「マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)」の98年9月発表、5th「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ(This Is My Truth Tell Me Yours)」を聴きました。

僕が聴いたのは、サブスク配信音源、20周年記念コレクターズ・エディション3枚組、18年リマスター。

マニック・ストリート・プリーチャーズ5-1

マニック・ストリート・プリーチャーズ5-2

マニック・ストリート・プリーチャーズ5-3

20周年記念盤のジャケット(2枚目の写真)は、オリジナルの別ショットを使用しております。

80年代に続いて、90年代の名作もピックアップして聴いています。
ニュー・オーダー「リパブリック(Republic)」に続いて、第25弾はマニック・ストリート・プリーチャーズ。

マニック・ストリート・プリーチャーズは、イギリス・ウェールズ出身のロック・バンド。

この時点のメンバーは、ジェームス・ディーン・ブラッドフィールド(ボーカル、ギター)、ニッキー・ワイアー(ベース)、ショーン・ムーア(ドラムス、パーカッション)の3名。
95年2月に、リッチー・エドワーズ(ギター)が精神的疾病で失踪し、行方不明になりました。以降発見されることなく、08年には死亡宣告も為されておりますが、今でも正式メンバーとして扱われております。

このアルバムは、4th「エヴリシング・マスト・ゴー(Everything Must Go)」に続く5作目(全英1位・オリコン27位)。
プロデューサーは、マイク・ヘッジス、デイブ・エリンガ。

Disc1
1曲目「ジ・エヴァーラスティング(The Everlasting)」は、全英11位。1曲目から6分を超える、ギターとストリングスが紡ぐ壮大なナンバー。
2曲目「輝ける世代のために(If You Tolerate This Your Children Will Be Next)」は、全英1位。原題(君がこれを容認するならば、君の子供たちが次の番になるだろう)は、スペイン内戦(1936-39)時の反乱軍(ファシズム政権)とそれを援護するドイツ・イタリア軍の攻撃に非難を込めて掲げたポスターの表題から採られています。

マニック・ストリート・プリーチャーズ5-4

3曲目「ユウ・ストール・ザ・サ・フロム・マイ・ハート(You Stole the Sun from My Heart)」は、全英5位。サビの部分で爆音を聞かせる軽快なロック・ナンバー。
4曲目「レディー・フォー・ドゥラウニング(Ready for Drowning)」は、イントロのキーボードから崇高な雰囲気を醸し出すドラマチックな曲。途中、セリフ入り。
5曲目「ツナミ(Tsunami)」は、全英11位。同郷のジューン&ジェニファー・ギボンズという双子の姉妹(お互い以外の会話を拒絶し、サイレント・ツインズと言われた)にインスパイアされた曲。曲名は、もちろん日本語の「津波」。エレクトリック・シタールの流れる東洋的なアレンジ。
6曲目「マイ・リトル・エンパイアー(My Little Empire)」は、ちょっと陰りのある曲調。コーラスはニッキー・ワイアー。
7曲目「アイム・ノット・ワーキング(I'm Not Working)」は、エコーを効果的に使ったシンプルな曲。
8曲目「ユア・テンダー・アンド・ユア・タイアード(You're Tender and You're Tired)」は、突き上げるような開放感のある曲。オクターブを駆け上がるピアノや口笛が印象的です。
9曲目「ボーン・ア・ガール(Born a Girl)」は、ドラムレスの幻想的な曲。
10曲目「ビィ・ナチュラル(Be Natural)」は、1曲目に通じる、ドラマチック&壮大なギターロック・ナンバー。
11曲目「ブラック・ドック・オン・マイ・ショルダー(Black Dog on My Shoulder)」は、流れるようなストリングスが果てしなく美しい曲。
12曲目「プロローグ・トゥ・ヒストリー(Prologue to History)」は、2曲目のCDシングル・カップリング。オリジナルCDでは未収録。熱いパッションを感じさせるロックン・ロール。
13曲目「S.Y.M.M.(S.Y.M.M.)」は、「South Yorkshire Mass Murderer(サウスヨークシャーの大量殺人)」の略で、89年4月にイングランド・シェフィールドのヒルズボロ・スタジアムで行われたサッカー試合で発生した観客の圧死事故(ヒルズボロの悲劇)に絡み、サウスヨークシャー警察を「大量殺人者」と見做し批判する内容となっています。
14曲目「ノーバディ・ラヴド・ユウ(Nobody Loved You)」は、オリジナルCDでは12曲目に収録。これまたサビの部分でノイジーな爆音を聞かせるロック・ナンバー。

