平和祈念マッチ
広島と長崎だからこそ出来るマッチメイク
被爆した街はともに支えあってきた
それはサンフレッチェとVファーレンにも繋がる。
サンフレッチェの草々期、ユース初代監督で
山形、徳島、清水を率いた小林伸二監督は長崎出身
それに長崎の高木監督は長崎出身であり
サンフレッチェ初期の黄金メンバーでもある
森保元監督も長崎の出身。現役で言えば柴崎晃誠も長崎。
共にサッカーで輝かしい歴史を持ち
長崎は全国に知れ渡る国見高校を有し多くの
Jリーガーを輩出している
広島は前身であるマツダサッカークラブで日本サッカー史で
いくつものタイトルを獲得し今のサンフレッチェに繋がる歴史を有する
その2チームが日本の最高峰で「平和」を掲げて戦う。
■稲垣と青山
今の戦い方では攻撃時
青山が最終ラインの中央からパスを出し
攻撃が始まる事がある。
サイドや少し高い場所に位置取りすると
そこから正確な長短のパスが繰り出される
一気に局面を替えるサイドチェンジであったり
ゴール前のパトリックに一発で合わせるクロス
細かく繋ぐ中で繰り出す青山のミドルレンジの
ダイナミックな展開は広島の攻撃を優位にする
そして対戦相手を翻弄し右に左に走らせる。
稲垣の素晴らしいプレーのひとつが
「奪ったあと走ることをやめない」こと
象徴的なプレーが前半25分、長崎の不用意なバックパスを
感じパスカットするとそのままゴール前にパス
稲垣もそのまま前線に駆け上がりチャンスを広げる
そこまでのスプリントや状況判断は非常に素早く
一瞬で長崎をパニックに陥れる。
彼が持つもうひとつのユーティリティという武器は
広島の戦術に幅を持たせる。
城福監督曰く「GKとCB以外は出来る」といわしめる
これによって時間的にも戦略的にも自由度が高まる
彼がいれば交代枠2つくらいの優位性がある。
■崩す為の準備
右サイドで作るカタチはこれまでもあったが
より攻め方に意図が見えるようになってきた
右サイドでの作りは
いかにパトリックをフリーにするか
いかにしてゴール前からDFを引き離すか。
その準備としてサイドに起点をつくり
ボールも人も出しては引いてを何度も繰り返し
長崎の強固な最終ラインを揺さぶる
そしてそこに出来た穴を正確に射抜く。
崩す動きの急先鋒は柏好文
ドリブルや強烈なアジリティを持つ彼が
時には定置の左サイドで突破やクロスの供給をしたと思えば
右サイドに集めた長崎守備陣の背後や中央へのカットインを狙う
時には右サイドまで移動し和田や柴崎、青山らとで数的優位をつくり
その中でのかき回し役となる。
守備としては結果が出た上で
これから攻撃のタスクを積み上げていく段階だと思ってたが
速攻、遅攻と早い段階で基礎的な部分が
表現されたように見えるのは意外な収穫。
■チームとしてのあり方
この日先発だった渡は前半だけでの途中交代だった
戦術的なものか、それ以外の要因かは分からないが
代えられた当人とすれば当然満足できるものではない
ただ戦い方として広島の場合は、スタメンのFWには
得点のタスクと同時に守備のタスクが求められる。
パトリックは高さとキープ力、フィジカル面でも
低くない要求に答えられる結果を出している。
ティーラシンも前線でのキープや展開力の確かさで
欠かせない存在になっている。
ただ彼もスタートだとまだその良さを出せていない現状がある
だからこそ今、スタメンのFWに求められるのは
スタメンで守備のタスクもこなした上で
少ないチャンスでも得点という結果を出すこと
それは自分が更に長くピッチに残る為の手形にもなる。
更に言えば固定されたスタメンという場所も手に入れることになる。
そのチャンスは渡にも工藤にもティーラシンにも掴める場所にある。