2022年2月2日(水)午後、予算委員会 集中審議にて質疑に立ちました。
1.岸田総理「医療から切り離されない」発言について
答弁者:岸田文雄 内閣総理大臣、後藤 茂之 厚生労働大臣
重徳和彦議員の質疑の動画に字幕を付けて国会Twitterで発信しました。
(1)自宅療養者への体制
<国会Twitter>
https://twitter.com/cdp_kokkai/status/1488837363816349697
<字幕書き起こし>
https://docs.google.com/document/d/1mrD1NWPRbd9vdYO4kE0WeLCH7Sipcct82lseEtQ_cOk/edit?usp=sharing
(2)品川モデル
<国会Twitter>
https://twitter.com/cdp_kokkai/status/1488840026821918721
<字幕書き起こし>
https://docs.google.com/document/d/1srGU6IZyjffJvQ_X3YG9XSAnW2415B-mAFO3wSRZfIk/edit?usp=sharing
2.カーボンニュートラル政策について
答弁者:岸田文雄内閣総理大臣
重徳和彦議員の質疑の動画に字幕を付けて国会Twitterで発信しました。
(3)自動車のカーボンニュートラル政策
<国会Twitter>
https://twitter.com/cdp_kokkai/status/1488845576263581698
<字幕書き起こし>
https://docs.google.com/document/d/1xP0d92n9fBlRAGpPZl2Rm9oVFRFIUGI4Hb6NUQdzWYc/edit?usp=sharing
【議事速報】
○根本委員長
この際、重徳和彦君から関連質疑の申出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。重徳和彦君。
○重徳委員
立憲民主党の重徳和彦です。
本日は、サポート役で、本庄知史議員に手伝っていただきます。柏市、我孫子市の皆さんから選出いただいている議員でございます。よろしくお願いいたします。さて、総理、昨日、コロナの新規感染者数は八万人を超え、重症者数は八百四人、そして死者が七十人という数となっております。先ほど長妻委員からもありましたが、昨年九月八日、第五波のときのピーク、それが八十九人でありました。かなりそこに迫る数のお亡くなりになる方が出てきたということを強く認識すべきだと思います。強い危機感を持って、そして、更にこれから、重症者や死者のピークが遅れてやってくる、そういう見立てもございます。危機管理上、常に最悪の事態を想定すると言われる岸田総理の、その思いのとおりの施策を担っていただく必要があると思います。総理は、年頭の記者会見などでこうおっしゃっています。陽性判明の当日ないし翌日に連絡を取り、健康観察や訪問診療を始める体制を取ります、自宅療養者のことですね、自宅療養の。そして、療養開始の翌日までにパルスオキシメーターをお届けするとともに、診断の当日ないし翌日に経口薬を投与できる体制を確立します、こうおっしゃってきましたが、現在、自宅療養をされている方々に対して、この体制は確立されていますか。
○岸田内閣総理大臣
おっしゃるように、軽症の自宅療養者の方々の増加に対してしっかり対応しなければいけないということで、健康観察を始め、地域の医療の対応体制、これを構築してきたわけですが、現在どういう状況にあるかという御質問でありますが、これは、今、短期間で感染者が急増したことによって、保健所等からの電話になかなか応答していただけないケースがある、逆に、先方からの電話がつながりにくくなっている等で、電話連絡に日数がかかっている、こういったケースがあるということは承知をしております。そういったことから、回線の増加等、様々な取組を国としても支援をさせていただきながら、この連絡体制の円滑化に努めているというのが現状であると認識をしております。
○重徳委員
今おっしゃることは、連絡を取っているんだけれども連絡がつかないんだ、それは回線が足りないんだとかいう話なんですが、そもそも、この自宅療養に対する体制、それは別に電話連絡ができる体制のことだけじゃないと思うんです。全体に見て、それは十分足りているんですか。総理大臣として今年の初めからずっとおっしゃってきた、体制を確立しますと。それに足りていないことがたくさんあるんじゃないですか。
