ニュースで流れる大寒波の日本各地の映像に
え?どこの雪国の話???
と唖然としてしまう鹿吉です。
こんばんは!
寒波が来るとの予報があっても、さすがに予想もしない状況になって大変だったというニュースが次から次へと流されていくのを目の当たりにして、戦々恐々としております。
どこかへ出掛ける度に無駄になってもいいから、と飲み物と食べ物を買い込む母を思い出し、テレビで「飲み物もなく、食べ物もない」と嘆く立往生の運転手の言葉が脳裏に染み込みました。
今は「なるべく常に車のガソリンは満タンにしておかないとね!」と言う母の言葉に従ってガソリンを入れたのは言うまでもありません。
さて本日は久々に落語が実によく人を観察して作られているな、と感心してしまった話をひとつ。
落語に「時そば」という演題がございます。
有名なものなのでご存じの方も多いかと存じますが、ちょっとここで少しだけ説明をさせていただきます。
夜も更けた時間、ちょっと小腹が空いちゃった、というときに屋台の二八蕎麦屋が重宝する江戸時代、二八蕎麦屋はおよそ16文で蕎麦一杯を提供するファストフード店的な存在でした。
やる気も無駄口を叩く気もまったくない蕎麦屋の親父とひたすら褒め殺しで喋りまくる男とのやり取りから落語は始まります。
蕎麦を一杯頼み、そばが提供されるまでひたすら男は蕎麦屋と親父を褒めそやし、蕎麦を食っても大袈裟に褒め称え、最後のお勘定のときに
「銭を数えるからちょっと待ってくんな!」
とひとつ、ふたつ、と親父の掌に銭を声高に数えながら出していきます。
8文まで数えたところで、ふといかにも思いついたように男が
「親父!ところで今、何時(なんどき)でぇ?」
と聞き、親父は釣られたように
「へい、九つでさぁ」
と答えます。
男はそうか、と一言、銭を数え続けるのですが…
男が八つまで数え、親父が九つと答え、銭を数える男の口から「十、十一…」と続きます。
そして16文まで数え終わると「親父、旨かったぜ、またな」と言って去っていくのですが、このやりとりを傍でずっと聞いていた男がおりました。
はじめはおべんちゃらを恥ずかしげもなく息をするように自然に口にする男を軽薄だとバカにするのですが、ふいに指折り数えて気付くのです。
褒め殺しの男が16文の蕎麦を15文で食べたことに…
なるほど!と感心した男は次は自分もやってみようとさっそく翌日の夜に蕎麦屋へと出向きます。
ところが男が行った蕎麦屋は前夜の蕎麦と違い、箸は洗ったのかどうかもわからない代物で、器は欠けたどんぶり、蕎麦は伸び切り、出汁は辛すぎ、ちくわはまがい物とこれまた酷いものでした。褒めるのも難しい蕎麦を当然男は食べきることができないまま、目的だった勘定を願い出ます。
蕎麦屋の親父に16文でさぁ、と言われ、前夜の男のように「ひとつ、ふたつ…」と銭を数え始めました。男が八つまで数えたところで親父に時間を聞けば
「四つでさぁ」
「そうか、五つ、六つ、七つに八つ…」
男はすでに8文まで数えていたにもかかわらず、親父の「四つ」に惑わされ、結局まずい蕎麦を食べた挙句に銭まで多く支払うというオチになるのです。
これは前夜の男が午前0時(九つ)に蕎麦屋を訪れたのに対し、午後10時(四つ)に蕎麦屋を訪ねてしまったことが敗因なのですが、うっかり男を笑うべきなのか、やはり悪いことを企むと痛い想いをするという教訓として受け止めるのか、悩むところでございます(笑)
さて長々と時そばの説明をしましたが、話は変わって先日目撃した男性たちの話にございます。
詰め放題というものは古今東西老若男女に関わらず、詰めている本人をどこまでも興奮させるものにございます。手慣れたマダムたちは詰め放題用の袋の容積を増やすことから始めるくらいに気合の入る作業でもあるようにございます。
そして帰宅後、大抵の方が「なにゆえ、これほど、これを?」と首を傾げてしまうらしい話も耳にいたします(笑)
先日、芋を買い付けに行った先で野菜の詰め放題をしておりました。
3種類の袋が用意され、それぞれ好きなだけ詰めてからお会計、というシステムでございました。私は詰め放題の野菜には興味がなかったので、そのすぐ横で芋を物色しておりました。
すると男性ふたりがふらりと詰め放題の魅力抗えずに寄ってまいりました。
ふたりで顔を見合わせて、どうする?と視線で会話を交わします。
