えております。
○重徳分科員
ニーズはもちろんですけれども、費用負担とか体制整備ということ、大臣も先ほど少し言及されましたけれども、もう一歩踏み込んで、こういうことをこれからやっていくんだという大臣の御決意があれば、ちょっとお話しいただけたらと思います。
○金子(恭)国務大臣
今、部長からもお話があったんですけれども、やはり、まだまだこういう、地方にすると必要な、まあ地方に限らずですけれども、郵便局のネットワークを使うということは非常に重要なことだと思っておりますので、そういう課題も含めて、もっともっと利用していただけるように、先進事例も含めて広報していく、そして皆さん方に活用していただく。これは、郵便局側だけではなくて自治体側ですよね、これは非常に使えるのではないかと思っておりますので、更に広報も含めて取り組んでいきたいと思っております。
○重徳分科員
そうですね。広報をすることによって、郵便局の存在そのものも高まると思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。あと、これから、自治体業務のデジタル化、ネットワーク化というものがもっと進んでいくと思いますが、それによって、郵便局だって人員には限度がありますで、より円滑に、郵便局がいろいろな窓口業務を請けて、デジタル上のやり取りを通じて、いろいろなことができるようになるんじゃないかなと思いますが、その辺りの見通しはいかがでしょうか。
○今川政府参考人
お答え申し上げます。今御指摘いただきましたとおり、自治体において、行政のデジタル化は一層進展していくということが期待されております。一方、日本郵政グループにおいても、昨年五月に発表した中期経営計画、JPビジョン二〇二五におきまして、デジタルトランスフォーメーションの推進により、リアルの郵便局ネットワークとデジタル郵便局の融合を目指す方針を打ち出しております。これまでも、郵便局における事務受託につきましては、住民サービスの向上や行政の効率化などの効果が見込まれておりました。双方のデジタル化が進展することにより、郵便局と自治体の連携はより円滑になることが期待されます。例えば、マイナンバーカードを使った手続が郵便局の窓口で普及すれば、証明書の交付などの事務委託がより行いやすくなるなどの効果が見込まれます。総務省としても、今年度の補正予算を活用してこのような取組を支援する予定ですが、引き続き、制度整備や実証事業などを通じて、デジタル技術を活用した郵便局と自治体の連携が進展するように取り組んでまいります。
○重徳分科員
ありがとうございます。せっかく二十年前に自治省と郵政省が合併して総務省になっておりますので、効果をたくさん発揮していただきますようお願い申し上げます。さて、次のテーマです。森林環境税についてです。令和元年から森林環境譲与税の交付がスタートしました。実際の税というものは、今は譲与税ですけれども、実際の森林環境税は令和六年度からというふうに承知しております。これまでの市町村への配分額、使途などの活用実績について御答弁願います。
○小坂政府参考人
お答えさせていただきます。森林環境譲与税につきましては、令和元年度に譲与が開始され、現在三年目となっております。その使途は、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律におきまして、森林の整備に関する施策及び森林の整備の促進に関する施策と規定されております。その範囲で、地域の実情に応じた取組が進んできているものと考えているところでございます。具体的には、令和二年度におきましては、市町村数でいいますと、森林整備関係の取組を実施した市町村が約七割、木材利用関係の取組を実施した市町村は約三割となっておりまして、例えば、森林経営管理制度に基づく森林所有者への意向調査や、間伐の実施、都市部と山村部が連携した木材利用、普及啓発の取組等が行われているところでございます。一方で、令和元年及び令和二年度の市町村への譲与額は合計で五百億円となっておりますけれども、そのうち執行されたものは約五割、二百二十八億となっており、残りは市町村で基金に積み立てられているというような状況になっているところでございます。農林水産省といたしましては、この譲与税について、森林整備などに計画的に活用されるよう、全国いろいろな優良事例が出ていますので、そういったものを収集、共有し、市町村の説明会等に職員を派遣して対応するなど、また、地域林政アドバイザーということで市町村の体制強化を図るとか、そういった取組を引き続き進めてまいりたいと考えているところでございます。
○重徳分科員
ちょっと一部報道で、五百億円これまで配分されたけれども、半分は基金に積み立てられているだけだというような、ちょっと意地が悪いというか、現状を厳しく指摘した報道も見られるわけです。私としても、森林環境税を推進してきた立場としましては、半分以上基金ですでは、これはもうこれから持続できないような制度になってしまいかねないというある種の危機感を持っていますが、基金がたくさん積み立てられているという、この要因をどう分析されていますか。
○小坂政府参考人
