「荒井由実」の75年6月発表、3rd「COBALT HOUR」を聴きました。

僕が聴いたのは、サブスク配信音源、18年リマスター。

荒井由実3
イラストはペーター佐藤。

松任谷由実の全アルバム・全シングルがサブスクで配信されているので、順に聴いています。

過去にレンタル等で手に入れた音源も持っているのですが、サブスク配信は全てGOH HOTODAによる最新リマスター。
オリジナル・アルバムだけで39作もあるので、大変な長丁場ですが、とりあえず荒井由実名義の5作から聴いています。

このアルバムは、2nd「MISSLIM」に続く3作目(オリコン2位)。

1曲目「COBALT HOUR」は、アルバム・タイトル曲。ジャケットにも描かれているセスナ機の飛行音から曲が始まります。曲名のコバルトは、コバルトブルーで明け方の空を表しているようです。また、歌詞に登場する「白いベレG」は、いすゞ自動車の「ベレットGT」の事。激しいパーカッションが鳴り響き、バックを務めるティン・パン・アレー(細野晴臣、松任谷正隆、鈴木茂、林立夫)の演奏力が際立ちます。
2曲目「卒業写真」は、ハイ・ファイ・セットへの提供曲のセルフカバー。卒業のテーマ・ソングみたいになっていますが、「悲しいことがあると 開く皮の表紙」という歌詞なので、卒業写真を見て思い出を振り返る内容です。間奏も含めて、鈴木茂が弾くメロウなギターが印象的です。
3曲目「花紀行」は、金沢の浅野川をイメージした曲。実際に現地に赴いて、作ったようです。静かな和風の曲調。
4曲目「何もきかないで」は、5曲目のシングルB面。イントロに口笛が入る、ノスタルジックなロッカバラード。
5曲目「ルージュの伝言」は、5thシングル(オリコン45位)。オールディーズ風のアレンジに、彼氏の浮気を彼氏のママに言い付けに行くという、印象的なシチュエーションの歌詞が乗った曲。この彼氏は、矢沢永吉をイメージしたらしいです。曲名の「ルージュ」は赤い口紅の事。凝ったコーラスは、山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子の3人。
6曲目「航海日誌」は、歌詞では「航海」を「後悔」に変更。ストリングスが全面に入ったクラシカルなアレンジ。
7曲目「CHINESE SOUP」は、調子の外れたバイオリンとピアノによるホンキートンク調の曲。
8曲目「少しだけ片想い」は、6thシングル「あの日にかえりたい」B面。コーラスは山下達郎と吉田美奈子。
9曲目「雨のステイション」は、JR青梅線・西立川駅がモデルで、駅には歌碑が建立され、発着ベルもこの曲を使用。クールなバラード。
10曲目「アフリカへ行きたい」は、疾走感に溢れる曲。歌詞に「銀色のセスナ」が登場し、エンディングでは再びセスナ機の飛行音が轟きます。

同年10月に発売された「あの日にかえりたい」が大ヒットしたため、このアルバムもヒットしました。

Youtubeで「ルージュの伝言」のTVライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。

 


同じくYoutubeの「卒業写真」のライヴ映像です。