○岸田内閣総理大臣
自宅療養の体制については、健康観察、パルスオキシメーターの配付、あるいは経口薬へのアクセス、こうした体制を保健所を通らずともしっかり構築していく、こうした方針で取り組んできました。そして、対応していただく地方の医療機関についても、一・六万、十一月の全体像に基づく計画を三割上回る、こういった数を確保したところであります。こうした体制をいかに起動させるか、機能させていくのか、これが重要だと思っています。連絡体制のみならず、全体がしっかりと機能していく、こうしたことを確認し、自治体とも協力をしていきたいと考えております。
○重徳委員
私が聞きたいのは、今おっしゃったこと、それを全部整えることが目標ですよ、だけれども、それがちゃんと機能をさせることが重要とか、それを確認するとおっしゃっていますが、その確認ができているのかということを質問させていただいているわけであります。
○後藤国務大臣
体制整備については、今総理からお話がありましたように、全体像で、自宅の療養体制、宿泊療養体制も含めて、重篤な方たちの入院との関係も含めて、全体で体制を整えているわけでありますけれども、今、足下のことからいいますと、オミクロン株の感染力が極めて高く、短期間で感染者が急増している中で、電話に応答のない方などもあって、接触に、翌日までにできていない方がいるということは認識しております。そのために、今自治体とも至急、個別に協議しながら、例えば、フォローアップセンターの設置だとか、あるいは電話の増設だとか、様々な助言、そしてまた、地方創生臨時交付金等の支援によって財政的にも支援をしながら、今その確認に基づいて対応をしっかり行っているというところでございます。
○重徳委員
厚労大臣から、現時点で要するに様々なことができていないことがあるということをお認めになりました。今、本当に急速に感染が拡大していることは誰もが認める事実でありますので、この現状認識をきちっとしていただくことがスタートラインだと思うんです。その点は、全体像がどうというのは去年の終わりの話ですから、そのとおりうまくいっていないということ、これをいわばお認めになったということだと思います。そして、もう一つ現状確認をしたい。これは、私がなぜここまでこのことにこだわるかといいますと、やはり、最悪の事態。これは、自宅療養の方々に関して言えば、自宅で医療にかかることなく、入院することなく、そのまま自宅でお亡くなりになる、そういう方々が、去年の八月、九月、いわゆる第五波のときに相当数いらっしゃったじゃないですか。今月の厚労省の発表によりますと二百二人という数字が出ておりますが、少なくとも二百二人という言い回しで報じられている面もありますが、まず去年の第五波の確認をします。二百二人ですか、それ以上いらっしゃるんですか。
○後藤国務大臣
厚生労働省が道府県を通じまして、八月から九月までの間に自宅療養中に死亡された事例や死後に新型コロナの陽性が判明した事例を調査を行ったところ、二百二件の報告がありました。ただし、八県からまだ報告が来ていないということもあり、少なくとも二百件ということであって、二百件で全てだということとは言えないと思います。また、警察のデータ等もありまして、不審死の検視で発見されたのは、新型コロナウイルス陽性の御遺体のうち自宅等で発見されたというふうに報告されているものは、検視では三百十四人ということになっております。
○重徳委員
それでは、第六波、主に今年に入ってからでしょうね、一月中の自宅でお亡くなりになった方の数というのは把握されていますか。ニュースでも、私が見ただけでも、何人かの方が自宅でお亡くなりになっていることを確認しております。厚労省ではいかがでしょうか。
○後藤国務大臣
一月以降の新型コロナの患者さんの自宅死亡事例については、いまだ網羅的に把握しておりません。一月一日から三十一日までに自治体から報告のあった新型コロナウイルス感染症患者の死亡者は、三百七十一名という報告でございますけれども、そのうち自宅死亡事例については網羅的にしっかりと把握できておりません。
○重徳委員
網羅的じゃなくてもいいです。大臣、何人把握されていますか、認識されていますか。いや、本当は総理にお答えいただきたいんですけれども。
○後藤国務大臣
HER―SYSに入力されている件数は三件です。