お答えいたします。報道にあるように、基金に五割積み立てられているところでございますけれども、市町村に聞き取ったところ、例えば、今後、森林整備に本格的に活用するんだ、でも現在は、森林所有者の意向調査とかそういう準備段階であるため執行額が少ないであるとか、さらには、譲与額が少ない市町村においては、複数年分をまとめて執行するんだ、そういったような回答がありましたので、実態としては、そういうところが原因になっているんじゃないかなというふうに考えているところでございます。
○重徳分科員
森林環境税は必要だと私は非常に思うものの、一方で、目的税というのは、常に、本来使われるべきではないところに使われているだとか、あるいは、今の話みたいに、基金に積んであるだけで全然使われていないとか、常にそういう厳しい批判にさらされるものであります。したがって、森林整備あるいは木材利用などの目的に沿った使われ方がきちっとされるように、林野庁からもしっかりと、リーダーシップを取って、発揮をしていただきたいというふうに思います。本当に、緩めると、やはり、各自治体によっては、ちょっと使い道がないから取りあえず積んでおけということも、これは実際に、各都道府県の、先行的に各県が進めてきた同様の税においても同じようなことが見られますので、そうした批判に耐え得るような、しっかりとした施策推進をお願いしたいと思います。私がこの制度導入当初から注文をつけていることが実は二点ありまして、その一つが、木材利用にこの森林環境税を使うということは、当然対象なんですけれども、ただ、例えば公共施設の建設を行うというときに、その木材は国産材じゃなきゃ意味がないでしょうということなんですね。国内の森林を整備するために日本国民から税金をいただいているわけですから、国産材を使わなきゃ意味がないだろう。そして、去年の予算委員会で、当時の武田総務大臣に、しっかり、その使途として、国産材を使った建築、建設をしているのか、あるいは外材になってしまっているのか、このこともちゃんと調査し、把握すべきだということを申し上げましたところ、武田大臣も、もう少し調査するべきだ、そして、国産材の利用実績も含め、譲与税の取組状況の調査については、その在り方について検討してまいりたいという御答弁をいただきました。この調査は行われていますか、調査結果はいかがでしょうか。
○小坂政府参考人
お答えさせていただきます。そのような国会の議論も踏まえ、市町村への聞き取りを行わせていただきました。令和二年度に、森林環境譲与税を活用して、公共建築物の木造化、木質化や木材製品の導入等が進められ、全国で約一万三千四百立方の木材が利用されており、このうち九割が国産材ということでございました。
○重徳分科員
九割国産材。結構多いという見方もある一方で、厳しく見れば、一割は外国産材じゃないかということであります。こんなことが、しばらくするうちに、やはり外材の方が安いしとかいうことで、どんどん広がっていってしまうようなことになったら、結局、この制度導入の目的がまたそれていってしまうという、国民からの、税金を負担されている皆さん方からの厳しい目というものが出てくると思います。ですから、税の趣旨からすれば、一〇〇%国産材じゃないとおかしい、これが本来じゃないかという声があると思うし、私もそう思うんですよ。この辺りについてはどのようにお考えですか。
○小坂政府参考人
お答えいたします。九割ということについては、森林環境譲与税を活用した木材利用に関して、各地方公共団体、さらには受注した事業者の方々が、やはり森林整備及びその促進を図るという制度の趣旨を踏まえて取り組んだ結果だというふうに認識しております。外材につきましては、例えば強度など、構造上求められる性能等を考えると、やはり外材じゃないとというような場合もございます。そういったことで使用されている事例もあるんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
○重徳分科員
本当は、もっともっと強権を発動して、もう全部一〇〇%国産材にすべしというふうに言うべきではないかという私の意見を申し上げておきたいと思います。さて、今日は資料を配付させていただいております。私が言いたいもう一点なんですけれども、森林環境税、現時点では譲与税でありますが、この資料の一枚目は、譲与額の全体の中の上位二十団体のリストとなっております。これを見ますと、一位から二十位を見ますと、この赤で囲ってあるところ、これが政令市なんですね。つまり、トップ二十の中の、何のことはない、大都市が十か所、半分なんですよ。金額も、横浜市の三億円を頂点に、かなりの金額が行っている。結局、森林面積は、もちろん、浜松とか静岡とか京都、広島、この辺りは森林面積が結構あります。だから、もちろん面積も大きな市が多いですから、それを否定するつもりはありませんが、やはり、横浜市、五百十七ヘクタールでしょう。これは二、三キロ四方ぐらいですよ。このぐらいの森林があるだけで三億円とか、大阪市に至ってはゼロですよね、面積が。そして、名古屋市も百五十六ヘクタールしかない、一キロ四方ちょっとぐらいしかない。そこに、名古屋の場合は一億八千万円以上出ているということであります。