「松任谷由実」の79年7月発表、7th「OLIVE」を聴きました。

僕が聴いたのは、サブスク配信音源、18年リマスター。

松任谷由実7-1

松任谷由実7-2

松任谷由実の全アルバム・全シングルがサブスクで配信されているので、順に聴いています。

過去にレンタル等で手に入れた音源も持っているのですが、サブスク配信は全てGOH HOTODAによる最新リマスター。
オリジナル・アルバムだけで39作もあるので、大変な長丁場ですが、
頑張って聴いています。

このアルバムは、6th「流線形'80」から8ヶ月で発表された7作目(オリコン5位)。
プロデューサーは、松任谷正隆。

1曲目「未来は霧の中に」は、東京オリンピックやアポロ月面着陸と、その年のユーミンの年齢(9つ、13)が歌詞に登場するノスタルジックな曲。途中、電気変声したボーカルが入りますが、誰が歌っているのでしょうか?
2曲目「青いエアメイル」は、岩崎宏美に提供する予定だったがボツとなった曲。しっとりと聞かせる、静かな歌。
3曲目「ツバメのように」は、高いビルからの飛び降り自殺という重たいテーマを、ツバメに例えた独特の世界観で、スカとビギンのリズムに乗せて歌った曲。曲調と「誰かが言った あまり美人じゃないと ハンカチをかけられた白い顔を」というシュールな歌詞のギャップがすごいです。
4曲目「最後の春休み」は、ハイ・ファイ・セットへの提供曲のセルフカバー。両者とも、ほぼ同時期に発表されています。ユーミンの卒業ソングと言えば、「卒業写真」が有名ですが、卒業そのものの情景を歌っているのはこちらです。「アルファベット順の名前」とか、ちょっとありえないフレーズも含めて、青春の一頁をめくるような歌詞とセンチな雰囲気が良いです。
5曲目「甘い予感」は、アン・ルイスへの提供曲のセルフカバー。間奏のサックスも軽快なレゲエ・ナンバー。ブロンディの「夢みるNo.1(The Tide Is High)」を思い出しました。同じレゲエだからかな?
6曲目「帰愁」は、13thシングル(オリコン89位)。後に、研ナオコがカバー。ケーナやマンドリンによるフォルクローレ風のアレンジながら、曲調は思いっきり歌謡曲です。
7曲目「冷たい雨」は、バンバン「いちご白書をもう一度」B面曲のセルフカバー。ハイ・ファイ・セットもカバーしてヒット(オリコン30位)。荒井由実時代の曲のため、作詞作曲のクレジットもそうなっています。「ケンカして、冷たい雨の中を飛び出して戻ったら、別の女といた」というシュールな歌詞を淡々としたメロディーに乗せて歌っています。
8曲目「風の中の栗毛」は、麗美の実姉、堀川まゆみへの提供曲のセルフカバー。途中、唐突にベース・ソロが挿入されます。
9曲目「稲妻の少女」は、6曲目のシングルB面。前作収録の「真冬のサーファー」に続く、サーフ・ソング。ものすごく軽快なアメリカン・ポップスで、冒頭を始めとするコーラスは、このアルバムでユーミンの作品とお別れする山下達郎。
10曲目「りんごのにおいと風の国」は、ノスタルジックなアコースティック・ナンバー。ハロウィーンが登場する歌詞も含めて、秋の気配を感じさせます。

ジャケットは、ファッション雑誌(VOGUE?)の表紙のようなデザイン。ちなみに、同名の雑誌「Olive」は82年創刊なので、当時はまだ存在しませんでした。

Youtubeで「最後の春休み」のライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。

 


同じくYoutubeの「ツバメのように」のライヴ映像です。