衝撃の電話 | 鹿吉の徒然なるままに by Shicayoshi Cake Lab.

鹿吉の徒然なるままに by Shicayoshi Cake Lab.

ひとつひとつを丁寧に、食べてくださる方を想って焼き上げる、を信念に掲げた焼き菓子屋の徒然なる日々を綴っております。

友人から久々のご連絡いただき、嬉しい鹿吉です。

こんばんは!

 

私は人との付き合いがあまり得意ではございません。

そのせいか、自分から連絡することは滅多になく、用事のない電話をかけることもいたしません。女子あるあるの「ちょっと話したくって、電話しちゃった!」という衝動もなく、普段からひとり淡々と生活しております。

 

それは家族にも当てはまり、用がなければ父にも母にも連絡はしません。

そして用を伝えてしまえば、無駄な話をすることなくさっさと電話を切ります。

 

こういう私だからなのか、友人も用がなければ連絡をしたりはしません。

随分と気を使ってもらっているのかもしれません。

特別、電話が嫌い、とかメールが面倒というわけではないので、連絡はウエルカムなのですが、やはりこのタイプには連絡し辛いところがあるのかもしれません。

 

ですから本日ご連絡くださった友人も当然のことながら用事があっての電話でございました。

 

30以上も年の離れた友人でございますが、私は彼女が大好きにございます。

女性らしさを失わず、それでいて快活で、いつも元気なのでございます。ところが元気よく電話を掛けてきたにもかかわらず、彼女はちょっと凹んでおりました。

どうしたのか、という私からの問いかけがなくとも、彼女は心情を吐露しはじめました。

 

去年の9月あたりからツイてない、と感じていたようなのですが、今年に入って決定的な事故が起き、2か月間の入院を余儀なくされ、さらには現在リハビリに苦しんでいる、という話でございました。

 

大腿骨骨折による入院ですっかりと気が滅入り、その後のリハビリの痛みと苦しみ、さらには医師からの「完全には元に戻らないよ」という診断にすっかり心が折れておりました。

 

同じ年齢層であれば慰める言葉もございますが、さすがに今の私には彼女へかける言葉はありません。何を言っても上滑りするような気がいたしました。

 

話を聞き、辛いリハビリを頑張り抜く元気が欲しいとわかりましたので、骨も筋肉も年齢関係なく努力を裏切らないから医師の言葉は受け入れるとしても自分の心の希望まで諦めることはないと伝えました。

 

ちゃんと再び歩けるようになる、という希望を捨てる必要はないと伝えながら、結局どんな事故で骨折に至ったのかを聞いたのですが…

 

それがですね、本当に奇跡のような出来事でございまして……

 

話を聞いて私はぶっ飛びました。

あまりにも驚いてチーズがないことを失念して、作業前に慌てて買い出しに出掛けてしまうくらいに驚いたのでございます(笑)

 

彼女はお買い物をするために駅におりました。

エスカレーターで上へと向かっておりまして、あと少しで上階に到着し、エスカレーターを降りられるというときになぜか足を踏み外し、そのまま下へと落ちてしまったそうにございます。

 

周囲で上がる悲鳴と怒号に駅員さんが飛んできてエスカレーターの緊急停止ボタンを押し、事なきを得たそうで、その後おそらくは救急車で搬送されたのだと思うのですが、

 

「全然、その前後の記憶がないのよね~」

 

とのこと。

眩暈でも起こしたのか、はたまた脳梗塞の前兆でも起きたのか、という診断に当然の如くなるでしょう。

 

脳の検査等したのか、と問えば

 

「検査したけど、なんの問題もないのよ~」

 

とのお返事。

 

本当にツイてないわ、とぼやく彼女に私は思わず強く訴えてしまいました。

 

「エスカレーターから単独で落ちて、誰も巻き込まず、さらには頭部は無傷で大腿骨骨折だけってかなりラッキーなんじゃあないですか???」

 

怪我をしたことはとてもとても気の毒ですし、怖い思いもしたでしょうし、不自由な環境にもあったでしょうけど…でもそれだけで済んで、現在リハビリで多少足を引き摺ってはいるものの歩けるんですよね???

 

それってある意味で奇跡ですよね???????

 

「今は車の運転もできるんだけど、一時できなくて大変だったの~」

 

車の運転、再開ッ??????!!!!!

 

強ぇえぇぇええぇぇえぇぇッ!!!!!!!!

 

ということでツイてない事故も振り返れば不幸中の幸いというものがあるものだと友人と話しておりました。

 

そんな彼女の用は決して愚痴ではなく、とても有難く嬉しいものでございまして

 

「もう本当にツイでなくて、そんなとき鹿吉ちゃんのケーキが食べたいッ!て思ったの~」

 

ということでご注文のお電話でございました♪

 

元気になりたい、食べて幸運を掴みたい、という気持ちでご注文いただけること、本当に有難いと思いました。辛いときのカンフル剤のような焼菓子であることが嬉しくて仕方ありません。

 

食べれば幸せ気分になれる、と思っていただけた、ということがなにより嬉しくて彼女の回復と皆様の幸せ時間の一助になれることを祈念した私は今日も元気に焼いております。

友人からご注文をいただきましたケーク・オ・フリュイ、フルーツのパウンドケーキにございます。ブランデーに漬け込んだドライフルーツとナッツをふんだんに使用した焼菓子でございます。生地にはカスタードを練り込んでございますので、香りがよく、非常に味わい深くもなっております。

 

高級感のある焼菓子でございまして、

 

「お友達と一緒に食べるのよ~美味しいの、フルーツの入ったこのケーキ♪」

 

と友人から有難いお言葉もいただいたものにございます。

是非一度ご賞味くださいませ~

 

ご興味を持っていただけた方はどうぞこちらへポチっとな、宜しくお願いいたします~

 

ちなみに本日書こうと思っていた話は友人の話ではなかったのですが、そちらのほうが自分にとってインパクトが強すぎて、思わず書いてしまいました。

 

ですので本日書く予定だったものは明日にでも書きたいと思います。

 

書く予定だった話は先程まではひっくり返るほど面白いと思っていたのですけども、今はちょっと色褪せてしまっております……

 

それほどに友人の話のインパクトが強く、本当に無事でよかったな、という安堵感に包まれております。大腿骨骨折は大怪我でございます。けれども彼女は生きて、車に乗れて、歩けて、リハビリも出来て、さらにはケーキを食べたいと思って電話をするだけの気力がございます。

 

もしも彼女がこの事故をきっかけに脳に障害を負ったり、儚くも命を散らしてしまっていたら、普段から連絡をしない私は彼女のことを知らずに過ごしてしまっていたかもしれません。

 

なにかのときに連絡をしてみて事実を知るのか、はたまた電話が通じないな、と悶々とするのか、いずれにしても後悔したことと思います。

 

遠方に住んでいる彼女とはなかなか会う機会にも恵まれず、いつまでも元気でいてくれると思って電話ひとつせずにおりましたが反省しました。

 

彼女の住む地域へ行くことがあれば、一度は声をかけて会う段取りをすべきだとつくづく思った私にございます。

 

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

またいらしてください~♪

お待ちしております!!!