連続不審火が続く、豊田市の保見団地を現地視察! | 『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ

『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ

S45年生れ。衆議院議員候補(愛知12区岡崎・西尾)。元総務省職員。H16年新潟県中越地震で崖崩れ現場からの2歳男児救出に従事。22年愛知県知事選(次点)。H24年に初当選。H26年、H29年無所属で3選。

7~8月に連続9件の不審火が続く、豊田市の保見団地を三河地域の議員14人で、現地調査しました。
【→中京テレビニュース】https://headlines.yahoo.co.jp/hl
 
言うまでもなく放火は殺人と並ぶ凶悪犯罪であり、現在捜査中ですが、本件の特徴は、言葉や習慣の異なる外国人が多数暮らす県営住宅で、かねて問題となってきた階段踊り場などに不法投棄された粗大ゴミ(マットレス・タイヤなど)に火がつけられたことです。
 
団地じゅうに、ところかまわず放置された粗大ゴミは、現在、自治会役員さんが定期的に収集し、ゴミ処理場へ運搬していますが、限界があります。
日本で暮らす外国人には、ゴミの出し方など最低限の日本での生活ルールを理解してもらわなければなりません。
 
これは保見団地に限らず、入管法改正で今後外国人労働者を数十万人規模で受け入れる我が国が直面する、全国共通の課題です。
 
今回の調査では、保見団地の自治区長の前潟昇さん、県営住宅自治会の愛知県代表の川部國弘さん、外国人教育などを支援するNPO法人トルシーダ代表の伊東浄江さんらから、現場を案内いただき、現状と課題、行政への要望について情報交換しました。
 
【県営住宅の課題】
・保見の県営住宅には、90年代から日系ブラジル人の入居者が急増し、現在、外国人居住率は67%(うち日系ブラジル人91%)。
・一方、日本人の住人の高齢化率は63%(区長として日夜頑張っておられる前潟さんは83歳です)。高齢の自治区が問題に対処するにも限界がある。
・協力的な外国人に通訳依頼しているが、個人情報保護法でどこに誰が住んでいるか把握困難。災害時の対応も問題となる。
・共益費の長期未納者の増加も、自治区活動の衰退原因。家賃との一括徴収を検討してもらいたい。
・民間住宅が外国人を入居させないため、公営住宅への集住につながっている。元雇用促進住宅など新たな集住地区も形成されつつある。
 
【住宅供給公社への要望】
1.入居説明会で不法投棄は断固として容認できないことを伝えること。違反者は即退去に準ずる手段を。(トラブル発生時には通訳派遣を。)
2.防犯カメラの導入検討を。
3.退去時管理者が立ち会うルールを。退去者の連絡が自治区に来るのが遅い。
4.管理者はもっと厳しい目で環境問題の監視を。
 
【教育の課題】
・日本生まれの日系人も増えているが、日本語・ポルトガル語のいずれも能力不十分なケースも。
・語学支援や交流の活動場所や専門家が足りない。
・15歳を超えて来日する若者は「学齢超過」で、勉強する場も仕事の場もない。ブラジル人学校(豊田市内4校・県内12校)は日本の学校としての認可がなく、高校受験資格もなく、卒業後の進路がない。
・日本での生活の見通しや社会とのつながりがないままでは、犯罪に陥る懸念もある。「景気の調整弁」の存在でなく、人材として育てる必要。
 
【県などの説明】
・不法ゴミ撤去の支援、不審火について注意喚起チラシや職員巡回を実施している。(→県の管理体制は不十分で、自治会にしわ寄せが行っているのではないか?)
・退去時の立会いは今は行っておらず、検討したい。過去に立ち会っていた頃、ブラジル人の習慣として、マットレスなどの引き取り手が見つかるまで紙を貼って放置する傾向もあり、取り締まりが難しかった経験も。
・県営住宅の戸数も多く(県内4万7000戸。三河で100団地、県内で300団地)、管理が住民任せになりがちなのが実情。
・防犯カメラは市が8割助成しているが、2割の自己負担が課題(県営住宅の管理に関わるものであり自治会負担が適切なのか?)
・共益費の家賃一括徴収については、団地ごとの状況に応じた対応となるが、いずれにしても条例改正が必要。
・県で「多文化共生地域づくり推進費」を計上し、コーディネーターを養成している。
  
・・・限られた時間でしたが、多くの意見が出ました。
予算や人員配置の必要な課題もあるため、国・県・市の議員が連携・分担して、行政を動かしていこうと思います。
 
参加議員は、地元豊田市議の福岡靖純さん、古木吉昭さんのほか、大西健介さん(衆・愛知13区)、田中克典さん(愛知14区支部長)、渡辺靖さん(県議・西尾)、加藤学さん・柴田敏光さん・井町圭孝さん・鈴木英樹さん・小田高之さん・杉山智騎さん(以上岡崎市議)。古本伸一郎衆院議員(愛知11区)、田島麻衣子参院議員、鈴木雅登県議(岡崎)も代理の方に参加していただきました。ありがとうございました。
 
同行・説明してくださった愛知県庁(県営住宅管理室・多文化共生推進室)、愛知県住宅供給公社、豊田市役所の皆様、ありがとうございました。画像に含まれている可能性があるもの:4人、テーブル、室内写真の説明はありません。画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、立ってる(複数の人)画像に含まれている可能性があるもの:屋外