○重徳委員
じゃ、本当に少なく見積もって三件ということに取りあえずしましょう。取りあえずですよ。それで、やはり、今の第六波と言われる波の中で、オミクロン株が、どうも、感染力は強いけれども軽症の人が多い、だから大丈夫なんだとか、少し安心した感じが漂っている気がするんです。一方で、もちろん、社会が止まるじゃないか、こういうことも言われておりますので、このバランスが極めて重要なところなんですが、今日は私はとにかく、最悪の事態、すなわち自宅療養されている状態のままお亡くなりになる、これを何としてでも防がなければならないという観点から質問を続けさせていただきたいと思います。要するに、自宅療養というのは、本来、保健所の方々が健康観察を電話などで一日一回とか、それぞれやられているわけですね、それで症状に応じて入院措置をさせることなんですけれども。保健所が業務が逼迫をして、これは自治体によりますけれども、自治体によっては、ほかの部署から職員をたくさん駆り出して何とか保健所業務を回す、あるいは外部に委託をするなどして、本当に皆さん必死に仕事をされています。それでもなお、医療にアクセスできずにお亡くなりになるケースが出ている。去年は、たくさん、数百人の方がそういうことになったと。そして、この自宅で亡くなった方々の御遺族が、昨年、自宅放置死遺族会、自宅で放置されて亡くなった、自宅放置死遺族会という会を結成をし、家族、親族を失った悲しみの中で、しかし、この教訓を何としてでも次に生かしていきたいんだという強い思いで立ち上がられました。私も、共同代表のお二人と直接お話をさせていただきました。何日間もの間、毎日本当は健康観察をしていただけるはずの保健所の方と連絡がつかなかったというケース、あるいは、基礎疾患に関する情報がきちんと共有されていなかったんじゃないか、保健所と医療機関の間で、というようなケースもあるというふうにお聞きしました。行政側も、これだけ業務が逼迫しているので、これは一生懸命やっている中でどうしても漏れが出てくる、やむを得ない事情があるんだという、もちろんその事情は私も重々分かります。そして、御遺族の皆さんも、そういう部分があるということはやむを得ないことだということもおっしゃっています。しかしながら、御遺族にとってはかけがえのない御家族の命であり、大変無念な思いでいっぱいである、一体誰に連絡を取ればよかったんだろうかという自責の念もおありになっているということであります。そこで、総理に、ここはあえて、この自宅でお亡くなりになった方々、その法的な責任関係というのがどうなっているのかということを問いたいと思います。この御自宅で亡くなった方々に対する国や県、保健所の法的な責任についてお答えください。
○後藤国務大臣
政府としては、感染症法の規定に基づきまして、感染症の拡大防止や医療提供体制の確保を担う都道府県等々に対して必要な支援を行う責務を有しておりまして、先ほど申し上げているような夏の時点の反省を踏まえて、保健所が手いっぱいになったときに、まず患者を見つけた医療機関がそのまま健康観察とそして診療を始められるような、そういう仕組みを準備したり、去年の夏に起きたようなことが起きないような体制づくりと、そのための財政支援を行っております。本当に、医療を受けている中で急変して自宅で亡くなられる方、元々医療が受けられずに亡くなられる方、いろいろな方がいるわけでありまして、自宅での死亡に至る理由は様々だと思いますので、その法的責任も事案によって様々であるというふうに思っております。いずれにしても、全体像でしっかりやること、それから道府県としっかり連携をすること、そして財政支援をすること、感染症法上の、第三条第三項に書かれているそういう責任という中で、政府としてやるべきこと、やらなければならないことに臨んでいるということだと思っております。
○重徳委員
自治体の役割については分かるんです。役割じゃなくて、私は、法的な責任、こういった死者が出たときにおける法的な責任はどうなのか、過失があったらどうだとか、そういったことについてあえてお聞きしているんですけれども、きちっと答えてください。
○後藤国務大臣
ですから、今申し上げたみたいに、過失の問題だとか、あるいはどういう事態が生じたのか、そういうことが具体的でないと責任の問題も一概にお答えできないということを申し上げました。
○重徳委員