要するに、人口割が多過ぎるんじゃないかということです。もう一枚。二枚目を御覧ください。今度は、これは、私有林人工林面積、要するに、森林の面積がゼロというところの中で譲与額が多い方からトップ二十を並べておりますが、この第一位は大阪市で、先ほど申しました。政令市ですからね、人口が非常に多い。だけれども、その後も、この赤で囲んでいるのは東京二十三区。このトップ二十の中の十二団体は東京二十三区なんですよ。第二位、世田谷区ですね。世田谷区は七千三百万円配分されておりますが、これは以前、私、本会議でも指摘したことがあるんですけれども、私の地元岡崎市よりも、岡崎市は、合併して、面積の半分は山なんですよ。そういう場所だけれども、世田谷区の七千三百万、岡崎市は六千八百万ということで、別に岡崎市のことだけ言うつもりはないですが、分かりやすい比較なものですから、これを前から言っております。こういったことで、もちろん、人口が多く、かつ森林面積も広いというところはあります。それはそれでいいと思います。ですが、先ほどの、単に木材を利用する、建物を建てるというだけでは、一割多いと見るか、少ないと見るかはありますが、やはり国産材以外の木材だって使われるわけですよ。したがって、本来であれば森林面積に応じてだけ配分してもいいぐらいなことが、この森林環境税の趣旨なんじゃないかと思います、極端に言えば。少なくとも、現状を見ると、今、大臣、御覧いただいたとおり、やはり政令市だとか東京二十三区とか、そういうところがかなりの金額を配分を受けている、こういう実態であります。森林環境税の大きな目的というのは、日本の国土の三分の二は山なんです。日本というのは山国なんですね。この山、森林を守らなきゃいけない。そして、最近では、森が荒れ過ぎて、しかも、気候変動によりまして集中豪雨が降りやすい。そうすると、一気にその雨水は大都市部に流れてきて、結局、被害を被るのは都市部に住んでいる皆さんなわけですね。ですから、そういう意味でも、森林環境税というのは、都市部の方々に負担いただいて、それを中山間地域とか森林地域に手厚く配分する、こういうものであるべきではないかと私は思っております。大臣に、こういった趣旨から、人口割、今三割です、三割は人口按分をされているわけですが、これを見直すお考えはないかということをお尋ねしたいと思います。
○金子(恭)国務大臣
実は、私は林家の息子でございまして、この譲与税が導入される前も、林政、山村の方の責任者もやったことがございまして、今おっしゃったこともよく理解をしておりますし、導入直前も、それから導入後も、そういう議論があることは承知をしております。その上で、私は総務大臣として答弁をするわけでございますが、森林環境譲与税の譲与基準につきましては、これまでの衆参両院の総務委員会の附帯決議において、各自治体の森林整備の取組や施策の効果を検証しつつ、必要がある場合には、所要の見直しを検討するとされているところでございます。森林環境譲与税を活用した事業の効果を検証するためには、地域の実情に応じた様々な取組の実施状況を見極める必要があると考えております。これらを踏まえ、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○重徳分科員
必要があれば見直すということでありますから、必要性をしっかりと感じ取っていただきたいと思います。私自身も、しっかりとこれからもこの税の運用についてはウォッチをしてまいりたいと思います。さて、三点目です。EV、電気自動車についての議論をさせていただきます。これは、総務委員会というか総務大臣所管の委員会でありますので、税制や、ちょっと金目の話を通じた議論をしてみたいと思います。今、カーボンニュートラルということで、自動車産業は百年に一度の大構造転換期であると危機感を持っております。ですから、私も、この自動車産業に関する、特にEV化に関する様々な課題について常々指摘をさせていただいております。日本が百年かけて積み上げてきた物づくり技術、この継承と発展ということが日本の命運を左右すると思っております。今、まさにカーボンニュートラル、あるいは自動車に関して言えばEV化だという流れは、EUとか中国が主導したがっている。そして、日本はエンジンとかハイブリッドといった技術では世界トップレベルでありますけれども、これが、バッテリー、電池を使ったEVになりますと、世界的に見て優位性が必ずしも十分にあるとは現時点では言えない段階であります。そういったことに対して、急激にEVに転換されてしまうということに対して警鐘を鳴らしているところであります。EVというのはまだまだ課題が多いんですね。例えば、価格が非常に高いです。それから、ガソリンであれば、三分もあれば満タンにできますけれども、EVは充電です。充電は、急速充電でも三十分かかっても満タンにならないと言われております。家で充電すれば、一晩かけて、十何時間かけて充電できるということはあると思いますが、外出中なんかはいろいろと不便が多い。そして、実際の走行距離というものも、今のところさほど長くはない。さらには、これは根本的な、本質的な問題ですけれども、電気自動車に充電しているその電気というのは、結局、日本の場合は火力発電が大半でありますから、車から排気ガスを出さない代わりに、遠くの発電所でぼんぼん石炭をたいたCO2がどんどん出るわけですね。そういった構造的な課題というものもあります。そういったことから、日本の技術を大事にしながら、新しい燃料、水素燃料、こういったものも、いろいろな選択肢を並行して考えながらやっていくというのがカーボンニュートラルに向けた本来の道ではないかと考えております。これを前置きをした上で、経産省、お越しいただいておると思いますが、これまで多額のエコカー補助金という形でEVの購入を支援してきたと思いますが、その執行実績について御答弁願います。
