令和2年3月24日(火)11:00~、衆議院 農林水産委員会にて質疑に立ちました。
○「八丁味噌G1問題について」
○吉野委員長
質疑の申出がありますので、順次これを許します。重徳和彦君。
○重徳委員
共同会派の重徳和彦です。
冒頭、十分だけ、同僚議員の御理解をいただいて、世紀の失政とも言える八丁味噌GI問題に
ついて質問をさせていただきたいと思います。八丁味噌。八丁味噌は、語源は岡崎城から西へ八丁、
八百七十メートル行ったところが発祥地である、これが語源なんですね。ところが、ややこしいのは、
ここ数十年、同じ八丁味噌という名前で類似の商品をつくっていると主張するメーカーが登場した。
これはにせものとは言いません。類似の商品であります。農水省が地理的表示保護制度、GI制度をスタートさせました二〇一五年六月、早速、二社でつくる元祖の八丁味噌組合が真っ先に登録申請をし、その他の類似品をつくっている県内のみそメーカーもそれに次いで登録申請をした、こういう経緯
がございます。それから二年間、農水省も、それはそれで苦労されたと思います。八丁味噌組合と何度かやりとりをして、岡崎以外のみそも八丁味噌と認めるように交渉されたんですね。農水省は、頑として譲らない岡崎の二社に手をやいたでありましょう。それはそれで頑固な二社であります、伝統の二社でありますので、それはそれで承知をいたしております。こういう経緯についてとやかく言うつもりはございません。経緯はいろいろあったんですけれども、結論が一見明白、おかしいんですね。
元祖、その岡崎の二社だけが八丁味噌のGIから外されて、その他のメーカーが八丁味噌GIに登録された。こういう結論が、非常にわかりやすく、かつおかしい、こういうことであります。
結論に納得しない岡崎市民始め、八丁味噌を愛する多くの人たちの間で署名活動が始まりまして、
現在七万六千筆に上り、ふえ続けております。これはインターネットじゃなくて直筆の署名でありますので、相当な数だと言えると思います。二〇一八年三月、八丁味噌組合は、農水省に対しまして、登録を取り消すよう、つまり、県味噌組合への登録を取り消すよう行政不服審査請求を申し立てました。それから一年ちょっとたった二〇一九年五月、審査庁たる農水大臣は、第三者機関たる総務省の行政不服審査会に対しまして、本件審査請求は棄却するべきであるとして諮問をしました。その四カ月後、二〇一九年九月、その行政不服審査会は、総務省ですね、本件審査請求は棄却するべきであるとの審査庁、農水省の諮問に係る判断は、現時点において妥当とは言えないとの結論を答申した。つまり、農水省の判断は妥当ではない、こういう答申が出たんです。当たり前です。
さて、そこで、このたび、実はあした始まるというふうに聞いておりますが、改めて農水省に第三者委員会なるものが設置をされたということでございまして、これは資料に添付をさせていただいております。この第三者委員会という名前ですけれども、これは何のための委員会なのか、農水省の、八丁味
噌組合が言っていることは棄却すべし、そのまま突き進めと、その根拠を更に検討するための委員会なのか、あるいは、農水省の方針を転換することもあり得るという前提の完全なる第三者として検討する委員会なんでしょうか、どちらでしょうか、大臣。
○塩川政府参考人
お答え申し上げます。
今回の八丁味噌に関する第三者委員会につきましては、先ほど委員が御指摘いただきました行政
不服審査会の答申を踏まえまして、八丁味噌の社会的評価につきまして調査検討するために設置し
たものでございます。
○重徳委員
ですから、今までの農水省の妥当ではないと言われている方針を転換することがあり得るのか
どうか、そこも含めて検討する委員会なのかどうかをお答えください。
○江藤国務大臣
今局長からお返事させていただきましたけれども、これは自由に意見を言ってくださいということでありますから、どちらの方向に農林水産省として答えを誘導するようなことは決してありませんので、どちらの方に向かうということは申し上げられませんけれども、その答えについては、まだ第一回目は始まっておりません、三回ほど行いますので、その結果を待ちたいと思います。
○重徳委員
では、どちらの方向を向いてもいいよということは、ちゃんと委員の皆さんには伝えてあるんですか。
○塩川政府参考人
事前に、委員に御就任いただくときには、まさに今までの経緯も踏まえて自由に御議論いただくということでお願いをしているところでございます。
○重徳委員
では、そのようには伝えてあるということで。では、第三者委員会というからには、この委員の
皆さんは第三者なんですね、今までの農水省のGIの施策にはかかわっていない、どなたもかか
わっていない、あるいは今回の八丁味噌GI登録にかかわった学識経験者に、その本人だったら
なおさら問題ですけれども、本人じゃなくても、そこに非常に近いとか、同じ大学学部・学科に所属