これは非常に曖昧になっていると思うんですよ。結局、自宅療養されている方々の健康観察、これは、法律上、報告を求めるということですね。保健所がその患者さんから報告を求めるということを健康観察というふうに言っているわけなんですけれども。そこにおいて報告の、連絡のやり取りができなかったとか漏れがあった、あるいは判断を誤った、こういうときに、そのことと医療的な手だてを受けることができなかったこととの関係とか、その辺の整理がきちっとできていないんだと私は思います。しかし、個々の事案に基づいて判断されることになるというのは、それはおっしゃるとおりであります。もう一つ、取りあえず法的なことはそこまでとして、もう一つ。私はやはり、総理がこの間ずっと、常に最悪の事態を想定するとか、あるいは、先週の予算委員会での御答弁でも、医療機関にアクセスできる体制をしっかりつくるんだということを繰り返しおっしゃっていました。にもかかわらず、このような、少なくとも、最低限の情報で、三人は少なくともお亡くなりになっているということでありますから、こういったケースをなくさなきゃいけないというのが総理の強い思いのはずです。そういったことに関する責任をどのように感じておられますか。
○岸田内閣総理大臣
まず、委員おっしゃるように、昨年のような大変悲惨な状況を起こしてはならないということ、これはもうおっしゃるとおりだと思います。だからこそ、政治の責任として、医療体制を逼迫させてそうした事態が起こらないような、しっかり体制を用意し、そしてそれをしっかり機能させる、こうしたことを政治の責任として進めていかなければならないと考えています。
○重徳委員
今日は具体的な少し提案をさせていただきたいと思います。実は、東京都品川区に品川モデルという、これは自宅療養中の方々が健康観察を受けながら医療も受けることができる、そういう仕組みがあります。少し厚労省から御説明していただけますか。
○伊原政府参考人
お答え申し上げます。東京都品川区では、昨年夏の感染拡大の際に、地域の医師会の協力を得まして、保健所や健康フォローアップセンターにおいて医師の診察等が必要と判断された陽性者の方に対しまして、オンライン上で開業医の方々とマッチングを行って、随時オンライン診療を提供する体制を整えたと承知しております。
○重徳委員
厚労大臣にお聞きしますが、保健所が行う健康観察とか入院調整といったことと、今のお医者さん方が行うオンライン診療、これは法律的にはどういう関係にありますか。
○後藤国務大臣
健康観察を行って、医療が必要だということであれば医療サービスというのをきちんと受けられるようにするということで、両者は法的な位置づけは違うかもしれませんが、ただ、今、例えば、逼迫しているような状況の中で保健所の任務が非常に厳しい場合に、例えば、この品川のケースは、お医者さんにオンラインで診療をしていただくときにお医者さんをプールしているという形のサービスだというふうに思いますが、しかし、一歩進んで、健康観察そのものを、地域のかかりつけの方とかそういう方に、お医者さんだとかそういうところに委託をしたりして、全体として、地域として、自宅での診療を医療、健康観察一体としてきちんとやっていくという提携、協議をしてやられているところもある。そういう意味では、任務は別ですけれども、委託という形を通じてそれを一体的にやっている地域もあるというふうに認識しておりますし、そのことは認めております。
○重徳委員
今の御答弁にあるように、曖昧なんですよ。私がしたい整理は、健康観察というのはあくまで保健所が行う報告じゃないですか。お医者さんがそれと同じことをやっていても意味がないと思うんですよ。お医者さんは、医療という保健所ではできない部分を担う。だから、ベースとして保健所は健康観察をするんだけれども、それから入院の調整を行うんだけれども、しかし、実際に医療が必要だというときに、入院まではいけなくても、自宅で不安になっている方々がお医者さんの手をかりることができるような状態、これを、品川区、東京都ですかね、全体に、つくっているという理解を、理解というか、そういうことだというふうに聞いています。それで、今必要なことはそこなのではないかと私は思います。つまり、保健所には医療の役割は果たせないんですよ。だから、保健所の方々が一生懸命、行政マンが一生懸命やっても、やはり最後まで面倒を見切ることはなかなかできないところがある。そこを補っているのが品川区のモデルんですけれども。