○新川政府参考人
お答え申し上げます。経済産業省では、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車等につきまして、導入初期段階にあり、需要創出や車両価格の低減を促すため、購入補助を実施をしております。その中で、電気自動車に対する直近三年の交付実績を確認いたしましたところ、平成三十年度は約七十八億円、令和元年度は約八十一億円、令和二年度は約三十九億円の交付となっております。
○重徳分科員
今お聞きしただけでも、三年で、どうでしょう、二百億円近くということですかね。といった非常に多額の補助金でEV購入を推進しているという形です。よしあしは別として、二百億円近くで購入補助をしているわけです。EVというのは、先ほど言いました、そうはいっても高いんです。だから、どちらかというと、高所得者というか、ゆとりのある方が購入される傾向があると思います。それから、充電も、自宅で充電できるというのは、すなわち戸建て住宅でありますから、都市部の集合住宅にお住まいの方々、もちろん低所得の方々にはなかなか手が届かないという代物で、余り悪く言うといけないかな、といったものであります。一方で、今、ガソリンの価格も上がっていますよね。だから、これまでのガソリン車とかハイブリッド車に乗っている方々は、やはりガソリン価格が上がって苦労されているわけです。そういう中で、我々は常に、トリガー条項を発動してガソリン税を引き下げるべきだという主張をしておりますが、政府はなかなか動かない、こういった状況であります。こういった意味でも、ややバランスに疑問があると言わざるを得ない状態にあります。そして、税制の面でもかなりEVは優遇されておりまして、取得時の、昔、かつて自動車取得税と言われていた自動車税の環境性能割、EVは非課税、ゼロですね。そして、EV以外の車両は平均三万九千円ほどと言われております。自動車重量税、国税でありますが、初回の車検のときで考えると、EVはゼロ、免除されております。例えばカローラのようなガソリン車でいうと、三万六千九百円といった自動車重量税。それから、毎年かかる自動車税、種別割と言われるものですね。これも、EVは二万五千円なんですが、それ以外の平均税額は三万三千八百七十円ぐらいだと言われております、試算によりますとね。そうすると、毎年の自動車税だけ考えても八千八百七十円の差があるという試算になります。仮に、今、日本で課税をされている対象の車というと、国内に三千五百万台ぐらいあるんですが、これが全部EVに転換して、そして、かつ、今の税制のままだと、簡単な試算をしますと、自動車税で、今言ったように八千八百七十円の違いが一台当たりあるわけですから、三千五百万台を掛けますと、年間三千億円以上の減収になる。これは地方税ですね。それから、ガソリンを使わなくなりますから、揮発油税で、国税で二兆円、それから地方税で二千億円。さらに、軽油引取税、軽油で走る車には、地方税、九千億円ほどかかっています。今の税率を前提とするもののこういった大幅な税収の減といったもの、税収に大幅な穴が空く、とりわけ地方税にも大きな影響がある。こういったことについて、大臣として、若干将来的な話、段階的に進む話でありますが、こういった危機感も持ちながら、危機感というか、税体系を変えなきゃいけないという問題意識も持っていただきながら取り組む必要があると思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○金子(恭)国務大臣
重徳委員御指摘のとおり、EVの普及に伴う地方税収への影響としては、EVは軽油を使用しないため軽油引取税の負担がないこと、また、内燃機関を持たず、総排気量の値がないため自動車税種別割で最低税率を適用していることから、御指摘のとおり、EVが普及してまいりますと、地方税でも自動車関係諸税の税収が減少していくものと見込まれております。自動車関係諸税の在り方については、住民に身近な行政サービスを提供している自治体の貴重な財源となっていること、与党税制改正大綱において、カーボンニュートラル目標の実現への貢献を始め、中長期的な視点に立って検討を行うこととされていることなどを踏まえ、政府としてもしっかりと検討していくべき課題であると考えております。
○重徳分科員
電気自動車は、一般的に重量も重いと言われております。道路への負担も、要するに、道路が損傷する割合も高くなるというのかな、その程度が激しくなると言われております。そういったことのためにも、税収確保は必要だと思います。ありがとうございました。