している、先輩後輩関係があるとか、そういうことが全くない、第三者であると言い切れますか。
○塩川政府参考人
お答え申し上げます。
今回の委員の選定に当たりましては、知的財産法だとか地域ブランドだとか、あるいは醸造学など、今回の八丁味噌のGI登録に関連する各分野につきまして専門性を有する方々で、かつ愛知県味噌溜醤油工業協同組合ともう一つの八丁味噌協同組合、いずれとも利害関係のない方から選出をしたところでございます。今委員御指摘いただいた委員の中には、GI制度立ち上げの際にガイドラインの作成などの検討委員であった者も含まれております。この方につきましては、GI制度につきまして高い見識のある大学の先生でございまして、まさに専門的な見地から意見を述べていただくことを期待しておりまして、公平性を欠くということはないと思います。また、大学のお話もございました。
確かにその検討委員の同じ大学の出身者はいますが、同じ大学ということで特にそういうことではなくて、今申し上げたように、まさに必要な専門性を有する方ということでお選びをしているところでござい
まして、結論ありきだとか誘導するとか、そういうことは一切ございません。
○重徳委員
いや、本当に第三者だというのであれば、八丁組合と県組合、どっちとも利害関係が、関係ないというだけじゃなくて、やはり農水省との関係においても第三者でなければおかしいと思います。
それで、第三者といえる、これは専門家委員会ならいいですよ、何でわざわざ第三者委員会なんという名前をつけるのかというところが、これは非常に私は問題視しなきゃならないと思うんですよ。
第三者機関というのは既に総務省が、行政不服審査会が第三者なんですから。その第三者性というものは非常に厳しいですよ、行政不服審査会の第三者性というのは非常に厳しいです。在任中の
職務上知り得ることができた秘密を漏らしたらその場合には罰則がかかるとか、そういう厳しい第
三者性というものは担保されていないと思うんですよ。それからもう一つ、この設置要領を見ますと、
これまた会議は非公開なんですよ。会議は非公開。で、委員長の確認を得た後、議事概要を公開する、このパターンですよね。何でこうなんですかね。だって、自由に討議してもらったらいいじゃない
ですか。その中のどういう議論を聞いて農水省が判断するのか、ここが大事な話なのであって、会議そのものを非公開にする理由はないと思いますし、我々が公開してくれと言ったら、それは、本当に
まずいところは黒塗りにして出せばいいじゃないですか。何でそういう取扱いができないんですか。
○塩川政府参考人
お答え申し上げます。
第三者委員会では八丁味噌の社会的評価につきまして議論をするわけでございますが、その際には、個々の関係企業の流通実績あるいは売上げに関する情報など、営業上の非公開情報を取り扱う
ために、議論を公開することは適切でないという判断をしたところでございます。しかしながら、会議開催後に速やかに議事概要を作成し公開する予定でございますが、その内容につきましては委員長それから各委員に確認をすることになっておりまして、農林水産省に都合のいいコメントだけが出るということにはならないというふうに考えております。
○重徳委員
繰り返しになりますけれども、GIのガイドラインにかかわった委員の先生がまた今回の委員じゃないですか。それから、同門の、八丁味噌GIを決めたときの学識経験者の一人の方と同門の方もいる。非常にそういう、第三者というものが全く担保されていないと私は思いますよ。そして、その上、その第三者が担保されていない方々の間でここまで議事概要として出そうねということを言われたとしても、それはやはり透明性、第三者性、客観性を欠くと言わざるを得ないと私は思うんですよ。
あしたから会議なんですから、この非公開ということをまずなくして、公開にしたらどうですか。
それから、第三者委員会という名前も不適切だと思います。有識者委員会とか専門家委員会という
ふうに名前を改めてあしたに臨むべきだと思います。委員会の前の日にわざわざ私が質問させてい
ただいているのはそういう意味ですよ。始まっちゃうと、いや、こういうルールで始まっているので
公開できませんとなっちゃうじゃないですか。それをちゃんと改めていただきたいと思います。
大臣からちょっと一言。
○江藤国務大臣
第三者委員会は、行政不服審査会、これは総務省の答申を踏まえて行われるものでありますので、社会的評価については、調査検討するために設置するものでありますので、こちらでやることについて客観性がないとか、そういうことにイコールではないのではないかというふうに評価いたしております。
○重徳委員
きょう夕方また大臣にお会いできると思いますので、またそのときにお話ししたいと思います。きょう夕方にアポは入れていますので、またこの件についてよろしくお願いいたします。
以上です。