要するに何かといいますと、このパネルで御覧いただきますように、本来は、感染症法の枠組みというのは、上の緑色が軽症者ですね、陽性だけれども軽症な方々、これは自宅でいいでしょう。ただ、黄色、少し重篤化していく兆しがあるような方、そして重篤な方々、赤い方ですね、その気配が出てきたら入院の措置をするというのが本来の仕組みなんですけれども、今回の第五波とか第六波では感染が拡大し過ぎてしまいまして、自宅にたくさんの方々が軽症者として療養されているんです。しかし、保健所の業務が逼迫してしまったので、もう既に黄色くなっている状態の方々がそれでも家の中にずっといる、こういう状態まで生んでしまっている中で、自宅にいながらにして医療にかかることができる、入院までいかなくてもですよ、入院できるならいいですけれども、ベッドはベッドでいっぱいだというような状況であれば、自宅にいながらにして放置されずに、そしてこれが、かかりつけ、我々は家庭医という言い方をしています。家庭医に関する法律案も立憲民主党は提出させていただいております。中島克仁議員らとともに提出を去年させていただいたんですけれども、こういったかかりつけのお医者さんが、そろそろこの日本でも制度化していく必要があるのではないかという議論であります。このポイントは、やはり登録をするということですね。一番下にあります、かかりつけのお医者さんを登録すること。このコロナ禍において、何かと保健所から、保健所の方から、何か困ったことがあったらかかりつけのお医者さんに相談しなさいと言うけれども、かかりつけのお医者さんって誰だろうという世界じゃないですか。それから、ワクチンのときもありました。ワクチンも、かかりつけのお医者さんに接種してもらいなさいと言われても、かかりつけだと思っていたお医者さんに、ワクチンを打ってくださいと言ったら、いや、あなたは別にかかりつけじゃありません、いわば行きつけのお医者さんかもしれないけれども、かかりつけじゃありませんと。かかりつけの定義すらないんですよね、大臣。かかりつけって、法律上の定義もなければ、日本中にかかりつけをやっているお医者さんが何人いるか、かかりつけのお医者さんがいる国民は何人いるか、こういったことも何もないんですよね。ちょっと、一応確認です、端的に。
○後藤国務大臣
今先生から御指摘のあったこの下の図の黄色いところ、ここに医療が必要だというのはまさにそのとおりで、ここに医療がなければ、昨年の夏起きたようなそういう事例がまた起きかねないということで、そういう意味で、自宅の療養の方、それからホテル療養も含めて、必要があれば一・六万人のお医者さんにしっかりと医療を提供していただけるような体制を整えていくというのが全体像の考え方です。そして、今おっしゃったように、例えば、地域の医療機関において健康観察をしてもらうとか、地域全体として対応する体制とか、そういうようなものをしっかりやっていく必要があるということももちろんでございます。コロナ用のかかりつけ医というのが制度的にどういうものになるのかということは別として……(重徳委員「そもそもかかりつけ医というようなものが制度としては存在しないですよね」と呼ぶ)なるほど。それは先生のおっしゃるとおりです。
○重徳委員
やっと認めていただけました。でも、問題意識は共有できてきたと思いますよ。この図にある赤い点線の中が、医療が欠落しているんですよ。これがないから自宅療養の方々は苦しんでいるわけですよ。保健所も電話がつながらない、誰に連絡すればいいんだということを御遺族の方々も言っているわけですね。その問題を解決するには、いきなり法律化、法制度にするかどうかとかいろいろ議論はあると思うんですが、このかかりつけの登録、これを始めなければならないんです。オンラインでとか一万六千医療機関を確保しましたとかいうけれども、それはかかりつけじゃないんですよ。だから、オンラインを実際に品川区でやっている先生からも聞きましたけれども、品川区でなぜオンラインでコロナ患者を何とか診られるかというと、それはコロナだって分かっているからなんですよ。コロナの患者さんをオンラインで診ている、だから一定の判断ができるんですけれども、そもそも何の病気か分からないとか診たことない患者をオンラインで診ることは、これはなかなか難しいだろうと。ですから、ちょっと特殊な状態が今あるからオンライン診療、オンライン診療と言っていられるんですが、やはりベースとして、平時からこのかかりつけのお医者さんを登録していく必要がある。この問題意識、総理、共有していただけますか。
