脳卒中・循環器病対策基本法の成立を求める会の歴史 その1
脳卒中・循環器病対策基本法の成立を求める会の歴史 その1
「脳卒中対策基本法」成立を目指していた日本脳卒中協会は、2015年5月に突然、その方針を変え、「脳卒中・循環器病対策基本法」成立に切り替えた。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12041668385.html
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12057651702.html
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11724653527.html
私は2011年3月、超党派の「脳卒中対策推進議員連盟」設立当時から、患者団体と一緒に関わってきた。
地元横浜市には、その設立当時に患者代表として挨拶に立ったNPO法人日本脳卒中者友の会石川敏一理事長も在住しており、患者側に軸足を置いた形で、その設立に活動してきた。
何故ならば、がん対策基本法設立においても、当時、自民・公明案と民主党案が対立して、なかなか成立が困難であった時、民主党の山本議員が自身のがんを告白されて、両方の案を繋ぎ、各党が歩み寄った経緯がある。
また、成立に至るまで、患者の声が果たした役割が大きかったことも認識していたからだ。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000wxts-att/2r9852000000wxy0.pdf
一方で、がん患者が初めてがん医療の政策立案過程に参画していく中で、患者の視点というものが欠けてしまう事態が起こりうることを認識していたからである。
さて、公益社団法人の日本脳卒中協会だが、突然の方針転換に、NPO法人日本脳卒中者友の会が異議を唱えると、日本脳卒中協会の役員を務めていた患者団体の代表である石川敏一氏を、その役員から外してしまった。
異議を唱えるにはそれなりのきちんとした理由がある。この2年、その理由をきちんと明記し、国会議員、日本脳卒中学会の代表の各委員に意見を提出してきた。身体的な不自由を有する方々にとって大変な労力であった。
一方、医師からなる日本脳卒中学会の各委員から返事がきたとはまだ聞いていない。患者のためにと訴えているようだが、この姿勢では基本法が成立したとしても、先が思いやられる。
http://noutomo.com/category/news/
また、残念な話だが、医師による患者団体の切り崩しがあったという話も聞こえてきた。事実、一部、抜け落ちた。
ともに歩んできた失語症友の会連合会とも袂を分けた。失語症友の会連合会からの日本脳卒中者友の会への声掛けなどもないようだ。
そして、この2年間、脳卒中・循環器病対策基本法の成立を求める会の代表(元日本脳卒中協会の理事長)からの、7年間ともに脳卒中対策基本法成立を目指してきた患者団体、NPO法人日本脳卒中者友の会への歩みよりも一切ない。
これでは、日本脳卒中協会が患者団体を政治的に都合よく使い、都合よく切り捨てたと見られても仕方のない状況である。
2010年11月15日の衆議院予算委員会での公明党富田茂之議員の言及に以下のようなものがあった。
「特に役所からみたら、いろいろと文句を言ってくる委員は、とにかくいないほうが良いというような思いもあると思いますが・・・」
さて、脳卒中・循環器病対策基本法の成立を求める会は、いろいろと文句を言っている大きな脳卒中患者団体を成立前から、いないほうが良いとして扱っているように思える。
この姿勢は、がん医療に従事している先生方とは大きく違う姿勢であることを忘れてはならない。 がん対策基本法においては、政治家も、医師も患者団体も互いに歩み寄り、成立に邁進した。
今国会で成立を目指す、脳卒中・循環器病対策基本法の成立を求める患者・家族・医療関係者の会だが、この2年で多くの医療系団体が参入している。
しかし、この約9年の経過をみてきた私にとっては、多く医療関係者団体が参入したものの、この会が患者の視点を本当に大事にしていくかに疑問が残る。
また、政治家は、がん対策基本法成立の流れと大きく違うこれらの幾つかの問題点をきちんと整理し認識した上で、脳卒中・循環器対策基本法の成立に対して慎重に議論を重ねるべきだと思う。
脳卒中患者が役員を務め、患者視点で活動を続けてきた大きな患者団体のNPO法人日本脳卒中者友の会の意見に、医師の団体が耳を傾けない以上、政治家が耳を傾け、患者の視点を本当に大事にする体制を作っていくべきだと思う。
一地方議員として、このことはしっかりと周知させていこうと思っている。