滋賀県栗東市には栗東駅と手原駅の2駅があります。

以前に栗東駅の乗車人員を見ました。

今回は手原駅の乗車人員を見ます。

 

・この記事では1日平均の乗車人員を扱いますが、1日平均の乗車人員を単に「乗車人員」と呼ぶことにします。

・今回のデータは、滋賀県統計書から引用しました。

滋賀県統計書|滋賀県ホームページ (shiga.lg.jp)

 

参考:

滋賀県内のJR駅の乗車人員 | 滋賀県栗東市の情報 (ameblo.jp)

栗東駅の乗車人員が大きく減ったのはなぜか? | 滋賀県栗東市の情報 (ameblo.jp)

 

 

 

乗車人員(単位:人)

 

 

平成30年度を100としたときの乗車人員

 

手原駅は平成30年度を100としたときの令和4年度の乗車人員が97.97で、滋賀県内のJR駅では最高値となっています。

手原駅の乗車人員はコロナ前(2018年度)の約98%まで回復したということになります。

 

 

定期乗車人員(単位:人)

 

 

平成30年度を100としたときの定期乗車人員

 

令和4年度の手原駅の定期乗車人員は、コロナ前の平成30年度や令和元年度とほぼ同じ水準まで回復しています。

 

 

定期外乗車人員(単位:人)

 

 

平成30年度を100としたときの定期外乗車人員

 

 

手原駅は平成30年度を100としたときの令和4年度の定期外乗車人員が91.64で、草津駅や瀬田駅には及びませんが、近隣の他の駅と比較して高水準だと言えます。

 

 

 

手原駅の乗車人員がコロナ前の水準近くまで回復したのはなぜか?

 

手原駅の乗車人員がコロナ前の水準近くまで回復した理由をについて、私の推測を以下に書きます。

 

・バスからの転移

栗東市役所付近は手原駅が近いですが、草津駅に行くバスの路線があります。

このうち金勝地域~草津駅を走るバスは、コロナ前は手原駅に来る列車とほぼ同程度の頻度で運行されており、手原駅の近くに住む人であっても、バスで草津駅に行く人が少なからずいました。

しかし、コロナ後にはバスの運行本数が大きく削減されました。これにより、「バスを長時間待つぐらいなら手原駅から列車に乗ろう」と考える人が増えたと思われます。これまでバスに乗って草津駅に行っていた人が手原駅から列車に乗るようになれば、その分だけ手原駅の乗車人員が押し上げられます。

 

・高校生の通学利用の拡大(高校生人口の増加)

高校生の通学利用が鉄道の乗車人員(特に定期乗車人員)に占める割合は小さくありません。手原駅周辺の高校生の人数は増えているでしょうか?

手原駅は葉山東学区に含まれています。そこで、葉山東小学校の児童数のデータを見てみます(児童数は各年5月1日時点で、児童数のデータは滋賀県教育委員会のホームページから引用)

このグラフからわかるように、葉山東小学校の児童数は2013年頃から増加傾向が明瞭で、2013年~2023年の10年間で約31%増えています。小学生が増加傾向ならば、それに数年遅れて高校生が増加するということが予想されます(葉山東学区には賃貸住宅があまり多くないことから、小学生~高校生で学区外に引っ越す人はとても少ないと思われる)。

以上から、手原駅周辺で高校生の数が増えていることも、手原駅の乗車人員の回復が大きい要因といえそうです。

 

 

 

今後も手原駅の利用者数は増えるか?

 

今後も手原駅の利用者数は増え続けるでしょうか?

結論を先に言いますと、今後も数年間は手原駅の利用者数は増える可能性が高いと思われます。理由は以下の通りです。

 

・2024年4月1日から帝産湖南交通の路線バスが減便(特に土休日で大幅な減便)された上に運賃が上がったため、バス利用から手原駅利用への転換がさらに進むから

・先ほど見せたグラフより、葉山東小学校の児童数は2023年時点でも増加が続いており、同学区に住む高校生の数は今後も(少なくともあと数年間は)増加する可能性が高いから

・手原駅の利用圏内で(ニプロファーマをはじめとする)工場の新規稼働が予定されており、これらの工場で働く人の利用が見込まれるから

 

その一方で、手原駅の近くでは野洲栗東バイパスや栗東水口道路といったバイパス道路の整備が進められており、これらの道路が開通した後は鉄道から自家用車への転移が進みそうです。手原駅の乗車人員はどこまで増加するか、注目したいと思います。