NHKの番組で、「筋トレ個別指導 増える事故」という特集が放送されていました。
昨年、パーソナルトレーニング指導による事故や怪我の健康被害の相談が増えているということがニュースで話題になり、消費者庁が実態を調査。
今年の4月に、下記のリンク先にて調査の経過報告も出されています。
この件を踏まえて、注意喚起を含めた放送内容でしたが、僕も先日こちらのブログで記載させていただいたように、ここ10年超で一部のトレーナーの質やレベルが著しく悪化していることが原因だと思っています。
番組で取り上げられていた事故の事例として、『パーソナルトレーナーの指導で、デッドリフトで腰の骨を骨折』という事故が取り上げられていましたが、思わず目を疑うというか、これが事実なのであれば、空いた口が塞がらないというか。
事実なのであればと書いたのは、まずまともなパーソナルトレーナーが付いていたら、100%あり得ないレベルの事故だからです。
まともな道を辿ってきたトレーナーであれば、100人中100人があり得ないと口を揃えるような、そのぐらい驚愕するような酷いレベルのトレーナーであり指導だということです。
僕は10年以上前から、この記事にも書いたようにトレーナーの質の悪化をずっと危惧していましたが、ついにニュースになってしまうほど、消費者庁が調査に乗り出すほどに悪化してしまいました。
こういう人たちは、とても"パーソナルトレーナー"と呼べるレベルではないので、一緒にして欲しくはないですね…
残念ながら、まともな下積みやパーソナルトレーナーとして当たり前に通っていかなければいけない道を通っていない、野良パーソナルトレーナー的な方が増えてしまっている印象です。
大会に出たからパーソナルトレーナーに、資格を取ったからパーソナルトレーナーに、スクールに通ったからパーソナルトレーナーに…。
パーソナルトレーナーになるための段階を諸々ふっ飛ばして、即お客様を指導するようなトレーナーがわんさかいるようですし、そこに違和感を持たない方があまりにも多いように感じます。
本来、パーソナルトレーナーはお客様に指導させていただいくまでに長い年月を必要とします。
僕のパーソナルトレーニングをお受けいただいているお客様でお医者様も沢山いますが、患者さんの命を扱うお医者様でも、医学部に6年間、国家試験に合格し、そこから研修医で2年、さらにそこから専門医になるまで最短で3年、ここまででも非常に長い道のりですが、ある意味そこからがスタートです。
パーソナルトレーナーも、お医者様と同じく人の命や人生を扱う仕事と言っても大袈裟ではありません。
そのためには、指導をさせていただくために必要不可欠な勉強はもちろん、信頼のおける団体での資格の取得、それ以上に大切なのが、しっかりとした指導者や教育体系が出来ている専門機関や施設での長い年月の訓練や経験が必要になるのです。
お医者様の例と比べたら、当然のことです。
このような意識すらない、ましてや考えたこともないようなパーソナルトレーナーが増えたため、今回の特集のような事故が起こるのも当然で、10年以上前から危惧していたことです。
下積みや修行の期間もなしにお客様の指導をしてしまえば、今回取り上げた事例のように、本来は起こり得ないような事故に繋がってしまうのです。
僕はパーソナルトレーナーを21年やってきて様々なトレーナーを見てきましたが、その中で最近思うことは、今回の事例まではいかないまでも、危ういレベルのトレーナーと、まともなトレーナーの割合は僕の感覚では、8:2ぐらいの体感です。
大げさではなく、危ういレベルのトレーナーが8割、ちゃんとした指導が出来るトレーナーが2割、これが僕が感じる最近のトレーナーの現状です。
知識、技術、だけでなく、誠実さや人間性も含めて、パーソナルトレーナーを探すのは、本当に難しい時代になってしまいました。
また時間のある時に、なぜパーソナルトレーナーの質が低下しているのか、僕なりの見解を書いていこうと思います。