聖子さんとナイアガラ | 柴犬と小規模農家の奮戦記!

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松田聖子さんの誕生日と言うことで、聖子さんのアルバムで最も好きな「風立ちぬ」とナイアガラサウンドについて触れて行こうと思います。

このアルバムはまるで聖子さん版の「ロングバケイション」と言う感じで、「風立ちぬ」を聴くと’81年の大ヒットアルバム大滝詠一氏の「A LONG VACATION」も同時に頭に浮かんでくるのです。

 

  

 

「風立ちぬ」の帯のキャッチコピーは「こころの香り 聖子、いま19のメッセージ」とあります。

典型的な聖子ちゃんカット時代の最後のオリジナルアルバムで、レコーディング時には喉の調子が良く無くて、所々にそんな兆候を聴くことが出来ます。

それが更にいじらしい女性の表現力となって、聖子さんの天才的な部分を感じることが出来ます。

ちょうど愛知県で大学生活をしていた冬の時期、冬休みとなって友人などは国元へ帰ってしまい、一人でアルバイトしていました。

深々冷える早朝に目覚ましで起きるサウンドと朝食の時の音楽がこの2枚のアルバムでした。

そして夜帰った時に夕食をとる時の音楽もまずはこの2枚でした。
その時の事が今になっても懐かしい思い出と残っています。

 

  

 

ロングバケイションは1981年の3月21日発売、風立ちぬは同年10月21日の発売で、ロングバケイションは春から夏にかけて良く聴きました。

大滝詠一氏の名前が一躍知られる大ヒットアルバムになり、松田聖子さんの風立ちぬはその大滝詠一氏がサウンドプロデュースし、A面5曲が大滝氏の作曲で聖子さんのナイアガラサウンドでした。
風立ちぬは10月発売ということや冬をイメージする曲があって冬の印象が残りますが、ロングバケイションは初夏から秋にかけてのイメージ曲が多い中、個人的にはラストのさらばシベリア鉄道のインパクトが強かったことと、1年を通して冬まで聴いていたため、このアルバムも冬のイメージが残っています。

 

  

 

この2枚のアルバムを聴くと、サウンド的にも良く似通っていて、オープニング曲の「君は天然色」と「冬の妖精」は3連符のアップテンポの乗りの良い曲調で、さらに「冬の妖精」のイントロはロングバケイションの2曲目の「Velvet Motel」のイントロのギターをアップテンポしたような始まりで、カスタネットやスレイベルの響きが冬のイメージを作り出しています。

スローな「ガラスの入江」と「雨のウエンズデイ」は共通しますし、「FUN×4」と「いちご畑でつかまえて」の軽快なサウンドも似通っています。

 

  

 

風立ちぬの初盤の帯は水色でした。

まあ、大滝氏がロングバケイションのノリで製作したような「風立ちぬな」ので、似ている曲も多いかと思いますが、個人的にこうした内容なので興味深く印象に残ったのです。

A面は大滝詠一氏がプロデュースしただけでなく、作詞は全曲松本隆氏、B面は鈴木茂が作詞作曲で参加しているほかプロデュースも兼ね、また「白いパラソル」以外でギター参加しているため、まるで“はっぴいえんど”がこの作品で復活したような内容であるのも興味深いです。

他にも財津和夫氏と杉真理氏の曲も収録されていますが、良い存在となっています。

ただ、「白いパラソル」がちょっと色が異なるのが気になるだけです。

 

 

 

サウンドをいちいち分析すると長くなりますが、60年代のポップスやリバプールサウンドを研究していた大滝氏らしいサウンドが全面にあり、フィルスペクターばりの厚化粧サウンドも冴えわたっています。

「恋するカレン」のふられていく男の気持ちに対して「風立ちぬ」は別れた後、一人で進もうとする女性の気持ち等、他にもありますが、2枚の内容が対極していたり共通しているような詩が多いのも面白い所です。
このロングバケイションを購入した一番の理由は、その前年に太田裕美さんがリリースした「さらばシベリア鉄道」のセルフカバーが入っていたことです。

 

 

 

実を言うと、太田裕美さんの歌い方がオリジナルのようで、大滝氏はセルフカバーの際に異なる雰囲気を出すために歌い方を少し変えたようです。
懐かしい10代最後の冬の想い出です。