「RE-START 犬と森の中で生活して得た幸せ」(鈴井貴之・幻冬舎)読み終わりました。
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「水曜どうでしょう」ファンとしては、鈴井貴之さんと言えば「ミスター」の呼び名が自然と湧いて来ます。
しかしこう呼んで良いものかと立ち止まってしまいます。
この呼び名も、かつてはミスターをコンプレックスで悩ませ……やはりこう呼んでしまうので、ここでは無理せず行きます……焦らせていたのではと考えてしまいます。
森の中で一緒に暮らす犬はもちろん、動物たち、そして自然との、自分以外に人間がいない生活。
インフラも心許無い、都心とは異なる日々。
全てが自分に委ねられている暮らしは、ミスターにとって常に自己検証、自己否定の繰り返しだったろうと思います。
その環境でミスターと共に在るのが、主人公のゴールデンレトリバー・ネイマールを始めとする面々なのでした。
森での生活で得たことが大きいと書かれていますが、その前から予兆(?)はあったのではないでしょうか。
過去の著書「ダメダメ人間」で、ミスターは擬人化した自分の自己嫌悪との対話をとおして、すでに成長(おこがましいですが…)していたのです。
その前段があったからこそ、大きく飛躍したのではないか…などと偉そうに思いました。
雪解けから春を迎える、その途中にある泥まみれの季節の部分が、とても印象に残りました。
汚いものから目を逸らしてはいけないし、そこにあることを自覚しなくては先に進めない。
どうしても自分はきれいでありたいと考えがちですが、しっかり見つめること、自己検証と自己否定、そして自己嫌悪を繰り返すしかないのだろうと改めて思いますし、僕が日々出来ていないと言うことです。
その結果、僕など何者でもないことに気付きますし、日々打ちのめされます。
しかし、何度でもスタートラインに立てると言うことでもあるのでしょう。
僕は言うまでもなくダメダメ人間ですが、本文にあるように「水曜同志でしょう」の末席で日々に臨めれば嬉しいです。