○岸田内閣総理大臣
かかりつけ医の制度の構築ということについては、委員から御提案もあり、これは様々な議論や取組があるんだと思いますが、ただ、御指摘になったこの資料の中で、緑と点線の部分ですが、この緑の部分においては、ITも活用しながら保健所に頼らず地域の医療機関において健康観察等を行うということですが、この点線、赤い点線の部分において、万が一の場合に、症状が悪化した場合、往診や訪問診療等によりすぐに地域医療が対応する体制を構築する。これは、従来、全体像の中で、こうした取組を進めるべきだという問題意識を持って取組をしているところであります。ですから、この赤い点線部分において医療にスムーズにアクセスできるという考え方、これは大変重要な考え方であり、それが国民の皆さんの不安を少しでも和らげる道につながると私ども考えます。
○重徳委員
総理も考えるというふうに、まあ、考えるだけじゃ、またこれはいつものパターンで困っちゃうんですが、しっかりとお願いしたいと思うんですけれども。結局、今、感染が拡大して自宅療養者が激増する局面においては、それはもう今をしのぐために様々な手だてを講じるしかないのかもしれません。今この緊急事態のさなかに言われてもという部分もあるかもしれませんが、しかし、これからこの第六波がこの先どうなるか分からない、先、まだ第七波、第八波、あってほしくないけれども最悪の事態を想定しなきゃいけない、そのときに必要な仕組みとしてこのかかりつけ医というものを提案していきたいと思っております。これは、私も医者の世界もそんなに知りませんから、元々この議論を始めた頃は、もう四年前から議論しているんですが、コロナが始まる前からですよ、予防医療とかふだんからの安心な地域医療を確保するための議論だったわけなんですが、しかし、こんな、開業医の方々にかかりつけになっていただくなんという議論をしたら、いや、これ、お医者さんとか医師会の皆さんから物すごい反発を受けるのかなということも何となく想像していたんですが、むしろ逆で、今の制度、今このかかりつけのない制度のままいってしまったら、これから先の日本の医療はむしろ高齢社会の中で持続できないという問題意識を持っているお医者さん方、あるいは厚労省の方々もそうです、問題意識を持っている方々がたくさんおみえになります。そういったことを受けてお考えいただきたいと思います。最後に、これは最終的には法改正が必要だと思うんですけれども、実は厚労省自身も同じ問題意識を持っておられる節があります。十二月十七日、去年の終わりに、現行の感染症法等における課題・論点の中で、論点案として、自宅療養者等に対して、医療、外来医療、在宅医療が適切に確保、提供される体制を整備することが必要ではないか、これは法改正の議論ですよ、法改正の議論の中で、必要ではないかということがうたわれております。是非、法改正、しかも六月までかかるとおっしゃるわけですから、まだ半年近くありますよ。この間にこういった議論も含めて是非進めていただきたいと思うんですが、総理の御決意をこの点についてはお聞きします。総理。厚労省はもう言っているわけですから。
○岸田内閣総理大臣
感染症法の在り方については、オミクロン株の特性を始め、様々な観点から丁寧に議論を続けたいと思います。その中で、委員の問題意識というのも念頭に置きながら、様々な観点からこの法改正ということについて議論を進めていきたいと考えます。
○重徳委員
前進した答弁だったと思いますので、是非、これからも追いかけ続けますので、よろしくお願いします。残った時間で、前回、経産大臣に、萩生田大臣からは一般質疑のときに大体考え方が一致しているというふうに言っていただいた、自動車産業とカーボンニュートラルについての議論をさせていただきたいと思います。今、カーボンニュートラル、まさに、要するに、ガソリンエンジンから、ハイブリッドもありますが、そこからEVへと、今日午前中も議論がありましたけれども、その自動車産業からすれば、百年に一度の大転換期が来ているという強い危機感を業界の方々はお持ちであります。総理の基本的な認識を問いたいんですが、今、国内で一千万台の生産体制を取っているのが自動車業界であります。そして、非常に大きな日本の産業、経済におけるウェートを占めているのが自動車関連業界でありますが、この一千万台生産体制を維持する、それは、雇用を維持することにもなり、また技術を持つ人材の確保、維持ということにもつながりますが、この基本的な自動車産業の在り方、重要性ということについて、まず認識を御確認したいと思います。