詰め放題だというのに買い物マダムたちは他の野菜に夢中で詰め放題コーナーはスルー。
ですから芋を物色している私以外は彼らしかおりませんでした。
散々迷った挙句に彼らは中くらいの袋を手にしました。
そして詰め放題マダム直伝なのか、袋に手を入れて容積を増やし始めました。その間も詰める野菜をなににしようかと視線は野菜に向けられております。
「こういうものはまずは長いのから、って聞いたぞ」
一言発した男性が人参を一本、袋に立てるようにして入れました。
キュウリ、また人参、とはじめは躊躇いながらも、段々と調子を上げて詰めていきます。
袋から飛び出した人参が袋に詰まったジャガイモやら玉葱やらに刺さった状態にまで詰め込んだものを満足げに眺めていた男性(A)が、連れの男性(B)の手元へと視線を遣りました。
A「なにしてんだ?」
B「なにって、数えてんだよ、いくつあるのか」
A「数えてどうすんだ?」
B「どうするって、どんくらい得したか、知りたいじゃあないか」
A「なるほど」
せっかく詰め込んだものをひとつひとつ数えながら袋から出している連れの男性(B)の姿に触発された男性(A)はやはり自分も同じように数を把握しようとひとつひとつ数えながら出し始めました。
B「7、8、9…」
A「1、2、3、4…」
B「5、6…ってやめろよ、口に出して数えるの、間違えちゃうだろ?」
A「あぁ、すまんすまん!」
B「もう、どこまで数えたっけ、えっと1、2、3…」
はじめから数え直すんだ、と思いながらふたりのやりとりが気になって芋に集中できない私。
A「6、7、8…」
B「9、10、11…なわけないじゃん!!!だから声に出さないでくれよ!!!」
せっかく1から数え直していたのに横の男性(A)が続きを数え始めたら、またもやつられて数を数え間違う男性(B)……
リアル時そばかよ!!!
ツッコみたかった…
時そばかよッってツッコみたかった…
実にツッコみたかった…
でも耐えた………!
さらにもうひとつ、ツッコみたかったことがあったけれど、それも耐えた!!!!!
時と場合と相手をちゃんと把握してツッコミしている私は今日も元気に焼いております。
フランス伝統的な焼き方で作られたタルト・オ・ポンム(アップルパイ)でございます。
りんごそのものを余すところなく使用したこの焼菓子は上品な味わいながらも満足感の高い大人の焼菓子となっております。
こちらの商品も2月末までの販売で一旦終了となります。
ご了承くださいませ。そして是非一度ご賞味くださいませ~
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ちなみに中くらいの袋の容積をこれでもか、と引き伸ばしてから野菜を詰め込んだ彼らはそれぞれが20個近くを数えておりまして、ホクホク顔で会計へと向かいました。
詰め放題ですからね、謳い文句は詰め放題ですから、それはもう高揚感満載だったかと存じます。詰め込む野菜も悪くないものばかり、しかもほかに詰める方もいなかったのでゆっくりまったりと詰めることもできておりました。
それはもう満足でございましょう。
けれどもですね、
美味しい話には罠があるんですよね~
と思っていた私の耳にレジで「どういうことだ???」と騒ぐ男性たちの声が聞こえてまいりました。それを聞いて「やっぱり気付いてなかったんだ…」と思わず肩を落として詰め放題の看板に視線を遣ります。
そこには
お好きなものをお好きなだけ詰め放題!!!
(何を詰めてもグラム100円!)←ここだけ字が小さいんですよ
と記載がございまして、一袋詰めたいだけ詰めていくら、というシステムではなく、ものに関係なくグラム100円になりますよ~という安いような安くないような微妙なお会計システムになっておりました(笑)
だから百戦錬磨の詰め放題大好きマダムたちはスルーするのでございます。
彼らの詰め方からすれば相当な重量になったと思いますので、きっとそれなりの金額の提示があったことでございましょう。そりゃあ、レジで驚きもしますよね、とひとりうんうんと頷いておりました(笑)
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
またいらしてください~♪
心よりお待ちしております♪