Disc2は、デモとライヴ・リハーサル14曲。
1曲目は、Disc1・1曲目のライヴ・リハーサル・デモ。
2曲目は、Disc1・2曲目の別ミックス(Dave Bascombe Mix)。
3曲目は、Disc1・3曲目のライヴ・リハーサル・デモ。
4曲目は、Disc1・4曲目のライヴ・リハーサル・デモ。
5曲目は、Disc1・5曲目のスタジオ・デモ。
6曲目は、Disc1・6曲目のライヴ・リハーサル・デモ。
7曲目は、Disc1・7曲目のホーム・レコーディング・デモ。音割れがひどいです。
8曲目は、Disc1・8曲目のスタジオ・デモ。
9曲目は、Disc1・9曲目の別ヴァージョン(Alternative Version)。
10曲目は、Disc1・10曲目のライヴ・リハーサル・デモ。
11曲目は、Disc1・11曲目のライヴ・リハーサル・デモ。
12曲目は、Disc1・12曲目のライヴ・リハーサル・デモ。
13曲目は、Disc1・13曲目のスタジオ・デモ。
14曲目は、Disc1・14曲目のライヴ・リハーサル・デモ。

ライヴ・リハーサルは、スタジオ・ライヴ風ですが、やはりデモの域は脱していません。1回聞けば充分ですね。

Disc3は、リミックスとシングル・カップリング13曲。
1曲目は、Disc1・2曲目のリミックス(Massive Attack Remix)。
2曲目は、Disc1・2曲目のリミックス(David Holmes Remix)。10分に及ぶインストゥルメンタル・ヴァージョン。
3曲目は、Disc1・1曲目のリミックス(Deadly Avenger's Psalm 315)。
4曲目は、Disc1・1曲目のリミックス(Stealth Sonic Orchestra Remix)。幻想的なインストゥルメンタル・ヴァージョン。
5曲目は、Disc1・3曲目のリミックス(David Holmes Remix)。
6曲目は、Disc1・3曲目のリミックス(Mogwai Remix)。
7曲目は、Disc1・5曲目のリミックス(Cornelius Remix)。
8曲目は、Disc1・5曲目のリミックス(Stereolab Remix)。
9曲目「モンタナ・オウタム・78(Montana/Autumn/78)」は、2曲目のCDシングル・カップリング。サイケデリックなロックン・ロール。
10曲目「ブラック・ホールズ・フォー・ザ・ヤング(Black Holes for the Young)」は、1曲目のCDシングル・カップリング。イギリスのシンガーソングライター、ソフィー・エリス・ベクスターとのデュエット。電子オルガンらしき音が印象的です。
11曲目「ヴァレー・ボーイ(Valley Boy)」は、1曲目のCDシングル・カップリング。突き抜けるような高音のボーカル。一部演奏にBGM風の会話が被ります。終盤のギター・ソロは圧巻です。
12曲目「ソシアリスト・セレナーデ(Socialist Serenade)」は、3曲目のCDシングル・カップリング。犬の鳴き声で始まり、曲中にもいっぱい鳴き声が入ったギター・ロック。
13曲目「ビルディングス・フォー・デッド・ピープル(Buildings for Dead People)」は、5曲目のCDシングル・カップリング。ブルース・ロック。

リミックスより、シングル・カップリングの5曲が聴き応えがあります。

Youtubeで「輝ける世代のために(If You Tolerate This Your Children Will Be Next)」のMV映像とライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。

 

 


同じくYoutubeで見つけた「ジ・エヴァーラスティング(The Everlasting)」のMV映像とライヴ映像です。
 

 


同じくYoutubeで見つけた「ユウ・ストール・ザ・サ・フロム・マイ・ハート(You Stole the Sun from My Heart)」のMV映像とライヴ映像です。
 

 


同じくYoutubeで見つけた「ツナミ(Tsunami)」のMV映像とライヴ映像です。