○岸田内閣総理大臣
まず、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けては、需要側、供給側、産業構造も生活も大きく変化をしていかなければなりませんが、その大変革の中で、自動車産業、今現在においても、日本の雇用の一割、輸出の二割を占める基幹産業であり、日本の経済の牽引役であります。こうした自動車産業、この変化の中にあっても、引き続き日本の基幹産業として国際競争力を維持強化してもらわなければならない、それをしっかり支えていかなければならない、政治の立場からもそのように認識をしております。
○重徳委員
各論は様々あるんですが、今日は二点だけ端的にお聞きしたいと思います。一つは、自動車はライフサイクルアセスメントという考え方があります、二酸化炭素の排出量に関して。つまり、自動車は、原料、部品、組立て、走行、リサイクル、廃棄まで、やはり環境に負荷を与える局面が多段階にわたってあります。それから、特にガソリン車やハイブリッド、そしてEVへという流れの中で問題にされるのは、ガソリン車はもちろん二酸化炭素を車から排出しておりますが、EVは、充電をするから車からは排気ガスは出ないけれども、その電力は元々石炭火力を中心とした火力発電がすごく多いじゃないか、特に日本は多いじゃないかということでありまして、このライフサイクルアセスメントという、ライフサイクルで評価するという考えなしに、EVだ、ガソリン車だ、エンジンだという議論はやっていてもナンセンスだ、こんなような議論があるんですが、このライフサイクルアセスメント、我々は、これも野党の超党派で、昨年、これを重視してこれからの日本の産業の在り方を考えよう、こういう法案も提出しておりますが、このライフサイクルアセスメントについての総理のお考えをお示しください。
○岸田内閣総理大臣
委員おっしゃるように、カーボンニュートラルを実現するためには、自動車の走行時だけではなくして、製造から廃棄を含めたライフサイクル全体のCO2排出量に着目する、こうした考え方は重要であると政府においても考えております。例えば電気自動車の場合、蓄電池の製造時や充電時に電気を多く使うため、電源の脱炭素化、これを同時に進めていかなければならない。さらには、自動車に使用される鉄鋼などの素材の製造時にも多くのCO2を排出するため、製造プロセスでのCO2削減が必要となる。こうした考え方、政府においても、引き続き、こうした全体の脱炭素化に向けてしっかりと取組を進めていかなければならない、このように認識をいたします。
○重徳委員
参議院の礒﨑哲史議員とか浜口誠議員とともにこれに関する法案も提出させていただいておりますので、是非議論を、与野党挙げて、この問題に与党も野党もないと思いますので、議論をし、政府を我々としてもリードしていけるように取り組んでいきたいと思っております。最後に、簡単にお聞きします。電池が必要になるEVは、電池の製造技術、そして原料の調達、レアメタルですね、リチウム、ニッケル、コバルトが非常に重要です。電池については、中国が大変な力の入れようであります。ヨーロッパももちろんです。そして、EVが主流になったら日本は車の輸入国になっていたなんということになっていたら、目も当てられません。この国際競争力をどう確保し、また、ルールメイキングにたけた国々もあります、この辺りとどのように競い合っていくのか。この辺の戦略性について総理にお尋ねします。
○岸田内閣総理大臣
まず、電気自動車の製造には、蓄電池やモーター、こうしたものが基幹部品として不可欠であり、特に蓄電池においては、脱炭素化が進む社会において基盤となるキーテクノロジーであると認識をいたします。そのために、電池に係る技術的優位性の確保、そして安定供給体制の構築、これは喫緊の課題であると考えます。政府としても、蓄電池あるいはその材料の大規模な国内製造拠点整備のために、一千億規模の支援措置を講じています。そして、グリーンイノベーション基金を活用して、高性能材料あるいはリサイクル技術の開発に取り組んでいます。引き続き、蓄電池のサプライチェーンの強靱化に必要な措置を講じてまいりたいと考えています。
○重徳委員
終わります。ありがとうございました。